金繕い 初心者カリキュラム(全12回/1年)

■基本(6ヶ月)

①欠損の見極めと下準備についての説明
ほつれの補修
「ほつれ」とは1ミリ以下の小さな欠けのこと。繕いの基本を学びます。「欠け」のものと合わせて赤漆を塗り重ねていきます。②にゅうの補修
「にゅう」とはヒビのこと。安全なヒビと危険なヒビを見極めて繕います。

③割れの補修
割れた破片のあるものの接着。破片の大きさはもちろん、微細なものでも接着して繕います。

④繕いの仕上げ
美しく仕上げるための練習です。割れや欠けの形をそのままに蒔絵します。

⑤欠けの補修
「ほつれ」より大きな欠けで、破片のないもの。原則として木片を用いて繕います。欠けの大きさで2回に分けて説明します。

 

■応用(6ヶ月)

※順不同 お持ちいただくものによって内容が変わります
⑦木工・漆器類
陶磁器以外の補修(木工品・漆器類・ガラスなど)を学びます。⑧のりうるし
生漆による接着より強度が必要な場合、割れの破片が多く複雑な場合に、白米と漆を混合して「のりうるし」を作り、接着します。

⑨平蒔絵・置き目
美しく仕上げるために漆を直接用いるフリーハンドでの絵付けや、「置き目」の技法を学びます。

⑩高蒔絵
仕上げに変化をつけるための高蒔絵を学びます。

⑪貝合わせ
金箔の扱いの練習のため、貝合わせを作ります。はまぐり貝は各自事前に購入して磨いたものを使用します。

⑫補強の講習
割れを接着した後、さらに強度を求められる場合に、和紙を用いて補強します。

⑬ 呼び継ぎ・総体繕い
「呼び継ぎ」は破片のない場合に他の器の破片を用いて接着して仕上げる技法。「総体繕い」は仕上げに金・銀蒔絵を用いず、色漆を調合して繕う技法。

◎ 最初の6ヶ月で基本の技術を説明し、後半の6ヶ月で応用の技術を学んで頂きながら、完成までご指導致します。
破損の状態によって完成時期は異なりますので、あらかじめご了承下さい
◎2年目以降は、直したい器に合わせて修復方法をご指導致します。