カテゴリー別アーカイブ: 基本のき

お月様

金繕いのご依頼を受けていた小鉢が完成しましたので、ご紹介
致します。


縁の部分にある薄く削げた破片をご自身で接着剤で接着されて
しばらくお使いになっていたそうなのですが、欠けからのびる
ひびに色が入って来てしまい、金繕いをご依頼頂きました。

ひびの汚れは油シミになっていたのを様々な薬品で根気よく
除去しました。
接着剤で接着してしまった破片は剥離しようとすると破損してしまう
ので、あえて外さず別の方法で固定しました。

綺麗になったひびは止めてありますが、目立たなくしてあります。
破片の周りの欠損は丁寧に埋めて金泥で仕上げました。

プラスしたのが染付の柄が繋がるように銀泥の仕上げを足した
ことです。
これは度々ご紹介していますが、硫化すると染付の色と違和感なく
融合する予定です。

ご依頼下さった方はこの仕上がりを「お月様のよう」と喜んで下さい
ました。

実は今回のようにHPのコンタクトから金繕いのご依頼があった場合は、
まずお断りしています。
これは過去に極端な短納期を強いられたり、金繕い代金を安価にする
ように迫られたりした苦い経験から行なっていることです。

なぜ今回お受けしたかというと、頂いたメールにインスピレーションを
感じたからに他なりません。

ご本人様からお許しを頂いてSNSの文章をご紹介致します。
このように喜んで頂けるからこそ仕事を続けていけるのです。

https://note.com/kyo_coco/n/nde1fdb7740a8


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ハンダの直し

骨董店で購入した器を教室にお持ちになって、改めて金繕いしたいと
おっしゃる方は多くおられます。
その内、欠けの直しから出てきたものをご提供頂きました。

一体、これは何かと思われるのではないでしょうか。
正体はハンダです。

骨董店では商品を早く捌くことは大きな命題です。
仕事である以上、それが大切なことは理解出来ます。
しかしそれが体に良くないもので出来ていたら、どうでしょうか。

ご存知の方も多いと思いますが、ハンダの成分は鉛です。
鉛が人間の体に悪影響を及ぼすことは良く知られていることだと
思います。

早く販売するために食材が盛られる器にハンダを使用するのを厭わない
業者さんがおられるのは嘆かわしいことです。

購入する側で気を付けて気に入った器を手に入れるしかありません。
もしハンダだとわかった場合には早急に対処なされて下さい。


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たくさんの欠け

NHK学園市川オープンスクールの方の作品をご紹介致します。
陶器のお皿の縁がたくさん欠けてしまっていました。

柔らかい質の陶器の場合、縁がたくさん欠けてしまうのは、よくある
ことです。
まずは1箇所づつ丁寧に欠損を埋めますが、問題は仕上げです。

欠けがたくさんある場合、金で仕上げると悪目立ちすることがあります。
ご紹介のお皿の場合は銀泥で仕上げられました。
縁に濃い釉薬の色がありますので、銀泥が硫化していくと、いい感じに
馴染む予定です。
お皿全体の感じとしても合うと思います。

縁にたくさん欠けがある器を金繕い中の方は参考になさって下さい。


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コルク栓の筆置き

先日、牛乳パックを利用した筆置きをご紹介しましたが、今回は
ワインのコルク栓を利用したものです。
考案は産経学園ユーカリが丘校のMさんです。

コルク栓を半分に切ったシンプルなものです。
しかし処分してしまう物を利用したという意味ではSDGsと言えるのでは
ないでしょうか。

金繕いの教室に来て下さる方は皆様アイディアが豊富です。
これはというものがありましたら、是非ご紹介下さい。


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底が抜ける

金繕いの教室を受講の方がお持ちになられた大鉢です。
底が抜けてしまっていました。


骨董の器ですと完全に底が抜けなくても高台に沿うようにひびが
入るケースは珍しくありません。

厚みが変化しているところで破損していることから、技術的な未成熟さ
という骨董特有の問題が考えられます。

また使っている方が重ねて収納していることで破損を誘発していることも
原因かもしれません。

原因がなんであれ、このような状態でも金繕いは可能です。
破損状態に臆せず、チャレンジして下さい。


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美吉野紙と吉野紙

金繕いの欠けの仕上げをする際に使用をお勧めしているのが
漆漉し紙の「美吉野紙」(みよしのし)です。

一見、和紙に見えますが、合成繊維のレーヨンで出来ています。
漆のチューブの口金で固まっているものが混入しないようにする
為に使って頂いています。

購入先は漆芸材料店になりますが、100枚、50枚とまとめて販売されて
いることがほとんどです。

こちらは古来、漆漉し紙として使われていた「吉野紙」です。
奈良県・吉野町の昆布さん夫妻が楮から漉いている和紙です。

かつては宮中の女官が懐紙として使っていたこともあるそうで、その
柔らかさから「やわやわ」と呼ばれていたそうです。

残念ながらレーヨンの美吉野紙が1枚¥20と安価なのに比べて1枚
¥400程度と高額なのは否めません。

金繕いの教室では漆漉し紙として使うことはなく、補強の為に使って
います。

購入先ですが、吉野紙は和紙専門店で、美吉野紙は漆材料店でと
はっきり棲み分けされています。

見分けがつかないとのお声もありますが、仕上げの際には美吉野紙は
必須です。
是非ご理解頂きたい内容です。


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トクサの色

春を迎えて我が家のトクサは新芽が出始めました。
2〜3月にトクサの刈り取りを行った方から特に質問が多かった
のがトクサの色についてです。

初回にお渡ししているトクサが画像右のように枯れ色になっている
せいか、ご自身が刈り取ったトクサがいつまでも青々とした緑色の
ままだが、使えないものなのではないか?というものです。

道具としてトクサを使う場合、色は全く関係ありません。
刈り取って1週間干して水分が飛んだら、それで道具として使える状態
になっています。

「金繕いの本」をお持ちの方は是非90ページをご覧ください。
使い方を詳しく解説してあります。


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廣瀬佐紀子展 ー地の上 天の下Ⅱ ー

学生時代からの友人であり、日本画家の廣瀬佐紀子さんの個展に行って
きました。
彼女の真骨頂は雄大な山の風景です。


実際に登山して見た風景を絵にしているのですが、山を登った上でスケッチ
するのは大変なことだそうです。
天候に左右されるので、同じ風景をスケッチするのに複数回用する場合もある
ので、その過酷さは想像を超えるものがあります。

コロナ禍で外出も躊躇われる環境にあると、彼女の雄大な作品は清涼感を感じ
気持ちを豊かにしてくれます。

今回の個展ではグループ展では見られない小品も出展されています。
山岳風景とは違う彼女の作風が楽しめますので、こちらも必見です。

展覧会は京橋の林田画廊で4月2日(土)までです。
ぜひ足をお運び下さい。


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しべを蒔絵

カルチャープラザ公津の杜教室のTさんの作品をご紹介致します。
金繕いではありませんが、自作の陶器の絵柄に蒔絵した作品です。


椿の花を渋い色の染付で描かれたお茶碗です。
しべの先端を金泥・銀泥で蒔絵されています。
それだけなのですが、ずっと華やかになりました。

蒔絵は金繕いの仕上げだけでなく、加飾を目的にしても可能です。
ちょっと手間をかけるだけで雰囲気が変わりますので、チャレンジ
しがいがあるかと思います。

もしお手元に物足りない器がありましたら、蒔絵をお考えになって
みませんか?


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カード入れの活用

紙ヤスリの保管方法について、今までいろいろな工夫をされている方を
ご紹介してきました。
今回はNHK文化センター柏教室のNさんの方法です。

活用されたのは長財布に入れるカード入れです。
段々に仕分けされているので、使いたい番手を探しやすいと思いますし、
何よりスリムなので、道具箱の隙間に入ってくれそうです。

販売されているサイズはA4版くらいなので、このサイズで持ち運ぶのは
大変です。
1回に使うサイズにカットし、裏側に番手を油性マジックなどで書いて
おくのがいいかと思います。

ぜひ過去にご紹介した分も検索して頂き、ご自分に合った方法でなさって
みて下さい。


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