カテゴリー別アーカイブ: 展覧会•イベント

畠山美術館 琳派から近代洋画へ

改築工事で休館していた畠山美術館の開館記念展の第2弾
「琳派から近代洋画へ」を拝見して来ました。


今回の展覧会には畠山美術館が誇る琳派の歴史を彩る名品が展示
されますが、中でも私が拝見したかったのが本阿弥光悦の赤楽
茶碗 銘「雪峯」です。

なだれるように掛けられた白釉を山嶺に振る積もる白雪に、火割れ
を雪解けの渓流になぞらえて光悦自ら命名したと伝えられています。

最大幅1.2cm、深さ5mmの深い金繕いが印象的ですが、歴史的に
見て金で仕上げられた最初の器と言われています。

今回の展示は360度拝見できたので分かったのですが、大きな溝が
ある右側面もかなり複雑に金繕いされていたのです。
満身創痍の器ですが、エポックメーキングな作品としての堂々たる
品格は素晴らしいものがあります。

会期末が3月16日日曜日と迫っていますが、ご都合をつけてご覧に
なるのをお勧めします。
入館は完全予約制、ミュージアムショップも含めて支払いはキャッシュ
レスですのでご注意下さい。
(ロッカーの小銭100円がなかったのですが、受付で貸して下さる
という徹底振りです。)


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湯口絵美子 日本画展

-Golden  Afternoon-と副題のついた日本画家・湯口絵美子さんの
展覧会に行ってきました。

湯口さんは友人のお姉様という繋がりで、昨年夏〜秋に箱根・成川
美術館で行われた父娘展も拝見しました。
今回は湯口さんお一人で代名詞のバラの他、様々な花の共演を堪能
出来る充実した展覧会でした。

ご自身で育てている花を生き生きと描かれているのはもちろんですが、
そこに湯口さんならではの“意匠化”が加わり、独自の世界が形成されて
います。
これが見る人を惹きつけて止まない魅力になっているのだと思います。

植物は身近なだけに嘘があるとたちまち破綻します。
例えば蘭の葉に梅の花が咲くというようなのは有り得ない植物ですから、
いくら創作と言っても通りません。

真摯に植物に向き合い写生を繰り返し、それぞれの美しさを抽出された
華麗な世界を堪能下さい。

展覧会は1月21日火曜日まで。
松坂屋上野店7階 美術画廊です。


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6styles@女子美’83 展

友人の高橋文子さんが参加しているグループ展を拝見して
きました。
高橋さんは刺繍作品を出品しています。

日本刺繍他、様々な分野の刺繍を修めた高橋さんの作品は上品さと
可愛らしさが同居していて、とても魅力的です。

画像は購入させて頂いたブローチですが、帯留に変えられる金具を
使って帯留として使う予定です。

今回、海の生き物をモチーフにしたシリーズも出品されていたのですが
こちらも素敵でした。

もう1点、購入したのが森下和枝さんの、こちらもブローチ。
帯留にしたら面白いかも、と思ったのですが、冬に愛用しているニット帽
が愛想がなかったので付けてみたところ、とても相性がいいではありませんか。
今冬はこの組み合わせで楽しみたいと思います。

秋はいろいろ展覧会のお誘いがあって楽しい季節です。


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斉藤典彦展

友人の日本画家・斉藤佳代さんのご主人である斉藤典彦さんの
東京藝大退任記念の展覧会を拝見してきました。

こちらでは2007年の個展以降の作品を展示。
自然に潜む目に見えない根源的な気配が表されていると評されて
いる大きな作品が拝見出来ます。

私としては床の間の設えのある和室に展示されている正木記念館の
展示が興味深かったです。
そもそも純和室での展示が珍しいですし、照明が抑えられた空間で
見る作品は幻想的でした。

同時に京橋の和田画廊では2000年までの作品が展示されています。
東京藝大の展示品とは作風が違う作品が拝見出来ました。

東京藝大での展示は10日(日)まで。
和田画廊は13日(水)まで。
ご興味がある方は会期末が迫っておりますので、ご注意下さい。

秋は展覧会のお誘いが多い季節でもあります。
インプットの時間として満喫したいと思います。


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文様の格 見逃し配信

10月30日、「文様の格」と題した講習会をNHK文化センター千葉
教室とオンラインで行いました。

1時間半、文様の格とその取り合わせ、文様を検討する際に押さえて
おくべき知識をふんだんに盛り込んでお話ししました。

渾身の内容が11月2日から16日まで見逃し配信でご覧頂けます。
あいにく途中で行ったクイズはご参加頂けませんが、内容は十分お楽しみ
頂けます。

御視聴をどうぞ宜しくお願い致します。


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四田淳三・湯口絵美子 父娘展 雪と薔薇

現在、箱根 芦ノ湖湖畔にある成川美術館で行われている
「四田淳三・湯口絵美子 父娘展」に行ってきました。

荘厳で静謐な雪の塔を描き続けた父・四田淳三さんと娘・
湯口絵美子さんの鮮やかで情熱的なバラの対比が織りなす美の
競演でした。

湯口さんの描くバラは洋花の西洋のエッセンスと日本画の清心さ
が同居する不思議な魅力があります。
このあたりが日本画ファンのみならずバラを描く、もしくはモチーフ
として扱う方の心を捉えて幅広いファンがいらっしゃいます。

箱根観光の際に足を伸ばして頂くと外の喧騒とは隔絶した静かな空間
で作品が堪能出来ます。
芦ノ湖までは難しいという方は来年1月に都内で湯口さんの個展が
予定されておりますので、そちらへどうぞ。


成川美術館から臨む芦ノ湖

父娘展は11月13日までです。


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金繕いから学ぶ 文様の格

「金繕いから学ぶ 文様の格」と題して1日講座を行います。
10月30日水曜日 13:30〜15:00
NHK文化センター千葉教室

近年、金繕いはただ破損を直すだけではなく、蒔絵をプラスして
オリジナリティを求める傾向にあります。
そこで必要になるのが文様に関する知識です。

あまり知られていませんが日本では文様に厳密な格付けがあります。
その知識を踏まえた上で作品に最も相応しい文様を選択すべきでは
ないでしょうか。

この講座では一般の文様辞典にはない知識をご紹介します。
お聞き頂くことで日本文化に対する造詣を深めて頂ければ幸いです。
ご参加をお待ちしております。

教室講座(NHK文化センター千葉教室で受講して頂く)

オンデマンド(リアルタイムでの視聴〜ご都合が良い時に視聴)


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シー陶器・シーグラス 箸置き・アクセサリー作り2024

随分時間が経ってしまったのですが、今年3月に行ったシー陶器・
シーグラスで作るアクセサリー作りのご報告です。


こうして並べてみると、ご参加の皆様それぞれで大変面白い作品が
完成していると思います。

相応の時間がかかる金繕いと違い、1日のワークショップで完成する
のも魅力だと考えています。

とはいえじっくり取り組むのが性に合うので、もう行わない予定?


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2024年 第1回+第2〜3回 草木染め

今年行った草木染め講座の2回目と3回目の様子をお知らせ
します。
全てご参加の方々の作品です。


ピンクの絞り染めがあった帯揚げをやしゃぶしの鉄媒染で渋く


輪ゴムで縛っただけの簡単絞り染め
意図しない柄に染まるのが楽しみ


第2回目の方々 綿や竹の素材もしっかり染まりました


変色してしまった白いブラウスを玉ねぎの鉄媒染で渋く変身



第3回の方々 蘇芳、玉ねぎの鉄媒染で渋くしたものが好評

ご参加の方にはお手持ちのものを染め直して蘇らせて頂いたり、新しい
白生地をお好みの色に染めたりと楽しんで頂きました。

実は2回目までは順調だった藍が記録的な酷暑で枯れてしまって、3回目
にはわずか5gの葉で1回だけという事態に。
来年は涼しくなるという保証はないので、酷暑対策をどうしたものかと
悩んでいます。

とはいえ来年もチャレンジする予定です。


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和敬塾本館見学

目白にある旧細川侯爵邸である和敬塾本館を見学して来ました。



(内部の画像はSNSで公開NGなので、頂いたパンフレット、葉書で)

旧細川侯爵邸は昭和11年、細川護立侯の自邸として建築されました。
イギリスのチューダー・ゴシック様式を基調とする洋風建築ですが、
内部には和室や東洋風のインテリアも併せ持つ自由な折衷様式の華族
邸宅建築です。

細川護立侯自身はわずか9年しか居住出来ず、戦後はオランダに接収
されます。
この時にダイニングルームがシャワー室に、つなぎの和室が壁を立てて
二間に改造されたりしてしまいますが、現在は創建当時に極力近づけて
公開されています。
(貴重な壁材なども触ってOKなのは嬉しい!)

特徴的なのは華麗なインテリアでありながら“もしも”の場合に備えて
各部屋が必ず2方向避難が可能なように設計されていることです。
これは二二六事件の直後に設計された影響ではないかと思われます。

毎年5月から12月の月2回、原則木曜日にあらかじめ申込の上、
見学が出来るようになっています。
案内人の丸山さん(男性)の語り口が軽妙で、1時間20分とは思えない
くらい楽しい見学会でした。

恐らく年内の見学は一杯だと思います。
毎年1月中旬くらいにその年の見学日が公開になりますので、是非
細川護立侯好みの個性的なインテリアを堪能して頂きたいと思い
ます。


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