カテゴリー別アーカイブ: 貝合わせ
貝合わせに豆雛
3月3日を過ぎると、カリキュラムで作った貝合わせと雛飾りの
様子を報告して下さる方がおられます。
そのうち実際飾ったものをお持ちくださったセブンカルチャークラブ
成田教室のKさんのお持ち物をご紹介致します。
貝合わせの制作段階で、こげ茶色の貝をとても気に入っておられました。
この渋い色はなかなか貴重な色で、私も大好きです。
合わせた豆雛はしまい込んでおられたものが復活したそうです。
土人形かと思われますが、ひなびた表情が何とも愛らしい一品です。
貝の傾斜で寄り添ってしまうのも、またいい感じです。
貝合わせの制作で、雛が再び活躍するというのは嬉しいお話です。
ぜひKさんのように生かしてみられて下さい。
乾燥させないで!
金繕いの教室では金箔の扱いを学んで頂く為に、貝合わせの
カリキュラムを入れています。
そのためのハマグリ貝は召し上がったものを水につけて頂く
ことから始まります。
1か月以上水に浸けておくと、表皮や蝶番が柔らかくなって磨き
やすくなります。
そのため磨き方の説明には水に浸った状態を維持してお持ち
頂くことが必要なのですが、このところ貝を水から引き上げて
カラカラに乾燥させてお持ちになる方が多くなっています。
この状態では表皮も蝶番もカチカチに乾燥していて磨くことは
出来ません。
1か月水に浸したものが全てご破算になってしまうのです。
大事なのは1か月以上水に浸すことではありません。
柔らかくなっていることなのです。
お勧めはビショビショに濡らしたキッチンペーパーに包んで、
ジップロックの袋などに入れてお持ちになることです。
浸していた時間を無駄にしないよう、お願い致します。
お礼の品
ゴールデンウィークあたりから少しずつ制作していた貝合わせが
完成しました。
これらは出版記念パーティーに合わせてお祝いのお花や品を
頂いた方へのお礼として作っていました。
お会いできる機会にお渡ししていく予定です。
お気遣い頂いて本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
膠下地しているところ
ゴールデンウィーク中に金箔を貼った小さめのハマグリ貝
に膠下地を作りました。
奥に写っている計量カップの中に膠が入っています。
それを平筆でごく薄く塗り重ねるのですが、貝の中に溜まらない
ように立てかけて乾燥させます。
以前のブログにも書いていますが、金箔を貼って顔彩で絵を描く
場合には膠で下地を作る必要があります。
その下地がないとせっかく描いた絵が剥落してしまうからです。
顔彩で絵を描いてみたい方は、具体的な方法について教室で
ご質問下さい。
真綿で磨く
先日金箔を貼った小さめのハマグリ貝を真綿で磨きました。
下地に塗った弁柄漆の厚みによって違いますが、大体1週間から2週間で
磨いて頂くようにお願いしています。
磨いて頂くと分かりますが、金箔の定着を促し、光沢も出ます。
残念ながら、この作業を行って頂けないことが多いのです。
その理由は様々。
磨くと酷い状態になりそうで怖くて磨けなかった。
磨くことを忘れていた。
何もしなくていいと思い込んでいた。
等々です。
真綿で磨くと、確かに問題があらわになります。
でもそれは修正が出来るので、安心して光沢出しを優先して
頂きたいと思っています。
決してやらなくても大丈夫な作業ではないのです。
小さめハマグリ貝
先般の雛まつり時期に入手した小さめのハマグリ貝に
金箔を貼りました。
横幅がだいたい3cmくらいの、香合にするのには程よいサイズです。
金繕いの教室でハマグリ貝に金箔を貼るカリキュラムを行って
いますが、ハマグリ貝のサイズはお好みで選んで頂いています。
このくらいのサイズだと箸置きにしてもいいし、ワサビを盛って
お刺身に添えてもよいかと思います。
一般的に貝合わせというと、膠を使って金箔を貼られています。
亀甲紋などの盛り上げも胡粉と膠で作ることになります。
教室でお教えしてるのは、全て新うるしを使って制作して頂きますが、
膠で制作するより金箔は綺麗に貼れますし、盛り上げもシャープな
ラインが出ます。
何より食器として使えるくらい定着力があるので、絵付けを行ったものを
洗って描きなおしても金箔には一切影響がありません。
アクリル絵具を使って制作される方もあるかと思いますが、やはり本物の
金箔を使用した物は迫力があるのではないかと思っています。
上の画像のハマグリ貝も目的を持って制作しています。
何になるかは、また後日。
ハマグリ貝の臭い
貝合わせの制作のために、まず身を食した後の貝を水に
浸けて頂きます。
その際、臭いが出るので、気にされる方が多くあります。
(1〜2週間おきに水を交換されることをお勧めしています)
主に間を繋いでいる蝶番の部分が、臭いの発生源です。
ですので、表皮と共に蝶番を完全に除去してしまえば
臭いはなくなります。
少なくとも蝶番の部分を取り除くだけでも臭いは気にならなく
なるので、磨きになれたら先行して、その作業だけでもなさると
良いかと思います。
完成した貝合わせからは、臭いは出ません。
どうぞご心配なさらないで下さい。
貝合わせ ディスプレイ
先月になってしまいましたが、3月3日のひな祭りに制作して
頂いた貝合わせを使ってディスプレイしましたと画像をたくさん
拝見致しました。
そのうちセブンカルチャークラブ成田教室のIさんが、わざわざ
飾っておられた様子をそのまま教室にお持ち下さったので、撮影
させて頂きました。
貝の中に収まる豆雛を飾る方が多いのですが、Iさんはお手持ちの
お人形を含めてディスプレイされました。
貝合わせの金箔が映えて、とても効果的なディスプレイになっている
と思います。
貝の中に入る豆雛をお持ちでない方には、とても参考になる飾り方
ではないでしょうか?
飾り物には興味がないとおっしゃる方もおられますが、完成品は
食器としても使えます。
基本的に金箔の扱いを学ぶカリキュラムとなっていますので、是非
チャレンジして頂きたいと考えています。
貝合わせの絵付け
貝合わせの絵付けには、何を使っているのかというご質問を受け
ました。
私は白狐印の上羽絵惣の角顔彩24色セットを使っています。
ただし少々色を入れ替えて、オリジナルセットになっています。
角顔彩は他に吉祥などのメーカーもありますが、大体¥3,000くらい
です。
画像の右に写っているのは、重皿という重箱のように重ねられる
絵皿で、溶いた絵の具をそのままにして持ち運びが出来るところが
便利です。
あとは筆洗と筆、雑巾くらいを用意すれば制作出来ます。
金箔の場合には絵付け前の膠下地が必要なので、あらかじめ
ご相談下さい。
使える貝使えない貝
金箔を扱えるように貝合わせをカリキュラムに組み込んで
います。
このためのハマグリ貝は、それぞれご用意頂いていますが、
このところ「この貝は使えますか?」というご質問が続き
ました。
お勧めは、国産のハマグリ貝です。
鹿島灘から九十九里では「チョウセンハマグリ」、
桑名では「ハマグリ」という種類が採れます。
避けたいのが、中国産です。
地色が黄色なのが、特徴的です。
問題は磨きに強くないこと、柄が縞柄しかないことです。
リーズナブルではありますが、お勧め出来ません。
購入で間違えやすいのが「ホンビノス貝」です。
商品偽装問題発覚後、ホンビノス貝と表示されているはずですが、
かつては「白ハマグリ」とか「大ハマグリ」などと称して販売
されていました。
地色が白く、深い溝が年輪のように入っていたら、ホンビノス貝
です。
価格も安いと思います。
見分けがつかなかったとお求めになってしまう方が多いので、
ご注意下さい。
日本人は太古からハマグリ貝の形に意味を見出してきました。
貼りやすさ以外に、そういう点でもハマグリ貝をお使い頂きたいので、
同じ2枚貝でもアサリはご遠慮頂いています。
皿貝や、ヒオウギ貝は、ハマグリ貝の次のステップとしてお考え
下さい。