カテゴリー別アーカイブ: 植物•スケッチ
喪中の際の依代
門松は歳神様をお迎えする際の目印(依代)ですが、喪中の際
には太田流礼法では「葉牡丹」をお勧めしています。
葉牡丹は葉牡丹でも色は白に限られます。
姿は鉢植えで構いません。
これは決まりではありませんが、私は植木鉢に白い紙を掛けて、
水引を結んでいます。
水引は双銀。
結びは喪中に相応しい結びを選択しました。
門松ですと松の内を過ぎても飾っているのは気になりますが、
葉牡丹ですとあまり気にならないので「どんと焼き」まで
飾っておこうと思います。
喪中の場合どうするの?と疑問に思っていた方は参考になさって
下さい。
年末に行っている「年迎え 門松・屠蘇 特別講座」では、この
ようなお正月の行事やしつらえについてお話ししています。
興味を持たれた方は参加してくださると嬉しいです。
桜の花びら
NHK文化センター千葉教室に在籍されていたSさんの作品をご紹介致します。
カリキュラムで制作された蛤貝に金箔を貼った「貝合わせ」に桜の花びら
を漆絵で描かれました。
金箔を貼ったところに何か絵を描いてみたいと思われた時、悩むのは画題
かと思います。
そういう場合におすすめしているのは、やはりカリキュラムでご経験のある
桜の花びらです。
東京オリンピックの聖火トーチでも5弁の桜を形取っていたように、日本人は
桜に思い入れがあります。
それ以外に桜が重要なことは教室でご説明している通りです。
Sさんの作品は桜の花びらを色を変えてレイアウトされた基本に忠実な作品
です。
ただ花びらと言えない魅力がご覧頂けると思います。
絵心がないと尻込みせず、まずは桜の花びらで貝絵にチャレンジしてみませんか?
きっと新しい世界が待っています。
オオガハス2022
千葉県の方ならご存知かと思いますが、「オオガハス」が見頃を
迎えています。
「オオガハス」とは1951年(昭和26)に千葉市検見川で発見された古代の
ハスの種から発芽した物です。
発見に尽力された植物学者の大賀一郎先生の名が冠されています。
千葉駅近くの千葉公園に栽培されていますので、徒歩圏内に住んでいた時
には写生したりしていました。
今回撮影の画像は千葉駅改札を出て右側に進んだデッキに展示されている
ものです。
弥生時代以前と推定されている古代ハスなので、原種に近い形を保っている
のではないかと思います。
シンプルな形状に凛とした気高さを感じていまして、何らかの形で作品に
昇華出来ないかと密かに考えています。
開花期はそろそろ終了かと思われますので、ご興味を持たれましたら、
お早めにご見学下さい。
7時くらいまでに現地に辿りつきますと、開花の際の音が聞けるそうです。
ルピナス
先日のグループ展に出展されていた斉藤佳代さんの扇子です。
画題はルピナス。
斉藤さんが私にはこれが似合うと薦めてくれたのですが、調べてみると
いろいろ繋がりがあることがわかったのです。
プロフィールに記載しているように家の家紋が藤に由来することから、
作品にしても工房名にしても藤にこだわってきました。
ルピナスは花型でもわかるように藤と同じマメ科なのです。
それも別名「のぼり藤」
私の太田流礼法の齋号(師範の資格を取ると頂ける名前)は「鶴昇齋」
といい、「昇る」という字が入っています。
ということでこの斉藤さんの作品は私のところに来るべくして来たと
勝手に思いを深くしています(笑)
トクサの胞子葉群
この季節トクサの先端には胞子葉群が出来ます。
どこかで見たように気がすると思います。
そう、それは「ツクシ」ではないでしょうか。
それもそのはず、トクサとスギナは同じトクサ科です。
さらにツクシとスギナは同じ株でスギナが栄養茎、ツクシは胞子茎
と役割が別れています。
トクサは主に地下茎で増えていくので、胞子の効果がどのくらいか
わかりません。
しかしツクシのような胞子葉群を見ると、トクサの出自に思いを
馳せて頑張れ!という気持ちになるのです。
トクサの色
春を迎えて我が家のトクサは新芽が出始めました。
2〜3月にトクサの刈り取りを行った方から特に質問が多かった
のがトクサの色についてです。
初回にお渡ししているトクサが画像右のように枯れ色になっている
せいか、ご自身が刈り取ったトクサがいつまでも青々とした緑色の
ままだが、使えないものなのではないか?というものです。
道具としてトクサを使う場合、色は全く関係ありません。
刈り取って1週間干して水分が飛んだら、それで道具として使える状態
になっています。
「金繕いの本」をお持ちの方は是非90ページをご覧ください。
使い方を詳しく解説してあります。
梅 2022
先日のいけばなのお稽古で使った梅が開花しました。
お稽古の時には花芽だったのが、蕾が膨らみ、次々開花しています。
小さい花ですが、香りが部屋中に漂います。
まだまだ寒さが続きますが、この香りで春を一足先に感じられます。
しばらくはこの香りの中で過ごせそうです。
「蕨」ではない
先般、いけばなのお稽古で使った花材です。
何だと思われますか?
チェーン展開している某花屋さんでは「蕨(わらび)」として販売されて
いました。
本当は「ウラジロ」です。
お正月に大きく開いた葉を鏡餅の下に飾る方もあるかと思います。
すっきりとした茎は他の花材に対してインパクトがあります。
しかし想像以上に固く、食用の蕨とは似ても似つかない感じです。
原一菜先生からお正月用に葉を使い(切り取った跡があります)、残りを花材
として販売しているのでは?というお話を伺いました。
トクサは夏に弱い
このところトクサの育て方について、ご質問が続いたので、お答え
したいと思います。
トクサはシダ系の植物なので、基本的に夏場の気候には弱いです。
渇水、強い日差しは大敵です。
私もうっかり強い西日が当たるところに鉢を置いていたら、一気に枯らして
しまった経験があります。
もし鉢植えで育てられているようならば、夏の間は北側や東側に避難させる
のも対策の一つだと思います。
このところ涼しくなってきたので弱っていたとしても復活してくる可能性は
あります。
トクサは優秀な道具です。
皆さんの生育の成功を祈っています。