カテゴリー別アーカイブ: 植物•スケッチ
トクサ 刈り取ると
トクサは刈り取ってしまうと生えて来ないと植木屋さんから聞いたの
ですが…と質問を受けました。
生えて来ないというのは、誤情報です。
生えては来ますが、正確に言うと同じ場所には生えないということなのです。
苗で植えた場合、初年度は上の画像のように鉢の中央に束になった
状態になっていると思います。
これを毎年冬に刈り取っていると、次第に真ん中には生えなくなり、ついには
上の画像のように鉢の縁に沿ったところしか生えなくなります。
これはすなわち鉢の中に根が一杯ということでもあるので、来年の春に
新芽が出たら株分けをする予定です。
株分けはハサミで根を4つに割るという大胆なやり方をしていますが、
トクサは植え替えに対して丈夫で、真夏以外ならいつでも構いません。
刈り取り後のトクサですが、地上部がないとついつい水やりを忘れて
しまうかもしれません。
しかし冬場の水やりが、春に新芽が出るか出ないかを左右するようです。
表土が乾いたら、水やりして下さい。
トクサはシダ系の植物なので、水は必須なのです。
刈り取り時期はもう少し先です。
寒さに当たってしっかりしてくる時期をお待ち下さい。
2015 第3回生藍染め大会
今年最後の生藍染めを行いました。
風呂敷の縫製品を入手しようか迷ったのですが、染め足しをする
ことにしました。
飾り座布団や古袱紗に仕立てようと思っている端切れです。
少々色が浅いので、もう一度染めようと考えました。
特に変化が大きかったのが、この2枚です。
一番上の画像で右側に写っているものです。
2枚で染液に浸けた時間が違うのですが、ほとんど変わりがありません。
貝香合を置くと、こんな感じになります。
ハマグリ貝は茶系統の色が多いので、濃い色の方が映えると思います。
もう1回取れた染液で、紙を染めました。
画像より実物はきれいなペパーミントグリーンに染まっています。
絹は1回目の染液から上げると青くなりますが、紙は緑にしか
染まりません。
紙の製造過程によるものではないかと聞いていますが、確かな話は
わかっていません。
染液に浸ける時間より、浸けた順番で色が変わります。
染液の中の染まる成分の残り具合によるのではないかと思われます。
藍は種から育てた1年草なので、あとは花が咲いて枯れていきます。
生藍染めのために花穂を取っていましたが、今後は鄙びた花の風情を
楽しんで終わりにしようと思います。
トクサの花
自宅で育てているトクサに花(胞子葉群)がつきました。
ツクシのような頭です。
トクサはスギナの一種というのが、よくわかります。
10月から受講を始めた方がおられますので、改めて道具としての仕立て
方をご説明致します。
まず刈り取るのは、寒くなってから。12月から翌年3月がいいでしょう。
その後は天日干しをして、含んでいる水分を乾燥させます。
1週間程度で十分です。
この時、トクサの色は枯れ色ではなく、緑色が残っていても構いません。
道具として使う場合は、20〜30分水に浸してから使用します。
乾燥したまま使うと、バラバラになってしまいます。
道具としてのトクサは、消耗品です。
頂くなり、育てるなりの入手方法をご検討下さい。
草木染 染料植物図鑑
先日カランダッシュの色鉛筆を購入したことをブログに書いたところ、
思わぬ反響がありました。
それは美しい色を見るとテンションが上がるというのがあるのでは
ないかと思います。
そこで同じような感じになるのではないかと考え、山崎青樹先生の
「草木染 染料植物図鑑」をご紹介したいと思います。
山崎青樹先生は、原一菜先生が師事された先生でもあります。
染料となる植物がどんなものか、文献も合わせて紹介されています。
もちろん染色はどのように行うのか書かれていますが、ページ右下に
染められたサンプルが掲載されています。
これが何とも美しい色ばかりなのです。
草木染めの手引き書ではありますが、身近かな植物が染められる色に
驚かされます。
南北に長い国土を持つ日本は、世界的に見ても植物数が豊富なことが
知られています。
それを背景に多彩な染色を生み出してきました。
今、色が美しいことで知られるのはイタリア、フランスという認識が
大多数かと思いますが、開国した日本の色数の多さに驚いたのは
これらの国だったのです。
その多彩で美しい日本の色がご覧頂ける『染料植物図鑑』は、続、続々と
3冊、美術出版社から出版されています。
機会がありましたら、是非手に取ってご覧下さい。
2015 第2回生藍染め大会
あらゆる手を尽くして染めが出来る量を確保した藍で、今年2回目の
生藍染め大会を行いました。
今回お出で下さったAさんは、お仕事柄珍しい布をお持ち下さいました。
バングラディッシュのシルクモスリンの生地です。
手紬、手織りの透け感のある生地に、刺繍がしてあります。
刺繍糸が染まらなかったので、白く抜けました。
これが効果的で、とても素敵に上がっています。
生藍染めとしても、糸•織りともゆるいところが染まりやすいようです。
こちらはインドのカディという生地で作られた巾着です。
木綿なので、本来は豆乳で下地を作らなければ染まりません。
試しに染めてみましたが、ほのかに染まった感じが気に入られた
そうです。
こちらは刺繍糸の光沢感が違っているところが綺麗でした。
今回Aさんのご提案で、1回目の染液を15分から7分半に短縮してみました。
必然的に2回目の染液が濃く染まる状態になり、同じ生地でグラデーションが
完成しました。
生藍染めは2回の染液で全く違う色が染まり上げるのが、魅力と思って
いました。
確かにそれは大きい魅力なのですが、手工芸品に精通したAさんは、
染めの工程で一切環境に影響のある薬品類を使わない点が素晴らしいと
おっしゃいます。
自ら育てた藍で、環境にも優しいとは。
染め上がった色の美しさばかりでなく、とてもよいものを得たような
気持ちになりました。
藍との攻防
何とか花穂をつけようとする藍と、それを摘もうとする私との
攻防が続いています。
これと肥料の大盤振る舞いが効いているのか、藍の生長は順調です。
葉の大きさは小さいのですが、成長点の花穂を摘んでいるので、脇芽を
出さざるを得ず、葉の量が多くなっています。
以前のブログでもご紹介していますが藍の葉の面白いのは、枯れた部分が
インディゴ色になるところです。
青の色素をもっているのが、よくわかりますね。
第2回生藍染め大会は、10月9日を予定しています。
良い染液が欲しいばかりに藍にはかわいそうなことをしていますが、
もう少しの間許して欲しいと思っています。
トクサ 肥料やり
トクサは基本的に肥料をやらなくてもよいとされています。
私の経験上の感覚ですが、鉢植えに関しては肥料をある程度やった
方がよいと思います。
苗で購入した年や、地植えの物をもらった年は、苗自体の力で
大きく育ちます。
しかし翌年以降は肥料をやった方が、しっかり育つようです。
現在我が家のトクサは、藍と一緒に肥料をやっているので、まあまあの
状態に育っています。
これは秋になって気候が落ち着いた影響もあるかと思いますが。
使用している肥料は「ハイポネックス」です。
適宜希釈し、1週間に1度くらいで十分かと思います。
新芽のトクサ
トクサの刈り取り時期についての質問が多くあります。
春に新芽として出たトクサは柔らか過ぎるので、今刈り取っても
道具としては使えません。
試しに強風で折れてしまった新芽を乾燥させてみました。
画像奥に写っているのが、新芽です。
手前に写っている緑色が残っているのが、年越し後に刈り取った物です。
ご覧になってしっかり度が違うのがおわかりになるでしょうか?
今春出た新芽は、少なくとも秋以降、地植えの方は年越しして2月〜3月
で刈り取るのをオススメ致します。
色を気にされる方も多いのですが、刈り取り後1週間乾燥してあったら
枯れ色でなくとも構いません。
適切な手順で、よりよい道具を手にされて下さい。
花穂をとる
第1回目の生藍染め以降、再び成長している藍ですが、花穂が
出始めました。
植物として当然ですが、花穂が出ると栄養はそこに集中してしまい
ます。
そこで花穂をとることにしました。
最初の葉は大きく育ちますが、2回目以降は葉の大きさがどうしても
小さくなります。
葉を大きくするためには、致し方ない決断です。
種を採る場合には、花穂を一部残しておいてもよいかと思いますが、
今年種苗メーカーから購入した種から育ててみて、やはり大きく
育てるのであれば、購入した種の方がよいという結論に至っています。
種を採ることは考えず、全ての花穂をカットする予定です。
藍 再成長中 2015
9月6日の生藍染め大会の際に刈り取った藍ですが、順調に
再成長しています。
11日前の刈り取り後と比べると、よくわかります。
今日のように1ヶ月も気候が先に進んでしまうと心配になりますが、
明日からまた回復するようなので、更なる成長に期待したいところ
です。
出来れば10月の上旬に2回目が行えればと考えています。