カテゴリー別アーカイブ: 日本の文化

紗綾形文様

魔除け•護身の意味も込めて

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花活け 薩摩紅梅

先日花活けのお稽古の花材として使ったのが「薩摩紅梅」
です。
画像でご覧頂けるように、紅梅の中で最も赤いと言われる品種
です。

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梅一輪という言葉がありますが、日本人は梅の木に一輪花が
ほころんでいる状態を好みます。
いかにも春が待ち遠しいという感じですね。

一方中国では、梅も満開の状態を愛でます。
文化の源泉である中国と、日本の感覚が梅ひとつとっても違うと
いうのが面白いところです。


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松の内終了

新年8日目。昨日で松の内が終了しました。
門松も片付けます。

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白い紙に包んで、燃えるゴミに出します。

情緒がないのは残念ですが、マンション暮らしなので燃やす訳には
行きません。
左義長を待たずに現代の生活に合わせて松の内終了とするように、
致し方ない変化だと思います。

ところで左義長は「どんと焼き」とも言われますが、この「どんと」
という音が気になっています。
どういう意味なのか、わかりましたらご報告したいと思います。


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屠蘇2013

昨日の門松のお稽古では、合わせて屠蘇包みも作っています。
屠蘇とは「鬼気を屠絶し、人魂を蘇生する薬」の名です。
中国•唐時代に創作されたものが、平安時代に日本に伝わりました。

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まず6種の薬効成分の入った薬包みを作ります。

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これを布でくるみます。
この布も薬効成分の1つです。

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三角形に縫って完成です。
これを水やお酒、みりんに浸して屠蘇が出来ます。

今回おもしろいお話を聞きました。
本来中国の慣習として伝来した屠蘇が、現在中国では全く行われて
いないそうなのです。
日本では、屠蘇を元旦に飲むのが宮中行事に組み込まれ、一般に広まった
ので、現在でも正月の行事として行われているのだとか。
屠蘇は、日本オリジナルの文化になったのです。


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門松つくり2013

昨年末にもアップしましたが、今年も門松つくりのお稽古に
行ってきました。
原一菜(いちな)先生のご指導で、太田流(小笠原流礼法)の
ものです。

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ご覧頂いてわかるように根引きであること、左右で違う松を使う
ところが太田流ならではです。

水引は真結びの上、輪を作り日の出を現しています。
真結びの水引1本1本をきれいに整えたいのですが、これが
なかなか難しいのです。

今年は松の形を整えるのが、手際が良くなったように思います。
1年に1度ですが、少しずつでも上達出来たらいいなと考えて
います。


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桐紋

昨日の箱義桐箱店をご紹介したつながりで、桐紋についてUP
したいと思います。

五三の桐

箱義桐箱店さんの社章に使われていたのと同じ「五三の桐」です。
「五」とは中央の花の数を言い、「三」は両サイドの花の数を言います。
花の数違いで、「五七の桐」があります。
この二つは天皇家と宮家で使い分けていました。

皇室ゆかりの紋は足利尊氏に下賜されたのを始まりに、その後も時の
権力者(豊臣秀吉など)にも下賜されます。
江戸時代に入ると一般化し、現在では日本国政府の紋としても使われています。

政府関係者が記者会見に使う演台が、正面がさみしいとの理由で桐紋が
配されたのも記憶に新しい話題です。

この桐紋、実際とは違う創作がされています。

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今年4月に撮影した桐の花です。
花は枝の最先端につき、葉はその下から芽吹いています。
つまり紋のように葉から花は出ないのです。
また花の時期には、葉はそんなに大きくありません。

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今年の7月に撮影した桐の葉です。
葉が大きくなるのは夏です。
人の顔より大きくなっています。

このように実際にはない状態をデザインするのが、紋の
おもしろいところです。


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中秋の名月

今夜は中秋の名月です。
天候に恵まれ、くっきりと浮かぶ月が見られました。

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「月餅」を頂きました。

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特別な「中秋蛋黄月餅」なので、中に卵黄が入っています。

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なぜ月餅なのか、横浜•華正楼の案内によると、
「中国の唐朝時代、唐明皇帝が月見宴を催されたとき、この菓子が
供されたところ大変お気に召され、皇帝より中秋月餅の名を
賜りました。
それ以来仲秋の名月には、月餅を贈り合い、ともに月に感謝して
祝いながら、交流を深める風習が今日まで続いています。」
ということです。

黄身と餡という取り合わせが不思議だったのですが、違和感が
ありませんでした。
黄身は塩卵で餡とともに口に入ると甘しょっぱい味がし、こしあんと
食感に差がないからでしょうか?

本日は菊の花活けもし、すっかり秋の一日です。


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抹茶茶碗の仕上げ

先日のブログで、仕上げは自由にお考え下さいと書きましたが、
注意を要する器があります。
それがお抹茶茶碗です。

画像は、NHK学園市川オープンスクールで受講して下さったSさんの
作品です。

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当初Sさんは、緑の釉薬に馴染む緑色での総体繕い(共直し)をお考え
でした。
総体繕い(共直し)は、金•銀泥を使わず色漆を調合して仕上げを行う
方法です。

茶碗の場合、この総体繕いを行いますと格が下がるとされています。
これは金繕いの発祥に関わるところからも、その理由があります。
ですのでお茶碗の仕上げは、よくご検討の上お決め下さい。

最終的にSさんは、銀泥仕上げを選択されました。
銀の硫化の過程で、気に入った色の時に止めて頂ければよろしいかと
思います。


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重陽の節句にちなんで

9月9日、重陽の節句にちなんで、菊の話題をお届けします。
画像は山手西洋館のベーリック•ホールの居間にある暖炉です。

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ここに一見、菊の御紋に見える彫刻がされています。
しかしこれは菊の御紋ではありません。
『ロゼッタ文様』という西洋ではよく見る文様です。

その起源はエジプトのロータス文様です。

ロータス文様

この文様は蓮を横から見たところです。

これがヨーロッパに伝搬して、ロゼッタ文様になるのです。
(蓮を上から見た絵になります)
ロゼッタというとバラの意味かと思われると思いますが、バラという
より花文様の代表と考えた方がよいと思います。

さてロータス文様は、中国を経て日本にも伝搬します。
法隆寺などの軒瓦に現れる「蓮華文」がそれです。

法隆寺軒瓦

これは蓮を上から見た文様とわかります。
(諸説あります)

ところで菊の御紋ですが、モチーフは私達が日常馴染んでいる菊とは
種類が違います。
宮廷での重陽の節句の行事は、この特定の種類の菊を使用していたので、
被せ綿など間違って伝わってしまった行事があります。

ではどんな菊だったのか。
ご覧になれば、菊の御紋も、被せ綿も、菊花酒も納得されます。
ご興味のある方は、お教室で質問下さい。


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箔合紙と箔打紙

金箔のあしらいの練習として行っている『貝合わせ』のカリキュラムで
質問が多いのが、箔合紙についてです。
よく「油取り紙になるものですね。」と言われるのですが、完成した金箔の
間に入っているのは箔合紙で、油取り紙にはなりません。

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箔合紙とは金•銀箔を保存し、1枚ずつはがしやすいように間に入れて
いるものです。
三椏紙で、岡山県津山市の上横野が最大の産地です。

一方、箔を打ちのばす時に使われるのが箔打紙です。
これが油取り紙になります。

箔打紙

雁皮紙で、名塩の鳥子紙がよく知られています。
箔打職人さんがそれぞれで灰汁、柿渋、鶏卵を混ぜた液に浸けて
仕込んだものを使います。

金箔を貼り終わると箔合紙が残りますが、いろいろ転用が出来ます
ので、取っておかれるのをお勧め致します。


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