カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景
実は日本発祥
今や珍しくない店名など広告の入ったペーパーナプキンですが、
日本発祥だということをご存知でしょうか。
以前のブログでも書きましたが、明治期に和紙は盛んに海外に輸出
されていました。
薄葉紙と言われる宝石などの貴重品を包む紙やタイプライター用紙
など薄くて丈夫な和紙が世界中で重宝されたのです。
ペーパーナプキンはその薄い紙を作れる技術と浮世絵などの印刷技術が
合体して作られたものなのです。
画像は横浜山手西洋館で最大規模を誇るベーリック・ホールに展示されて
いるものです。
建築主であるベーリック氏の会社名がはっきり印刷されています。
デザイン全体は洋風ですが、よく見ると描かれている花が菊だったりして
和を感じる内容になっています。
海外でオークションに出ていたものを、たまたまベーリック・ホールに
所縁のある方が見つけてベーリック・ホールに寄贈したと聞いています。
和紙輸出の隆盛も現在主流のパルプ紙が開発されると一気に下火になります。
明治35年くらいには全く逆転してしまい、日本はパルプ紙の輸入国になって
しまいます。
実は実父の実家は江戸時代に横浜・保土ヶ谷で今でいう旅館業を営んで
いました。
それが明治維新で宿場町の制度が廃止になり、仕事を変えざるを得なく
なります。
最初は名刺の印刷業を始め、パルプ紙の輸入が始まった頃に洋紙の輸入業に
携わります。
この辺りの出来事はこの頃の立身出世物語のような激動があったのでは
ないかと想像しますが、今ではそれを知る親戚は皆、鬼籍に入ってしまい
ました。
もっと興味を持って聞いておけば良かったと残念に思っています。
柚木沙弥郎 トラベルスカーフ
先日出かけた「柚木沙弥郎の100年」展で購入したのがトラベル
スカーフです。
柚木沙弥郎さんが女子美の教員をされていた時に教材として使って
いた柄でモチーフはいちじくです。
もちろん注染で染められているので裏まで染まっています。
染色家の方の実際使える作品とは何て贅沢なのでしょう。
風呂敷好きということもあり、まさに「買うしかない!」という
勢いで購入しました。
実際は眺めてほくそ笑むばかりかとも思いますが、幸せな気分に
させてくれることは間違いありません。
GRのTシャツ
ユニクロが毎年夏にTシャツを出します。
今夏は企業コラボで私が愛用しているカメラ RICOH GRシリーズ
が展開されていました。
いい歳してあり得なーい!と散々悩みましたが、結局購入。
ピラティスのレッスンの際に着用しています。
笑ってやって下さい。
昭和が蘇る
必要があって久しぶりに学生時代に課題で縫った浴衣を押入れの
中から出しました。
帯の説明書きを見て思わず「昭和だ…」
思いっきり昭和生まれの私としては最近の昭和ブームというのを
こそばゆく思っていました。
まさか自分の持ち物から昭和がやってくるとは。
でもレトロな感じ、確かにいいですね。
オオガハス2022
千葉県の方ならご存知かと思いますが、「オオガハス」が見頃を
迎えています。
「オオガハス」とは1951年(昭和26)に千葉市検見川で発見された古代の
ハスの種から発芽した物です。
発見に尽力された植物学者の大賀一郎先生の名が冠されています。
千葉駅近くの千葉公園に栽培されていますので、徒歩圏内に住んでいた時
には写生したりしていました。
今回撮影の画像は千葉駅改札を出て右側に進んだデッキに展示されている
ものです。
弥生時代以前と推定されている古代ハスなので、原種に近い形を保っている
のではないかと思います。
シンプルな形状に凛とした気高さを感じていまして、何らかの形で作品に
昇華出来ないかと密かに考えています。
開花期はそろそろ終了かと思われますので、ご興味を持たれましたら、
お早めにご見学下さい。
7時くらいまでに現地に辿りつきますと、開花の際の音が聞けるそうです。
添田亜希子さんのガラス
日本画家・斉藤佳代さんのグループ展でお知り合いになったガラス
工芸作家の添田亜希子さんの個展に出かけてきました。
ブルーグレーのベースにランダムに入った多彩な筋が印象的な花器を
購入させて頂きました。
不定型のフォルムは見る角度で印象を変えます。
実は宙吹きガラスでランダムに色を入れるのはとても難しいのだそうです。
複雑に入ったラインは形、色共に美しいのですが、これは添田さんが
油彩科出身という背景にあるかと思います。
千家古流の生花を12年以上お稽古している私ですが、流儀の形にこだわらず
お花が入れられる花瓶を探していました。
なかなか気に入ったものが見つからなかったのですが、添田さんの作品は
美しさと共に理想の形でもありました。
水を入れると、また色味に変化があるそうです。
お花を入れて飾るのが楽しみです。
添田亜希子さんの「硝子うつわ展」は18日(月・祝)まで。
本八幡駅そばの「三毛猫雑貨店」で行われています。
お月様
金繕いのご依頼を受けていた小鉢が完成しましたので、ご紹介
致します。
縁の部分にある薄く削げた破片をご自身で接着剤で接着されて
しばらくお使いになっていたそうなのですが、欠けからのびる
ひびに色が入って来てしまい、金繕いをご依頼頂きました。
ひびの汚れは油シミになっていたのを様々な薬品で根気よく
除去しました。
接着剤で接着してしまった破片は剥離しようとすると破損してしまう
ので、あえて外さず別の方法で固定しました。
綺麗になったひびは止めてありますが、目立たなくしてあります。
破片の周りの欠損は丁寧に埋めて金泥で仕上げました。
プラスしたのが染付の柄が繋がるように銀泥の仕上げを足した
ことです。
これは度々ご紹介していますが、硫化すると染付の色と違和感なく
融合する予定です。
ご依頼下さった方はこの仕上がりを「お月様のよう」と喜んで下さい
ました。
実は今回のようにHPのコンタクトから金繕いのご依頼があった場合は、
まずお断りしています。
これは過去に極端な短納期を強いられたり、金繕い代金を安価にする
ように迫られたりした苦い経験から行なっていることです。
なぜ今回お受けしたかというと、頂いたメールにインスピレーションを
感じたからに他なりません。
ご本人様からお許しを頂いてSNSの文章をご紹介致します。
このように喜んで頂けるからこそ仕事を続けていけるのです。
https://note.com/kyo_coco/n/nde1fdb7740a8
ルピナス
先日のグループ展に出展されていた斉藤佳代さんの扇子です。
画題はルピナス。
斉藤さんが私にはこれが似合うと薦めてくれたのですが、調べてみると
いろいろ繋がりがあることがわかったのです。
プロフィールに記載しているように家の家紋が藤に由来することから、
作品にしても工房名にしても藤にこだわってきました。
ルピナスは花型でもわかるように藤と同じマメ科なのです。
それも別名「のぼり藤」
私の太田流礼法の齋号(師範の資格を取ると頂ける名前)は「鶴昇齋」
といい、「昇る」という字が入っています。
ということでこの斉藤さんの作品は私のところに来るべくして来たと
勝手に思いを深くしています(笑)
ブラシケース
自宅作業用のブラシケースを新調しました。
従来使っていたのが波ダンを使った自作のブラシケースです。
ポーセリンアートをされている生徒さんから教えて頂きました。
1本1本分けて収納出来るのが魅力ですが、さすがに使い古したことと
下から筆が抜けてしまったり筆の押さえが足りないのが気になりました。
購入したのが名村のブラシケース(ショート)です。
金繕いの教室に来て下さっている方々はブラシケースも自作されて
いる方が多いのですが、私にはちょっと無理と判断しました。
納めているのが筆のみということもあって20本以上入っています。
巻いている紐がかなり太くてかさ張るので画像撮影後に細い紐に交換
しました。
気になっていた筆の抜けもなくなり、押さえもしっかりしたので、今の
ところ問題なしです。
道具はもちろんですが、収納も快適なのは必須ですね。