カテゴリー別アーカイブ: 展覧会•イベント
第42回 東京書作展
友人のNさんが入選された東京書作展を拝見してきました。
こちらは東京新聞主催、文化庁・東京都後援の公募展です。
新人書家の発掘と育成を目標の一つに揚げ、流派にとらわれない
公平な審査が特徴なのだそうです。
Nさんの作品です。
制作の過程をお聞きしましたが、今回のチャレンジは墨色だそうです。
文字の形の選択から濃さや滲みなど、ご苦労があったそうですが、完成
した作品の力強さは格好良いとしか言えません。
内閣総理大臣賞・東京書作展大賞を受賞された中村若水さんの作品です。
題材は高村光太郎の詩「冬」で「現代漢字かなまじり文」のジャンルに
なります。
中村さんの作品を始め、受賞した作品に共通して感じたのは文字のキレです。
要するに線に迷いがなく美しいからなのだと思いました。
私の習字はあくまでも金繕いの美しい仕上げを目的にしていますので、お手本
通りに書く臨書の域を出ません。
このような創作することはないかと思いますが、改めて会場から文字の力を
感じたことは大きな収穫になりました。
宮島達男 クロニクル1995-2020
千葉市美術館拡張リニューアルオープン・開館25周年記念で行われて
いる宮島達男 クロニクル1995-2020展に出かけてきました。
宮島達男はLEDのデジタルカウンターを使用した作品で高く評価され、世界
で活躍する現代美術作家です。
作品のモチーフであるデジタル数字は命の輝きをあらわし、0が表示されず
1から9の変化を永遠に繰り返すことで、人間にとって普遍的な問題である
「生」と「死」の循環を見る者に想像させます。
1階のさや堂ホールを利用した展示です。
旧・川崎銀行を部分的に残したのが「さや堂」ですが、クラシックな室内装飾と
現代アートの対比は千葉市美術館ならではでしょう。
デジタルカウンターを使い独自の表現にたどり着いた宮島氏ですが、中には
1〜9を数え、0の時には赤ワインや墨の中に顔を沈めることを繰り返す
パフォーマンス画像など難解なものもあります。
作品を制作する立場として「Art in You」(アートはあなたの中にある)という
言葉は励みになりました。
宮島達男氏の作品は森美術館で行われている「STARS展:現代美術のスターたちー
日本から世界へ」にも展示されています。
合わせて見ると、より理解が深まるのだと思います。
NHK学園「金繕いの世界」終了
本日、NHK学園市川オープンスクールで行われた特別講座「金繕いの
世界」が終了しました。
講演会形式は、この講座で終了です。
9月の毎日文化センターのオンライン講座に始まって、NHK文化センター
千葉の講演会と経験を重ねてきました。
その度ごと客層に合わせて内容を変更し、ブラッシュアップを重ねて
きました。
いろいろ勉強してきて、ここが大事とか興味深いと思ったところを集約して
1つの講演会に結実しているつもりですが、ニーズにお応え出来たのか、
ご意見をお聞きしたり反省したりを繰り返しています。
ラストは12月16日水曜日のNHK文化センター千葉のオンライン講座です。
基本的には9月30日に行った講演会をベースにして行います。
実物サンプルをご覧頂くのは叶いませんが、ラストとして内容を充実させたい
と考えております。
今までの講座へのご参加が出来なかった方のご検討をお待ちしております。
「金繕いの世界」講演会終了しました
本日、NHK文化センター千葉教室で行われた「金繕いの世界」の
講演会が終了しました。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
このコロナ禍の時期に30名様ものご参加を頂きましたこと、本当に嬉しく
思っております。
先般のオンライン講座からさらに内容をブラッシュアップして皆様の前で
お話しし、さらに実物展示も行いました。
会の終了後、たくさんの方とはお話し出来ませんでしたが、ご満足頂けた
ご様子に安堵しているところです。
来月、NHK学園市川オープンスクールでも同様の講座を行いますが、既に
こちらは満席となっております。
今回、何らかの形でご参加が叶わなかった方にも、次の機会がご案内出来ればと
考えております。
和巧絶佳展
現在、パナソニック汐留美術館で行われている「和巧絶佳展」に
出かけてきました。
サブタイトルは「令和時代の超工芸」です。
工芸というジャンルにとらわれることなく、工芸素材を用い、工芸技法を
駆使して工芸美を探求する1970年以降に生まれた12人の作家の展覧会です。
拝見してみてアートと工芸(使うもの)の境界線という印象を受けました。
工芸は使う上での配慮が求められますが、今回展示のものはアート寄りなので
作家によっては解釈に悩むものもあります。
個人的な好みになりますが、截金をガラスに施した山本茜さんの作品、蛍手を
突き詰めた新里明士さんの作品に惹かれました。
お二人とも伝統的な技術を独自の手法で転換されており、美しさと新しさが
あると思いました。
会期は9月22日(日)までなので、今週末は混雑する可能性があります。
美術館の案内を確認の上、お出かけ下さい。
まぼろしの1日講座
すでにホームページのTOPでもお知らせしていますが、NHK文化センター
千葉教室で行う予定だった1日講座は中止が決定しています。
これはNHK文化センター自体が緊急事態宣言を受け、全面休講を決定した
為です。
今の状況でははっきりしたことはお話できませんが、事態が落ち着いたら
再度計画して頂く予定です。
その時には今回お申し込みを頂いた方はもちろん、新型コロナウィルス感染拡大
で躊躇された方もご検討頂けたら幸いです。
なお中止による返金など事務的な処理に関してはNHK文化センターから連絡が
入ると思います。
詳細についてはNHK文化センターが再開後にお問合せ下さい。
希望展vol.14
毎日、新型コロナウィルスの報道に触れ、行動が制限される中、
「コロナ鬱」などの言葉も生まれているようです。
そんな渦中ですが、十分対策をした上で「希望展vol.14」に出かけて
きました。
このブログでも開催されるたびに、ご紹介してきました。
今年は33名ものアーティストの方々の作品が展示されます。
売上金の一部は3月11日に東日本大震災の被災地の方々へキャンドルを
送る活動費に充てられます。
この展覧会自体、寄付を目的としているので、作品が手に入れやすい価格に
設定されています。
それもあってご自宅に飾りやすい小さいサイズになっているので、アートを
飾りたいという初心者の方には最適かと思います。
アーティストの方々も日頃なさっていない技法や実験的な試みをしているなど
新しい面を見られるのも面白いところです。
友人の大古瀬和美さんの作品です。
毎回、添文を楽しみにしているのですが、今回は面白い物語になっています。
美しい色彩と一緒にご覧頂きたいと思います。
今回の希望展は12日(木)までの予定が延長される可能性もあるようです。
ギャラリーに人が密集することはありませんので、新型コロナウィルスの
対策をされつつ足をお運び頂けたら嬉しいです。
原美術館へ行く
昨年12月のことになってしまいますが、長年訪問を希望していた原美術館
へ出かけてきました。
原美術館はJR品川駅からほど近い御殿山にあります。
1938年に実業家・原邦造の邸宅として渡辺仁が設計しました。
渡辺仁は東京国立博物館本館、和光ビルを設計したことで知られています。
邸宅はモダニズム建築、昭和初期洋風邸宅の貴重な例で、中庭を包み込む
ように緩やかな円弧を描いた空間デザインが特徴です。
1979年に当時としては珍しい現代美術専門館としてオープンしました。
居室は企画によって展示を変えるギャラリーに、浴室やトイレなどのユーティ
リティースペースは各作家による常設展示となっています。
訪れた日は原始美術を思わせるミステリアスで力強い人物表現を特徴とする
加藤泉氏の展覧会が行われていました。
縄文時代にも心惹かれる私としては、大変興味深く拝見しました。
残念ながら原美術館は今年末で閉館が決まっています。
建物の老朽化と住宅として建築されたがゆえにバリアフリーへの対応が
なされていないことが理由だそうです。
中庭に面して増築されたカフェの利用も気持ちがいいものです。
是非、開館中にご見学ください。
THE BOOK vol.4 ブックアート展
友人のアーティスト・大古瀬和美さんが出品したブックアート展が
12月2日から13日の会期で行われていました。
会期終了間近で伺ったので、レポートが遅くなってしまいました。
8名のアーティストが「本」をテーマに出品しておられます。
それぞれの感性で作品が作られているのですが、不思議と調和している
のが、この展覧会の面白いところです。
大古瀬さんの作品です。
タイトルは「未然のことば」
言葉になる手前の状態を表現されたそうです。
具体的には固形の墨を使って描かれているのですが、これがそう容易い
ことではないと書道のご経験のある方ならお分かり頂けると思います。
それを自由自在に操って、タイトル通り言葉になる前が描かれている
のです。
その不思議な世界に魅せられてきました。
大古瀬さんの次のチャレンジも楽しみにしています。
横浜山手西洋館 世界のクリスマス2019
今年も横浜山手西洋館のクリスマスイベントに出かけてきました。
今年のタイトルは「山手で乾杯!20回目を祝うクリスマス」です。
今年のベストを選ぶとすれば「ベーリック・ホール 」でしょうか。
白で統一したダイニングの装飾がエレガントで、さすがフランスという感じが
しました。
その他、山手111番館にしては珍しいクリスマスらしい装飾だとか、ポーリッシュ
ポタリーが似合っている山手234番館も良かったです。
じっくり作品を見るのであればブラフ18番館のマインシュティールも素晴らしい
と思いました。
20回目の横浜山手西洋館のクリスマスイベントの内、14回を見てきました。
必ずどこかの国らしいクリスマス装飾にするというテーマの中、毎年違った
雰囲気にするというのは並大抵の努力ではないと思います。
お時間がありましたら是非お出かけ下さい。
12月25日水曜日までです。