カテゴリー別アーカイブ: 展覧会•イベント
うるしとともに
現在、泉屋博古館で行われている「うるしとともに
くらしのなかの漆芸美」という展覧会を拝見して来ました。
住友コレクションの漆芸品の数々を用いられてきたシーンごとに
ひもとき、漆芸品を見るたのしみ、使う喜びについてもう一度
考えたいとした展示です。
漆芸技法について丁寧に解説されているので、改めて勉強したいと
いう方には最適ではないかと思います。
同時開催として近年、寄贈された染付大皿も展示されています。
斬新で大胆な意匠は大皿ならではです。
散策がてらお立ち寄りになるのには、よろしいかと思います。
2月25日日曜日まで。
贈答の礼と日常作法2024
礼法の方で「贈答の礼と日常作法」の講習会を行います。
日本では人生の折り目折り目に贈答を行うという習慣があります。
これが今日では見た目の美しさや新奇さが先行してしまい、本質が
忘れられてしまっています。
この講習では人前で恥をかかないための日常作法と包み・結びの
基本的な形式を学びます。
本質を学ぶことによって何となく曖昧にしていたことを明確にし、
日本文化の深淵に触れられます。
残席1名様ですので、お早めのご参加をご検討下さい。
毎月第4火曜日 13:00〜15:00
2024年2月27日火曜日スタート 全6回
講習費 ¥30,000
場所 藤那海工房(西船橋駅より徒歩11分)
出光美術館「青磁」展
現在、出光美術館で行われている「青磁」展に出かけてきました。
中国で生まれた青磁は、作られた場所、時代で様々な変化を
見せます。
中国をはじめアジアから欧米まで、そして皇帝・貴族から一般の人々に
受容されます。
この展覧会は中国の青磁生産の代表的な窯から高麗や日本、さらに東南アジア
などの青磁も取り上げ、世界の人々を魅了した青磁の世界を紹介します。
私は特に南宋時代の青磁が好みです。
青磁の色味を最大限に生かしたシンプルな造形が絶妙に美しいのです。
また今回は日本も含めた他国への青磁の広がりも面白く拝見しました。
青磁という共通項はありますが、それぞれの国によって解釈が違うのです。
この辺りも楽しんでご覧になると新しい発見があるのではないかと思います。
会期は来年1月28日(日)まで。
会場は混んでおらず、じっくり、ゆっくり拝見出来ました。
染・織 ふたり展2023
金繕い教室の生徒さんである小高みどりさんが参加されている
「染・織 ふたり展」を拝見しました。
染織(せんしょく)という言葉があるように繊維を扱うという意味
で一緒に表現されていますが、実は全く作業が違う世界のものです。
それぞれの分野で研鑽されたお二人の作品は何も打ち合わせされて
おられずとも一つの空間に展示されると不思議なハーモニーがあります。
小高さんの作品です。
小高さんの作品は「友禅」の技法で、1色1色、防御しながら染めて
いきます。
染めは失敗が許されないのかと思いきや、技術的に習熟された小高さん
は、リカバリーの技術があるとか。
一幅の絵画のような作品を堪能させて頂きました。
織りの川上さんの作品です。
星座を表現された作品です。
面白いのが星を表した金色の部分です。
一見、金属にも見えるのですが、フェルトに染め用の金泥をまぶした
ものだそうです。
毎回変化のある表現を見せて下さるのが楽しいところです。
会期は12月9日(土)まで
銀座のギャルリ・シェーヌです。
年迎え 門松・屠蘇特別講座2023
今年も「門松・屠蘇」の講座を行います。
これは私の別の顔である礼法の師範としてのご案内になります。
年迎えの為に用いる正式な「根引きの雄松・雌松」に紙と水引を掛け、
正式な飾り方とは何か、日常行われている事柄がいかに略式であるかを
学びます。
また正月に行う初めての儀式「屠蘇」の調合、作製も致します。
お正月は日本人が古くから大切にしている伝統行事です。
今年は正式な門松を飾って厳かに迎えてみましょう。
日時:12月20日(水) 10:00~12:00/14:00~16:00
12月26日(火) 10:00~12:00/14:00~16:00
場所:藤那海工房 (最寄駅・西船橋駅より徒歩11分)
定員:各回 5名様
講習会費:¥8,000(雄松・雌松一対、屠蘇の材料費込み)
お申し込み:HPの「コンタクト」からメッセージをお願いします。
振込先、工房場所、持ち物などご連絡致します。
お申し込みをお待ちしております。
草木染め2023 最後の成果
今年の草木染め大会は3回で終了しました。
その最後のレポートです。
Hさんの作品です。
ご自分でなさったのが絞りです。
着物をお召しになった際の膝掛けにするそうで、淡いベージュ色が
上品な染め上がりになりました。
上に乗っているのは帯揚げです。
今回初チャレンジのやしゃぶしの鉄媒染です。
渋いベージュですが、どんな着物にも合う万能カラーです。
すでに藍は花が終わり、あとは種を実らせるばかりになっています。
来年の開催に参加をご希望の方はお声がけ下さい。
やまと絵展
現在、東京国立博物館で行われている「やまと絵」展を見に行って
きました。
やまと絵とは中国に由来する唐絵や漢画といった外来美術の理念や
技法との交渉を繰り返しながら独自の発展を遂げてきたもの、と定義
されています。
やまと絵自体は平安時代前期に成立とされていますが、当初の絵画は
中国からの影響を色濃く残しています。
本館の関連展示である「近世のやまと絵」まで通じてご覧になるとわかり
やすいと思うのですが、柔らかな筆致の絵画に昇華していきます。
題材も四季の移ろい、花鳥・山水といった自然を取材したものから、月ごと
の行事、さまざまな物語など文化を感じさせるものまで様々です。
また百鬼夜行や鳥獣戯画は現在の日本のサブカルチャーの萌芽となるのは
皆様が認めるところでしょう。
著名な作品が多く展示されているので、会期末が迫るにつれて混雑が予想
されます。
展示品が小品が多いせいか、ガラスケース前の滞留が目立ちます。
見学の際には空いているところから、隙間からと要領よく見学されることを
お勧めします。
シー陶器・シーグラスで作るアクセサリーその後
こっそり行っているシー陶器・シーグラスで作るアクセサリー作り
ですが、3月に行った分をご紹介致します。
透明に近いガラスを集めた作品。
天然石とシー陶器をパズルの様に上手く合わせているところが秀逸
です。
講座終了後、お手持ちのビーズを入れ込まれた力作。
パテで埋めて金で着彩しただけになってしまう部分が生かされています。
こちらも講座終了後にお手持ちのパーツを足された作品です。
何と眼鏡の装飾部分だったとか。
アイディア次第で何でも生かされる例ですね。
個性的なレイアウトの作品です。
横に並べた形は構成しにくいのですが、形さえ成り立たせられれば
パーツの選択のセンスの良さが光ります。
このイベントはもうやりませんと宣言しておりましたが、まだ残って
いるパーツで良ければという条件で来年に小規模で計画する予定です。
やってみたい!という方はお声がけ下さい。
優先的にお知らせ致します。
2023草木染め大会報告
例年にない暑い夏で、藍の生育を助けて頂きながら今年の草木染め
大会を終了しました。
結局、7月、8月、9月と3回行いましたので、ご参加の皆様の
作品をご紹介したいと思います。
Hさんの白生地から染められたもの。
左:帯揚げ やしゃぶし アルミ媒染でベージュ色に
右:ストール 生藍染め 染まりやすい絹とと素材の部分で色違いに
Mさんの白生地から染めたストール
左:蘇芳 アルミ媒染を2回
右:生藍染め 凹凸のある生地で深い色に
Fさんの作品。
色が派手過ぎて使えなかった帯揚げをやしゃぶしのアルミ媒染で
シックに変えられました。
左から蛍光イエロー、蛍光グリーンだったとは思えない落ち着いた
雰囲気に。
同じくFさんの作品。
左:綿ハンカチ やしゃぶし アルミ媒染でベージュに
中:派手なピンクだった絞りの帯揚げが和らいだイメージに
右:シミがあったベージュ系の帯揚げが生藍染めで新しい色合いに
草木染めの面白いところは白生地で染めたとしても、生地の風合いで
思わぬ色になるところでしょうか。
また今年の大会では使えなかった色やシミがあったものが、染めを
加えることで使えるものに変えられた方が多かったのが印象的でした。
金繕いも「蘇らせる」ものですが、草木染めも同じだったというのを
改めて気づきました。
来年また行うか迷いがあったのですが、ご参加の方から「是非」という
お声を頂いて頑張ってみようと思っています。
藍の栽培を協力して下さる方もおられますので、今年は参加しなかった
けれどという方は、来年は是非ご検討下さい。