カテゴリー別アーカイブ: 展覧会•イベント
日本・東洋 陶磁の精華
現在、出光美術館で行われている「日本・東洋 陶磁の精華」
という展覧会に行ってきました。
ご存知の方もおられるかと思いますが、出光美術館は建物の建て替えに
伴い、一時閉館が予定されています。
その閉館前に出光美術館の軌跡を表す展覧会の一つです。
出光美術館は国宝2件・重要文化財57件を含む約1万件のコレクションを
有する美術館として広く知られています。
その中から陶磁器に絞って
中国「シルクロード」「皇帝のうつわ」
朝鮮・日本
「交流」「中国陶磁の影響」「中国からの脱却」「独自性の形成」
とのタイトルで選定されています。
出光美術館の総力を結集した展覧会ですので、いずれも見応えのある
ものばかりでした。
展覧会の狙い通り各国の個性を意識して見ると、それぞれの特徴が
つかめて面白いかと思います。
会期終了が8月25日日曜日まで迫っています。
貴重な破片室も含めて是非ご覧下さい。
横浜山手西洋館 花と器のハーモニー2024
横浜山手西洋館のイベント、花と器のハーモニー2024に行って来ました。
今回はRediscovery〜世界のアーティスト×日本の器というテーマです。
日本の器だからなのか、全体的にシックで落ち着いたイメージの展示でした。
◯ベーリック・ホール Rediscovery of Lilies
今回はイチオシが選べません。
日本の器は釉薬で魅せるものが多く、アイテム数も洋食器のように
多くありません。
その分、花の演出は洋館との一体感が要求されることになり、それが
それぞれの館で成功しているように感じました。
その結果、山手西洋館全体の雰囲気が調和することになり、イベント
全体で楽しめる内容になったように思います。
混雑緩和のため、靴はビニール袋に入れて持ち歩きます。
画像の撮影はスマホかタブレットのみ。
(カメラでの撮影は開館直後の時間帯に予約制)
脱ぎ履きしやすく、歩きやすい靴で散策下さい。
会期は9日日曜日まです。
民藝展
現在、世田谷美術館で行われている「民藝」展に行って来ました。
民藝とは100年前に思想家・柳宗悦によって提唱されたものです。
日常生活のなかで用いられてきた手仕事の品々に美を見出し、
「民衆的工藝=民藝」の考えを唱えました。
日々の生活の中にある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せる
民藝のコンセプトがいま改めて必要とされています。
この展覧会では民藝を「衣・食・住」をテーマに紐解き、展示解説
しています。
展示品のクオリティの高さもあるのだと思いますが、柳宗悦が収集した
ものから、現代の提唱者のインスタレーションまで見ることによって、
改めて民藝とは何なのかを感じることが出来ました。
展覧会のサブタイトルに「美は暮らしのなかにある」とありますが、
コロナ禍を経て丁寧に生活することの大切さが見直されたのは、
とても良いことだと考えています。
ミュージアムショップがかなり充実しているので、ミュージアム
ショップ好きには楽しめるかと思います。
展覧会は6月30日日曜日まで。
お天気が良ければ用賀駅から歩くのもおススメです。
資生堂パーラーのディスプレイ
さをり織りの作家さんとしてご紹介した友人のPAKICOさんが
本業の方でアートディレクターを務めたディスプレイを拝見
してきました。
銀座・資生堂パーラーです。
テーマは「不死鳥」
150年を超える歴史の中で何度も蘇る不死鳥のように力強い美しさ
や全ての生命の源とされる生命樹のように多様な美しさを求めて
きた資生堂さん。
これからもまだ見たことのない美を探し続けていくことを表して
います。
おまけはちょっと変わったアングルの東京駅です。
KITTE 4階にある旧・東京中央郵便局長室から見たものです。
茶の湯の美学
現在、日本橋の三井記念美術館で行われている「茶の湯の美学」展に
行ってきました。
この展覧会は桃山時代から江戸時代初期に茶の湯界をリードした千利休、
古田織部、小堀遠州の茶道具を選び、それぞれの美意識を探るものです。
利休「わび・さびの美」、織部「破格の美」、遠州「綺麗さび」と従来
からの捉え方ではありますが、明確にわかりやすい展示品で構成しています。
私としては織部の大井戸茶碗「須弥」(別名 十文字)をぐるり360度拝見
出来たのが収穫でした。
このお茶碗は大きい径のものを十文字にカットして切り詰めたというものです。
しかしさほど径が小さくなっていないことから他の破損を目立たなくするため
という説もあります。
360度拝見してみて、後の説も頷けるとの実感を得ました。
というのも他の破損の形が物理的に生じた感じではなく、美しくないのです。
是非実物をご覧頂いて感想をお聞かせ下さい。
会期は6月16日日曜日までと、まだ先です。
旧朝香宮邸を読み解くA to Z
開館40年を記念して行われている「旧朝香宮邸を読み解くAtoZ」
展に行ってきました。
建築技法、建設に携わった人々、室内意匠や素材、各時代にまつわる
エピソード等、アルファベットのAからZを頭文字にもつキーワードを
ピックアップして解説してあるところを巡る展覧会です。
旧朝香宮邸は過去に2回、リニューアル記念やガレ展などで足を運んで
いましたが、今回訪れてみて、まだまだ見どころを逃していたのに気が
つきました。
旧朝香宮邸は朝香宮がヨーロッパに外遊の際、当時最新のスタイルであった
アールデコ様式に感銘を受け、ぜひ自邸に採用したいと心血を注いて完成
させたものです。
今回のAからZまでのキーワードに示された箇所を巡るのは、ちょっとした
宝探しのようです。
各コーナーに置かれた解説のカードは、おしゃれで収集欲をそそります。
普段、未公開の「ウィンターガーデン」(温室として作られたようですが
実際はサンルームとして使われていたそう)も拝見出来たのはラッキー
でした。
見学日は好天に恵まれて都内とは思えないような大きな木に囲まれた
庭園も満喫しました。
会期は5月12日(日)まで。
美しい建築を是非ご覧下さい。
手塚雄二展
現在、日本橋三越で行われている「手塚雄二展」に行って
きました。
NHKの日曜美術館でご覧になった方もおられると思い
ますが、この展覧会は東叡山寛永寺根本中堂天井絵奉納
記念として企画されたものです。
まず日本橋三越の本館1階ホールに6×12メートルという長大な
天井画が展示されていました。
本来なら高いお堂の天井に設置されているものが床置きされて、
間近で見られるという貴重な体験から始まりました。
大きさ、板に描くという初めてのチャレンジを感じさせない阿吽
の2頭の龍は大迫力。
様々な角度で堪能させて頂きました。
加えて第ニ会場の作品展示です。盛り上げたマチエールと金銀箔で
奥行きのある空間表現、岩絵具の丹念な塗り重ねで表された
美しい色彩。
会場内に「清けし、幽けし」という言葉がありましたが、その世界
に浸れる作品群でした。
手塚先生は東京芸大で指導にあたられたそうですが、生徒はこの
ような指導者に巡り会えて幸せだったのではないかと思います。
会期は3月4日月曜日まで。
お買い物ついでに、ご覧になれるボリュームです。
「本阿弥光悦の大宇宙」展
現在、東京国立博物館で開催されている「本阿弥光悦の大宇宙」
展を見てきました。
光悦は琳派の始祖として著名なので、皆さんご存知かと思います。
琳派のくくりで展覧会は多く行われていますが、光悦のみという
のは珍しいかと思います。
ですので私としては初見の作品も多くあり、「信(信仰)」「漆」
「刀」「書」「陶」と光悦の業績をカテゴリー分けした展示を
面白く拝見しました。
天才観測というキャッチコピーほど深掘り出来ていないのではないか
という批判はあるかと思いますが、時代背景や光悦がどのくらい
関わったのかは不明という解説は現段階の報告として正直なところ
だと考えます。
同時代の方の作品が展示されているので、光悦がいかに異才か感覚的に
わかりやすいと思います。まずは光悦を堪能しようくらいの感覚でご覧
になるのもいいかと思います。
会期は3月10日日曜日まで。
事前予約の必要はありません。
うるしとともに
現在、泉屋博古館で行われている「うるしとともに
くらしのなかの漆芸美」という展覧会を拝見して来ました。
住友コレクションの漆芸品の数々を用いられてきたシーンごとに
ひもとき、漆芸品を見るたのしみ、使う喜びについてもう一度
考えたいとした展示です。
漆芸技法について丁寧に解説されているので、改めて勉強したいと
いう方には最適ではないかと思います。
同時開催として近年、寄贈された染付大皿も展示されています。
斬新で大胆な意匠は大皿ならではです。
散策がてらお立ち寄りになるのには、よろしいかと思います。
2月25日日曜日まで。
贈答の礼と日常作法2024
礼法の方で「贈答の礼と日常作法」の講習会を行います。
日本では人生の折り目折り目に贈答を行うという習慣があります。
これが今日では見た目の美しさや新奇さが先行してしまい、本質が
忘れられてしまっています。
この講習では人前で恥をかかないための日常作法と包み・結びの
基本的な形式を学びます。
本質を学ぶことによって何となく曖昧にしていたことを明確にし、
日本文化の深淵に触れられます。
残席1名様ですので、お早めのご参加をご検討下さい。
毎月第4火曜日 13:00〜15:00
2024年2月27日火曜日スタート 全6回
講習費 ¥30,000
場所 藤那海工房(西船橋駅より徒歩11分)