NHK文化センター柏教室の方の作品をご紹介致します。
お猪口の欠けです。
ダークな釉薬の色と底面が方形という個性的なお猪口です。
縁に小さい欠けが出来ていたのを金繕いされました。
最近どちらかというと仕上げは目立たせない傾向が強かったのですが、
1点金泥が光輝く仕上げとなりました。
この作品を見せて頂くと見慣れていたはずの金の強さを改めて感じます。
金の高騰で使うのを躊躇う方もおられますが、このパワーはやはり
金でなければとお考えになるのではないでしょうか。
NHK文化センター柏教室の方の作品をご紹介致します。
お猪口の欠けです。
ダークな釉薬の色と底面が方形という個性的なお猪口です。
縁に小さい欠けが出来ていたのを金繕いされました。
最近どちらかというと仕上げは目立たせない傾向が強かったのですが、
1点金泥が光輝く仕上げとなりました。
この作品を見せて頂くと見慣れていたはずの金の強さを改めて感じます。
金の高騰で使うのを躊躇う方もおられますが、このパワーはやはり
金でなければとお考えになるのではないでしょうか。
現在、世田谷美術館で行われている「民藝」展に行って来ました。
民藝とは100年前に思想家・柳宗悦によって提唱されたものです。
日常生活のなかで用いられてきた手仕事の品々に美を見出し、
「民衆的工藝=民藝」の考えを唱えました。
日々の生活の中にある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せる
民藝のコンセプトがいま改めて必要とされています。
この展覧会では民藝を「衣・食・住」をテーマに紐解き、展示解説
しています。
展示品のクオリティの高さもあるのだと思いますが、柳宗悦が収集した
ものから、現代の提唱者のインスタレーションまで見ることによって、
改めて民藝とは何なのかを感じることが出来ました。
展覧会のサブタイトルに「美は暮らしのなかにある」とありますが、
コロナ禍を経て丁寧に生活することの大切さが見直されたのは、
とても良いことだと考えています。
ミュージアムショップがかなり充実しているので、ミュージアム
ショップ好きには楽しめるかと思います。
展覧会は6月30日日曜日まで。
お天気が良ければ用賀駅から歩くのもおススメです。
産経学園ユーカリが丘校にいらしていた方の作品をご紹介致します。
萩焼きのお茶碗の割れです。
割れ方としては王道の鳥脚型の複雑バージョンです。
陶器は割れ口が荒いことが多いので、接着の際、ピッタリハマる位置を
探って落ち着かせるのがポイントです。
若干のズレがあったことと、陶器独特の割れ口の複雑さで欠損を埋める
のに難儀されましたが、完成した姿を見るとその形の美しさの方が
際立っています。
萩焼きは「七化け」と言って経年変化を尊びます。
この器の場合あえて経年の変化はそのままと望まれましたが、基本的に
金繕いする前はしっかり漂白することをお勧めしています。
ゴールデンウィークの終わりに蒔いた藍の種が発芽しました。
わずか1mm程度の種から発芽し、高さ60cm、直径60cmもの
大きさの株に成長します。
この葉を使った「生藍染め」の講座を今年も7〜9月末に計画
しています。
生藍の青、ペパーミントグリーンの他、蘇芳で濃いピンク、玉ねぎで
黄色が染められます。
これで3原色が揃うので掛け合わせで緑、オレンジ、くすんだ紫が
染められます。
さらにやしゃぶしで染められるベージュ〜グレーもシックです。
現在、昨年から参加を希望している方を優先にお声がけしています。
あいにく設備の都合で各回3名様しか対応できませんので、ご興味の
ある方はお早めにご連絡頂ければと思います。
産経学園ユーカリが丘校で受講されていた方の作品をご紹介
致します。
カリキュラムに「ハマグリ貝に金箔を貼る」というものがある
のですが、それに顔彩で絵を描かれました。
「絵を描く」というと自由に画題を選んで自由に描くという
イメージがあると思います。
それ故にセンスが大事で「絵心がない」と断念される方も少なく
ありません。
金繕いの教室ではありますが、描いてみたいと思われるようでしたら
全力でサポート致します。
まずは何を描くのかという選択から始めましょう。
この春、受講開始がまだ間に合う講座をご紹介致します。
5月からスタートです。
毎日文化センター(竹橋) 毎月第3木曜日 10:00〜12:00
産経学園 ユーカリが丘校 毎月第3月曜日 10:15〜/13:00〜
毎日文化センターは5月16日木曜日から。
産経学園ユーカリが丘校は5月20日月曜日からです。
お申し込み、お問い合わせは、それぞれのカルチャーセンターに
お願いします。
お申し込みをお待ちしております。
産経学園ユーカリが丘校に在籍していた方の作品をご紹介
致します。
海外のもので、蓋ものの金繕いです。
本体の方がバラバラに割れてしまっていました。
質の柔らかい陶器なので、あちこちに欠損があり、接着後に欠損
部分を埋めるのに時間がかかってしまっていました。
完成してみれば華やかな器本来の柄に金泥の仕上げが映えて、素晴ら
しいものになりました。
欠損を埋めるのに時間がかかるとモチベーションの維持が大変です。
この作品もしばらく教室にお持ちにならない期間がありました。
何か急ぐご事情がなければ、そのようにクールダウンの時間があっても
いいと思います。
金繕いは然るべき時に完成するもの、という考え方があります。
かつては依頼者が完成を催促すると修復代金を何倍にも加算して構わ
ないという不文律があったくらいなのです。
さをり織りの作家さんとしてご紹介した友人のPAKICOさんが
本業の方でアートディレクターを務めたディスプレイを拝見
してきました。
銀座・資生堂パーラーです。
テーマは「不死鳥」
150年を超える歴史の中で何度も蘇る不死鳥のように力強い美しさ
や全ての生命の源とされる生命樹のように多様な美しさを求めて
きた資生堂さん。
これからもまだ見たことのない美を探し続けていくことを表して
います。
おまけはちょっと変わったアングルの東京駅です。
KITTE 4階にある旧・東京中央郵便局長室から見たものです。
藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
粉引のお皿の割れです。
絶妙な割れのラインです。
粉引のお皿がキャンバスのように見えるくらいです。
このような意図していないラインが出るのが金繕いの醍醐味
だと思います。
Oさんはお料理が上手なので、このお皿も食卓に復帰しご家族を
楽しませていることと思います。
もう1点。
こちらの湯呑みも素敵な仕上がりです。
現在、日本橋の三井記念美術館で行われている「茶の湯の美学」展に
行ってきました。
この展覧会は桃山時代から江戸時代初期に茶の湯界をリードした千利休、
古田織部、小堀遠州の茶道具を選び、それぞれの美意識を探るものです。
利休「わび・さびの美」、織部「破格の美」、遠州「綺麗さび」と従来
からの捉え方ではありますが、明確にわかりやすい展示品で構成しています。
私としては織部の大井戸茶碗「須弥」(別名 十文字)をぐるり360度拝見
出来たのが収穫でした。
このお茶碗は大きい径のものを十文字にカットして切り詰めたというものです。
しかしさほど径が小さくなっていないことから他の破損を目立たなくするため
という説もあります。
360度拝見してみて、後の説も頷けるとの実感を得ました。
というのも他の破損の形が物理的に生じた感じではなく、美しくないのです。
是非実物をご覧頂いて感想をお聞かせ下さい。
会期は6月16日日曜日までと、まだ先です。