最後のおむすびまるさんかく

度々ブログでご紹介してきました知人の大倉千枝子さんのおむすびの店
「おむすびまるさんかく」がこの17日をもって店仕舞いをします。
最後のお食事を頂かなければと本日出かけて参りました。

メニューは味が選択出来るおむすび2個と漬物、お味噌汁のセットです。
お味噌汁は乾燥したエノキダケが旨味を出しています。

残念ながら至高の玄米はSOLD  OUTしていましたが、大倉さん自ら漬け込まれた
梅干しと人気の筋子を選択。
堪能致しました。

「おむすびまるさんかく」というお店の形態は終わりになりますが、大倉さんとの
お付き合いは続きます。
次の展開を楽しみに待ちたいと思います。


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トクサの収穫

このところトクサについて、ご質問が増えてきたので、改めてご説明
しようと思います。

トクサの収穫ですが、寒気に当たった方が良い道具になりますので、
もうしばらく待たれるのをお勧め致します。
2〜3月から新芽が出る直前の4月までは収穫出来ます。

しっかり根元から切り、広げて乾燥するのが肝要です。
ドライフラワーのように束ねて干すと、カビてしまったと以前ご報告を
受けております。

大体1週間干すと含んでいた水気が乾燥し、道具になります。
この時、緑色が残っていても構いません。

よく確認されるのが先端の枯れている部分を採取すればいいのか?という
ことです。
このご質問への回答は否です。
実際お使いになられるとお分かりになりますが、植わっている段階で既に
枯れているということは劣化しているということです。
道具としては全く使えず、ボロボロと崩れてしまうはずです。

根元から刈り取ってしまうと、ご不安になるのが再生です。
これもご心配ありません。
春になると新たに新芽が出てきます。
刈り取ったところからは伸びてはきません。

拙著「金繕いの本」をお持ちの方は90ページをご覧下さい。
実際の使い方なども詳しく解説してあります。


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筆に印をつける

最初の教材で筆は2本からスタートしますが、必要に応じて増えていきます。
中には似たような筆もあり、何の為の筆なのかわからなくなってしまう方も
おられます。

そこで港北カルチャーのTさんの工夫をご紹介致します。
金泥用、銀泥用と分けた蒔筆の場合です。

軸の尾部に金銀のテープを巻き、一目でわかるように工夫されています。

ちょっとした工夫をするだけで作業の効率が上がると思います。
Tさんの方法を参考に、ご自分のやり方を見つけられてはいかがでしょう。


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共通色

NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
元々の器の柄と仕上げが呼応している好例です。

小皿の角が鳥脚状に割れたものを接着されました。
元々のお皿の柄に金が入っていましたので、仕上げの金泥が自然に
見えます。

このところ作品例で柄を利用するというものを多くアップしましたが、
色が合っているだけで十分共通性が出て違和感がありません。

敢えて奇を衒わなくても素敵に見えます。
まずはスタンダードにから初めてみましょう。


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小笠原伯爵邸

新宿にある小笠原伯爵邸に出かけました。
こちらには随分前に見学に訪れたのですが、内部の見学が出来ません
でした。
今回はそのリベンジです。

小笠原伯爵邸は昭和2(1927)年、小笠原長幹伯爵の本邸として完成
しました。
日本でも稀な完成度を誇るスパニッシュスタイルの名建築です。
都の施設として使用されていた時期もあったようですが、放置され荒廃
していたものを民間の力で復元されました。
現在はレストラン、ウエディングが出来るスペースとして活用されています。

今回の見学は贅沢にランチから。


スペイン料理ですが、和を感じる部分もあり、目も舌も満足するお料理でした。

内部の圧巻は何と言っても喫煙室です。
繊細な創建当初の装飾が残されています。

外観でもその喫煙室の壁が見どころとなっています。
「生命の賛歌」をテーマに、太陽が輝き花々が散りばめられた構図は
唯一無二と言えるでしょう。

小笠原伯爵邸では定期的に見学会を行なっていますが、レストランの
利用でも案内をして下さいます。
都会の真ん中に忽然と現れるスパニッシュスタイルの芸術品です。
是非一度ご覧下さい。


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書き初め2020

今年もちょっと遅れて習字を始めました。

現在、臨書しているのは般若心教です。
私の場合、あくまでも金繕いの仕上げの為に習字を習っているので、
将来的に作品を作るとかそういうものではありません。

かな書と漢字を交互に練習していますが、性格的には大きな字を書く
漢字の方があっているようです。
漢字を書くのは楽しいな〜と思いながら今年最初の習字を終了しました。


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器の柄を使う

NHK文化センター柏教室のYさんの作品をご紹介致します。
大皿の欠けを金繕いされました。


縁に小さな欠けがあるだけだったのですが、単純に欠損通りに仕上げて
しまうと、お皿の大きさに比して小さい為、逆に目立ってしまう恐れが
ありました。
そこでご提案したのがお皿に元々絵付けされている葡萄の柄を使うこと
でした。

まずはお好みの柄をお皿からトレースして頂くことから始まりますが、
必要最低条件として欠損がしっかり隠れることが大事です。
その他、見栄えも考慮して入れ方を決定し、金泥で蒔絵されました。

昨今、金繕いでも何らかの柄を蒔絵する方が多くなってきましたが、
何となく自分の概念で描かれた柄で納得のいかない結果に悩まれて
いるのではないでしょうか。

ご自分の概念でもどきの蒔絵をするよりも、器自体の柄を利用された
方が完成した時の一体感があります。

Yさんのお皿は亡くなったお母様の愛用品だったそうで、ご兄弟と
お母様が喜んでいるとお話になったそうです。
こうしたエピソードをお聞きすると、お手伝い出来て良かったと
私自身の喜びも深まります。


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原美術館へ行く

昨年12月のことになってしまいますが、長年訪問を希望していた原美術館
へ出かけてきました。

原美術館はJR品川駅からほど近い御殿山にあります。
1938年に実業家・原邦造の邸宅として渡辺仁が設計しました。
渡辺仁は東京国立博物館本館、和光ビルを設計したことで知られています。

邸宅はモダニズム建築、昭和初期洋風邸宅の貴重な例で、中庭を包み込む
ように緩やかな円弧を描いた空間デザインが特徴です。

1979年に当時としては珍しい現代美術専門館としてオープンしました。
居室は企画によって展示を変えるギャラリーに、浴室やトイレなどのユーティ
リティースペースは各作家による常設展示となっています。

訪れた日は原始美術を思わせるミステリアスで力強い人物表現を特徴とする
加藤泉氏の展覧会が行われていました。

縄文時代にも心惹かれる私としては、大変興味深く拝見しました。

残念ながら原美術館は今年末で閉館が決まっています。
建物の老朽化と住宅として建築されたがゆえにバリアフリーへの対応が
なされていないことが理由だそうです。

中庭に面して増築されたカフェの利用も気持ちがいいものです。
是非、開館中にご見学ください。


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謹賀新年2020

明けましておめでとうございます。

例年、お正月は旅行など遠出することはなく、自宅周辺でのんびり
過ごしております。

ここ数年、出版、雑誌掲載、個展などアウトプットが多かったように
思います。
今年は改めて自分の在りようを見つめ、充電の年にしたいと思っております。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。


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THE BOOK vol.4 ブックアート展

友人のアーティスト・大古瀬和美さんが出品したブックアート展が
12月2日から13日の会期で行われていました。
会期終了間近で伺ったので、レポートが遅くなってしまいました。

8名のアーティストが「本」をテーマに出品しておられます。
それぞれの感性で作品が作られているのですが、不思議と調和している
のが、この展覧会の面白いところです。

大古瀬さんの作品です。
タイトルは「未然のことば」
言葉になる手前の状態を表現されたそうです。

具体的には固形の墨を使って描かれているのですが、これがそう容易い
ことではないと書道のご経験のある方ならお分かり頂けると思います。
それを自由自在に操って、タイトル通り言葉になる前が描かれている
のです。
その不思議な世界に魅せられてきました。

大古瀬さんの次のチャレンジも楽しみにしています。


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