NHK文化センター千葉教室で5月に計画していた1日講座が
復活しました。
金繕いの発祥、歴史、実際の作業についてお話しする講演会です。
会場のキャパシティーの1/3までに人数制限をするなど、感染症対策を
万全にして開催致します。
ご不安のある方もおられるかと思いますが、お出で頂けたら幸いです。
9月30日水曜日 午前10:30〜12:00
詳細はNHK文化センター千葉教室までお問い合わせ下さい。
NHK文化センター千葉教室で5月に計画していた1日講座が
復活しました。
金繕いの発祥、歴史、実際の作業についてお話しする講演会です。
会場のキャパシティーの1/3までに人数制限をするなど、感染症対策を
万全にして開催致します。
ご不安のある方もおられるかと思いますが、お出で頂けたら幸いです。
9月30日水曜日 午前10:30〜12:00
詳細はNHK文化センター千葉教室までお問い合わせ下さい。
藤那海工房 木曜クラスのTさんの作品をご紹介致します。
抹茶茶碗の割れの接着です。
白化粧土で笹に降り積もる雪を表現した雅な筒茶碗です。
それがバラバラに割れてしまっていました。
接着が完了したところで依頼されたご友人に仕上げの意向を確認した
ところ、目立たないようにとのお話が出ました。
これはTさんの丁寧な作業で想像以上に綺麗に形が復元されたので、
当初のとにかくくっつけばとのお考えから、このようなご意向になったの
だと思います。
そこでグレーが強い地の部分は白金泥(プラチナ)、鉄釉の笹の部分は
薫銀泥とされました。
シルバー色というと銀泥がスタンダードですが、後々硫化して黒へと変色
していきます。
返却するものの場合、硫化が向かないことがありますので、その場合には
プラチナ一択になります。
個人的には金泥を使って割れの線の面白さを見せてもいいのではないかと
思うのですが、持ち主の方の反応をお聞きするのが楽しみです。
5月末に仕込んだ梅のはちみつ漬けが無事完成。
炭酸で割って飲んでみました。
体にいいものばかりなので、美味しいのも当然です。
漬け込んだ梅も一緒に頂きます。
元が青梅なので少々硬いのですが、こちらも美味です。
大事に飲んで夏を乗り切ります!
カルチャープラザ公津の杜のTさんの作品をご紹介します。
欠けの漆繕いです。
縁の部分に欠けがあったのを埋めて、弁柄漆の色のままで完成とされました。
元々の器の柄に弁柄漆と近似した柄が入っていたので、金銀の金属色で
仕上げをしなくても違和感がないかと思います。
現在、器の修復は「金繕い」「金継ぎ」と呼ばれていますが、金で仕上げが
行われたのは最後年で、原点は漆の色のままでの完成です。
それを「漆繕い」と称したので、陶磁器の修復の名称は「金繕い」が正しい
ものと考えています。
「繕い」という言葉が美しいと言って頂くこともありますが、その言葉の
持つ意味が美しいのだと思います。
Tさんの作品は原点とも言えるものです。
是非参考になさって下さい。
NHK文化センター柏教室のAさんの作品をご紹介します。
ガラスのひびの直しです。
斜めにスライスするようにひびが入っていました。
ひび止め後、見栄えを考えて広く仕上げをなさっています。
新うるしは、ほぼ色がないものがあるので器の印象を妨げずにガラスの修復
を可能にします。
仕上げは金箔を使われていますが、これもガラスに映えて美しく見えます。
陶磁器の金繕い手法の応用でガラスの修復が可能なので、直したいガラス器の
ある方は一度ご相談下さい。
時々ご紹介していますが、ついつい買ってしまうのが特殊切手です。
今回は「江戸–東京シリーズ第1集 日本橋」です。
84円と63円それぞれアンティーク風のイラストが魅力的です。
漆刷毛の購入先の江戸屋さんも出ています。
決してコレクターではないのですが、これは使えない…
NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
マグカップの欠けを金繕いされました。
お分かりになると思いますが、縁の部分に欠けがありました。
元々、丸い形ではあったのですが、思い切ってマグカップの
水玉模様に合わせた形に仕上げられました。
一見では馴染んでわかりにくいですし、何より可愛いです。
仕上げを楽しんで頂いた好例です。
このように楽しいアイディアで完成させて頂けたら嬉しいです。
NHK文化センター柏教室のUさんの作品をご紹介致します。
金繕いではなく、「盛り上げ」とか「置き上げ」と言われる工芸です。
桐箱に胡粉を使って絵柄をつけます。
大切に扱わないと剥落してしまうので、実用品では難しいかと思いますが、
見て美しい品が出来上がります。
Uさんの作品は、胡粉の白さを生かして可愛いウサギが箱に浮かび上がり
ました。
金繕いの教室で同時に行うのは稀なケースです。
なさりたい方は方法をご相談下さい。
藤那海工房で本漆の金繕いをなさっているKさんの作品をご紹介します。
飾り皿の欠けの修復です。
少々分かりにくいのですが、下の画像で縁の真ん中あたりが欠けていました。
欠損を埋めて、薫銀泥の焦茶で仕上げて頂いています。
私は本漆で金繕いをされるのであれば、粉固めが出来る丸粉で行うのがいいと
考えています。
これは使用と洗浄を繰り返す日用食器ならば、その方が耐久性があるからです。
しかしKさんの器は飾り皿ということで、目立たないことが再優先でした。
ですので色が一番合う薫銀泥の焦茶という選択になったのです。
実際、置かれる方向で見ると欠損部は全く目に入りません。
でも目立たない作業がしてあることで納得感が大きいと思います。
ケースバイケースで手段を変えるのが金繕いの醍醐味とも言えます。
先般、私が割ってしまった貝合せの修復が完成したと記事にしました。
コロナ禍でなかなか返却が叶いませんが、お返しするにあたって桐箱
に収めることを考え、上野の箱義桐箱店に出かけました。
桐箱は衝撃、火災から大事なものを守るとして伝統的に使われてきたので
高価というイメージが強いと思います。
実は既成サイズで選べば、さほど高額ではありません。
今回、大きい貝と小さい貝に合わせて2箱購入していますが、¥1,000にも
及びません。
購入にあたっては実際収めるものを持参してお店の方に探して頂くのが
いいと思います。
HPでも商品の案内はされていますが、想像以上にたくさんのサイズがあり、
お店の方にお任せするのが一番かと思います。
今回の品はウコン布に包んでお返しします。
こちらもウコンの防虫・防菌効果で大事なものを守ります。
何と言っても桐箱のスペシャル感は格別です。
私のお詫びの気持ちも伝えてくれると思います。