港北カルチャーセンターのFさんの作品をご紹介致します。
大鉢の割れの金繕いです。
角が割れてしまったのを接着し金泥で仕上げられました。
この仕上げのラインが元々の絵付けである房つきの紐のラインと
呼応してとても美しいのです。
こういった美しさがある場合は更に蒔絵するなどプラスする必要は
ないと考えています。
本来は破損した傷なのですが、人智の及ばない美しさあるのが
金繕いの醍醐味です。
ご堪能下さい。
港北カルチャーセンターのFさんの作品をご紹介致します。
大鉢の割れの金繕いです。
角が割れてしまったのを接着し金泥で仕上げられました。
この仕上げのラインが元々の絵付けである房つきの紐のラインと
呼応してとても美しいのです。
こういった美しさがある場合は更に蒔絵するなどプラスする必要は
ないと考えています。
本来は破損した傷なのですが、人智の及ばない美しさあるのが
金繕いの醍醐味です。
ご堪能下さい。
NHK文化センター柏教室のTさんの作品をご紹介します。
急須蓋のつまみの金繕いです。
目立たないように薫銀泥で仕上げられているので、画像では
わかりにくいと思いますが、つまみの2/3位が破損して失われて
いました。
この急須は柏駅近くのショップで取り扱いのある作家さん物の急須で
過去から数えて拝見するのは3個目になります。
りんごのヘタのように見えるつまみが愛らしい素敵な急須で、この
つまみは空気穴も兼ねています。
たまたま同じクラスに大きさ違いの急須を直しにお持ちになった方が
おられて、形がわかったので作業の手掛かりになりました。
コツコツと根気よく形を復元されたので、作家さんのオリジナルに
極めて近い完成度になっているかと思います。
金繕いは元々の作り手へのリスペクトでもあると思います。
殊に今回のような個性的な形だと苦労も伴いますが、完成した時の
満足度もひとしおだと思います。
目白にある旧細川侯爵邸である和敬塾本館を見学して来ました。
(内部の画像はSNSで公開NGなので、頂いたパンフレット、葉書で)
旧細川侯爵邸は昭和11年、細川護立侯の自邸として建築されました。
イギリスのチューダー・ゴシック様式を基調とする洋風建築ですが、
内部には和室や東洋風のインテリアも併せ持つ自由な折衷様式の華族
邸宅建築です。
細川護立侯自身はわずか9年しか居住出来ず、戦後はオランダに接収
されます。
この時にダイニングルームがシャワー室に、つなぎの和室が壁を立てて
二間に改造されたりしてしまいますが、現在は創建当時に極力近づけて
公開されています。
(貴重な壁材なども触ってOKなのは嬉しい!)
特徴的なのは華麗なインテリアでありながら“もしも”の場合に備えて
各部屋が必ず2方向避難が可能なように設計されていることです。
これは二二六事件の直後に設計された影響ではないかと思われます。
毎年5月から12月の月2回、原則木曜日にあらかじめ申込の上、
見学が出来るようになっています。
案内人の丸山さん(男性)の語り口が軽妙で、1時間20分とは思えない
くらい楽しい見学会でした。
恐らく年内の見学は一杯だと思います。
毎年1月中旬くらいにその年の見学日が公開になりますので、是非
細川護立侯好みの個性的なインテリアを堪能して頂きたいと思い
ます。
NHK文化センター柏教室のYさんの作品をご紹介致します。
絵付けが美しいお皿の割れです。
金泥で仕上げた線が美しい絵を横切っているのが痛々しい感じに
なってしまったので、金泥の上から色漆で着彩して頂きました。
この手法は度々ご紹介していますが、このように絵付けを横切って
いる破損の場合にはとても有効な方法だと考えています。
該当する器をお持ちの方は是非チャレンジしてみて下さい。
藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
急須の蓋の欠けを銀泥で仕上げられたのが、いい具合に硫化
したのを拝見致しました。
渋い金色に変化しています。
面白いのが縁の硫化が進んでいて、すでに黒くなっているところ
です。
銀泥はシャンパンゴールド、ピンクゴールド、青紫、黒と変化して
行きますが、その時間経過はご自宅の状況で違います。
今回、Oさんは急須自体の釉薬にマッチしていると現状での色止め
(硫化を極めて遅くし現状の色で止める方法)を行われました。
いずれにしろ変化の様子を時間経過と共にお楽しみ下さい。
私個人の金繕い教室、藤那海工房 新うるしクラスの募集を
行なっています。
募集のクラスは
毎月第1木曜日 13:00〜15:00
です。
詳細はHPの教室案内のページをご覧下さい。
暑さも落ち着いてきたところで金繕いを始めてみませんか?
ご連絡をお待ちしております。
2020年に行った内容が好評につき再配信になりました。
金繕いの発祥から追う歴史と実際の作業工程をふんだんに画像を
使って説明しています。
特に金繕いを始めたばかりの方や始めてみようという方には
最適な内容になっております。
お申し込みをお待ちしております。
あらかじめHPから登録を行い、支払い決済後30日間視聴可能です。
NHK文化センター千葉
港北カルチャーセンターのFさんの作品をご紹介致します。
黄瀬戸の大鉢です。
趣のある黄瀬戸の釉薬が美しい大鉢です。
薄手のせいか縁に欠けがありました。
形通りに欠損を戻した後、選ばれたのは金泥の仕上げです。
黄瀬戸の黄色い釉薬と金泥は馴染みがよく、想像以上に目立ち
ません。
欠けさせてしまったことを忘れてお使い頂ける完成度になりました。
仕上げをどうするか皆様悩まれるところだと思います。
セオリーとしては陶器は銀泥、磁器は金泥というのがありますが、
最終的には持ち主のお考え次第です。
お預かり品の場合はご本人にお決め頂くのが宜しいかと思います。
面白いものでお預かりものは、かなりの確率で金泥のリクエストに
なります。
「金繕い」「金継ぎ」のイメージが強いからなのでしょう。
友人の広瀬佐紀子さんが参加している日本画若手作家の集まりによる
展覧会「渺渺展」を拝見してきました。
広瀬さんの作品は山の風景です。
ご覧頂いてお分かりになるかと思いますが、一般的な山岳画と違って
空が狭いのです。
これは広瀬さんが実際に冬山に登山し、厳しい環境の中に身を置いて
写生しているからなのです。
あたかも自分自身がその場にいるような錯覚に陥るくらい心に迫ってくる
自然の美しさ、厳しさを感じます。
「渺渺」とは「広く果てしないさま」という意味を持つそうです。
全く違うスタイルを持つ参加者の共演は毎年拝見していても、新しい
感動があります。
会期は9月1日(日)まで。
JR千駄ヶ谷駅から徒歩5分の佐藤美術館です。
是非実物を会場でご覧下さい。
港北カルチャーセンターの方の作品をご紹介致します。
蓋物の割れです。
ざらざらとした釉薬が印象的な蓋物です。
本体の方が鳥脚型に割れていたのですが、これを金属粉で目立たせる
のではなく、馴染ませることにチャレンジされました。
ざらざらとした仕上げを敢えて選択したいという方は少なからずおられる
ので、様々な手法でのご提案を用意しています。
それは道具であったり素材であったり、狙いの感じに合わせて選択肢が
あります。
今回ご紹介の作品は色も合わせられたので、一見全くわからない感じに
なりました。
いわゆるピカピカの金属粉ではない仕上げをご要望でしたら、あらかじめ
ご相談下さい。