藤那海工房 木曜クラスのTさんの作品をご紹介致します。
抹茶茶碗の割れの接着です。
白化粧土で笹に降り積もる雪を表現した雅な筒茶碗です。
それがバラバラに割れてしまっていました。
接着が完了したところで依頼されたご友人に仕上げの意向を確認した
ところ、目立たないようにとのお話が出ました。
これはTさんの丁寧な作業で想像以上に綺麗に形が復元されたので、
当初のとにかくくっつけばとのお考えから、このようなご意向になったの
だと思います。
そこでグレーが強い地の部分は白金泥(プラチナ)、鉄釉の笹の部分は
薫銀泥とされました。
シルバー色というと銀泥がスタンダードですが、後々硫化して黒へと変色
していきます。
返却するものの場合、硫化が向かないことがありますので、その場合には
プラチナ一択になります。
個人的には金泥を使って割れの線の面白さを見せてもいいのではないかと
思うのですが、持ち主の方の反応をお聞きするのが楽しみです。