レリーフのある器

カルチャープラザ公津の杜のIさんの作品をご紹介致します。
飛び鉋風のレリーフがあるフリーカップの割れです。


縁が小さい破片で割れていました。
接着しても破片の周囲に欠損があったので、それを埋められました。

意外に大変だったのがレリーフの再現です。
飛び鉋風のレリーフが続いているのですが、これを再現するのが大変
でした。

大小関わらずレリーフのついている器はその形の再現をお勧めしています。
もちろん無視して仕上げることは可能ですが、丁寧に再現して頂くと
破損部分が馴染み、違和感がありません。

それなりの手間がかかるので取り組むかどうか悩まれると思いますが、
完成度の高さは保証します。

Iさんの作品も金繕いの部分は小さいですが、ドーナツ型の難しい仕上げも
乗り越えて綺麗な仕上げになっていると思います。


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草木染め 蘇芳

紫色を染めたくて、蘇芳染めにチャレンジしました。
蘇芳はインド〜マレー半島原産のマメ科の小高木です。
その芯材を細かく砕いたものが、草木染め材料として販売されて
います。


不織布の袋に入れて煮出します。
赤ワインのような染液が取れました。

一番右に写っているのが蘇芳のみで染めたシルクです。
あらかじめ玉ねぎの皮で黄色に染めたものとかけ合わせると一番左の
オレンジ色になりました。

狙いの紫がどうなったかというと、渋い紫に染め上がりました。
先日の生藍染めの青との掛け合わせです。
4枚染めてから投入したので、蘇芳の効果が薄かったかもしれません。

蘇芳は乾燥させておけば再利用が可能とのことなので、また生藍染め
との掛け合わせにチャレンジしてみたいと思います。

ちょっとビックリな仕上がりになったのが、これ。
先日、生藍染めで紺と白のストライプに染まっていたのが、蘇芳を
かけたら茶とピンクになってしまいました。
これはこれで面白いかなと自己満足。

経験が少ないので何が起こるかわからず手探りでやっています。
金繕いと違い、やり直しが効かないところはスリリングですね。


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トクサの脇芽

トクサは傷が付くと、脇芽が出る性質があります。

今年は風が強い日が多かったせいか、例年より脇芽が多いようです。

脇芽が出ると本数が増えてお得な感じがするかもしれませんが、これは
決して太くなることはありません。
私は元々のものがしっかり育って欲しいので、脇芽が出ると取ってしまいます。

ただ道具として使う場合に問題にはなりませんので、お好みの育て方で
良いかと思います。


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陶器の金繕い

港北カルチャーセンターのTさんの作品をご紹介致します。
陶器の金繕い2点です。


縁が一周、ボロボロに欠けていました。
まず器自体の使用上の汚れをしっかり取るところから始まり、欠損を丁寧
に埋めていかれました。
器の形が戻ったところで銀泥で仕上げられています。

磁器と違って陶器は形が曖昧な場合があります。
その際は残っている部分と違和感がなければヨシとするのがいいと
思います。
この塩梅がなかなか難しいところではありますが、Tさんの作品のように
欠損の範囲が大きいと試行錯誤するしかないと考えています。


もう1点は先の器より形がはっきりしています。
鉄釉の斑紋に合わせて薫銀泥で仕上げられています。
拡大の画像でもわかりにくいと思いますが、右寄りの縁に欠けがあります。

2点ともTさんのしっかりした下地作りがあってこその美しい仕上げに
なっています。
是非参考になさって下さい。


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突然!生藍染め2020 その2

先般、ピラティスのレッスンを受けているMidori先生から藍の葉を
頂いて、思いがけず生藍染めが出来た話をアップしました。

また藍が育ったとのことで葉を頂き、2回目の生藍染めが出来ました。

今回の趣旨は紫色を染める為、淡く青を染めておくつもりでした。
しかし思ったより濃く染まっています。

淡く染める為に染液に浸す時間を短くしたのですが、どうやら出だしで
染まる色が決まるのか、画像の左右で浸す時間が倍ほど違うのに
全く同じ感じです。
淡く染めたい場合は葉の量を減らすのが正解だったのかもしれません。
これもいい教訓と考えることにします。

もう1点はシルクとレーヨンがストライプで入っているストール生地
です。
レーヨンが生藍では染まらないので、しっかりストライプが出ます。
元々シルクの色が生成りなので、紺色気味に染まるのは織り込み済み。
これも赤系の色を染めて、変化を見るつもりです。

あとは赤系の染め具合で変化が出る予定。
お盆休みの晴天の日を狙います。


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トクサの移動

南向きのベランダはかなりの暑さになり、昨年は順調に生育していた
トクサが一気に枯れてしまったので、今年は北側のベランダに移動
してみました。

梅雨明け1週間前のことです。
植物は環境が変わるのを好まない場合があるので、上手く行ってくれれば
いいのですが。
あとは水やりを欠かさないことでしょうか。

頼む!トクサ!!


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X型のひび

NHK学園市川オープンスクールのAさんの作品をご紹介します。
珍しいX型のひびでした。

欠損は人為的には叶わない美を作り出すこともありますが、Aさんの器では
違和感しかありませんでした。
そこで何かプラスで蒔絵をしてみたら如何ですかとオススメしたところ、
元々入っていた弁柄色の線状の柄と馴染むような植物柄を蒔絵されました。
見事、X型のひびの存在感を消しています。

こちらはもう1本入っていた縦のひびです。
硬さが見られるので、再度やり直しをされるとのこと。
どんな形になるのか、楽しみにしています。


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拭き漆で塗り直し

木製のスプーンを拭き漆で塗り直していたものが完成しました。



塗り直し始めた当初は先にウレタン塗装が剥げていた部分が濃くなったりして
いましたが、それも解消。
ツヤが出るまで5回以上塗り重ねたので、終了としました。

箸など木製品をお使いの方は多いと思います。
痛んでいたら早めに塗り直しをするのが長く使い続けられるコツです。
手順さえ覚えてしまえば簡単なので、早々にご確認下さい。


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美しい形

藤那海工房 本漆クラスのTさんの作品をご紹介します。
大振りのお茶碗の欠けの金繕いです。



Tさんは形の復元をする作り込みがとても上手な方です。
こうあるべきという理想の形にしっかり復元できているので、仕上げを
しても完成度が高いのです。

これはご本人の完璧な形にしたいというお気持ちが強いからだと思い
ますが、時間がかかる金繕いの作業の中でモチベーションを維持するのは
大変なことです。

渋い銀丸粉の直しが白化粧土の釉薬ととても合っていて、美しい作品になり
ました。
作業中の他の作品もしっかり形が作り込まれているので、完成が楽しみです。


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復活した1日講座

NHK文化センター千葉教室で5月に計画していた1日講座が
復活しました。

金繕いの発祥、歴史、実際の作業についてお話しする講演会です。

会場のキャパシティーの1/3までに人数制限をするなど、感染症対策を
万全にして開催致します。
ご不安のある方もおられるかと思いますが、お出で頂けたら幸いです。

9月30日水曜日 午前10:30〜12:00

詳細はNHK文化センター千葉教室までお問い合わせ下さい。


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