NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
マグカップの割れとひびの金繕いです。
釉薬の雰囲気があるマグカップが割れた上にひびもたくさん入っていて
かなり満身創痍な感じだったのですが、仕上げに人工的に硫化させている
銀泥をお使いになったところ、渋さが際立つ作品になりました。
この作品を見て頂くとかなり破損してしまった器でも金繕いすると全く違う
器に変わることがお分かりになるかと思います。
是非諦めずに金繕いにチャレンジして頂ければ嬉しいです。
NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
マグカップの割れとひびの金繕いです。
釉薬の雰囲気があるマグカップが割れた上にひびもたくさん入っていて
かなり満身創痍な感じだったのですが、仕上げに人工的に硫化させている
銀泥をお使いになったところ、渋さが際立つ作品になりました。
この作品を見て頂くとかなり破損してしまった器でも金繕いすると全く違う
器に変わることがお分かりになるかと思います。
是非諦めずに金繕いにチャレンジして頂ければ嬉しいです。
展覧会に出かけると気になるのが図録の重さです。
先日出かけた鳥獣戯画展の図録もA4版で厚さ3.5cm、重さは約1.7kg
ありました。
従前の東京国立博物館の展覧会では宅急便の出張所があったようにも
思いますが、今回は確認せず根性で持ち帰りました。
館内で並んでいる時、後ろにいた女性が図録を購入したいが重いからと
嘆いていたところ、同伴のお子さんと思われる若い女性が私が持つから
購入すればと優しく勧めておられました。
いい話です(涙)
どんな展覧会でも図録を購入する訳ではありませんが、今回は購入すると
決めている場合は郵便局のレターパックプラス(A4サイズ、4kgまでOK
¥520)でも持って行こうかと企んでいます。
購入したら封入して近隣のポストに投函するという作戦ですね。
展覧会を主催する方は図録もいいものにしようとお考えなのはわかります。
でも持ち帰りのことを考えるという視点もあってもいいのではないでしょうか。
情報
東京都の緊急事態宣言発出で鳥獣戯画展は閉館になることになりました。
既に予約された分は払い戻しになるようです。
簡単に展覧出来ない内容なだけに早めの再開が待たれます。
NHK文化センター柏教室のSさんご夫妻の作品をご紹介します。
センスある器に素晴らしい仕上げで度々ご紹介させて頂いています。
綺麗な逆台形型をした小鉢の割れです。
鳥脚状に割れていたものを接着し、金泥で仕上げられました。
画像ではわかりにくいのですが、器の表面に溝があり、釉薬もランダムな
凸凹があります。
これらに対応して欠損を埋めてから仕上げなのですが、表面に凸凹がある
仕上げは大変です。
それを美しい細線で仕上げられたのが、器の形、釉薬に映えて大変完成度の
高い作品になりました。
金繕いの仕上げは細い線でなくても構わないとご説明していますが、この
作品のように器に合っていると、この細線でなければと思います。
Sさんご夫妻は漆器の繕いにもチャレンジされています。
こちらも完成を楽しみにしています。
現在、東京国立博物館で行われている「特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて」
を見てきました。
時節柄、事前予約が必須です。
今回の展覧会では甲・乙・丙・丁の全4巻の全場面を会期を通じて
一挙に公開されます。
かつて4巻から分かれた断簡、原本から失われた場面を留める模本の
展示もあり、まさに全てが堪能出来る内容になっています。
作者はもとより、まだまだ解明されていない部分が多い鳥獣戯画ですが、
複数人で描かれ、制作年代も幅広いことがわかっています。
実物を見ると墨の濃さ、筆の勢いがわかって、拝見の価値ありと感じ
ました。
動物を擬人化するという着想は確かに面白いですし、生き生きとした
筆致は製作者が楽しんで描いている様が浮かぶようです。
しみじみ思ったのが筆という道具の万能さです。
細い線から太い線、しっかり塗りつぶすことも可能ですし、かすれた感じ
も出せます。
これを墨色1色で多彩に変化させるのです。
会場の様子ですが、事前予約で人数を制限しているので、ある程度混雑は
抑えられています。
一番著名な甲巻は直前に長い列ができているものの、動く歩道で立ち止まる
ことなく見学させることで、しっかり細部まで見ることが出来ます。
しかし乙・丙・丁巻では1列目で見ようとすると並んで待つ状態です。
可能ならば2列目から人の間を縫って見る方が効率がいいと思います。
都内は近日中に再度、緊急事態宣言が出される可能性が高まっています。
見学を考えておられる方は最新情報を確認して予約なさって下さい。
NHK文化センターさいたまアリーナ教室のOさんの作品をご紹介
致します。
マグカップの把手の割れです。
形、釉薬をご覧になってお分かりになるかと思いますが、海外の作家
さんの作品です。
こちらが本体を含めて把手上部と下部根元が割れてしまっていました。
このような割れ方の場合、私共では糸を巻く補強をお勧めしています。
カップ部の真ん中より上に膨らんだ金の線が見えるかと思いますが、
この部分に糸が巻かれています。
糸を巻くと樽にはまったタガのような役目を果たして再破損を防ぎます。
糸の種類は何がいいのか、どのように巻けばいいのかなど、作業は
単純ではありません。
該当する破損のものをお持ちになった場合、詳細にご相談してから
取り組んで頂いております。
Oさんは作業の手際がよく、丁寧な仕事をされる方なので、完成した
状態も糸が巻かれているとはわからないかと思います。
アート感覚の釉薬の中に金線が入ることで新たな魅力が加わった
作品になったのではないでしょうか。
今年の春は桜といい、花の開花が早いようです。
先日、花活けのお稽古で使った芍薬も本来は5月の花です。
一重の和芍薬は赤紫色が鮮やかで、白のモッコウバラとの合わせが美しい
花活けになりました。
お稽古のタイミングで金繕いの教室にいらっしゃる方の中には我が家には
「いつも花がない」とおっしゃる方もおられます。
時々ブログにも紹介しているので気が付かれたかもしれませんが、実は
11年以上、千家古流の花活けのお稽古をしています。
とてもとても全景をお見せするほどの腕前ではないので、いつも部分の
画像で誤魔化していますが(笑)
先日の柏教室は家庭の事情で急遽お休みを頂いてしまいました。
ご受講の皆様には本当にご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
明日のユーカリが丘教室から復活致します。
どうぞ宜しくお願い致します。
先般、雑誌「暮らしの手帖」の思い出をブログに書いたところ、
金繕い教室に来て下さっている方から「花森安治のデザイン」という
本を頂戴しました。
10年前に出版されたものですが、生誕100年を記念して表紙原画、
書籍装丁、カット、手書き文字など約300点が掲載されたものです。
その多種多様な表現方法にページをめくるたびにワクワクします。
やはり真骨頂はわざとパースを外した歪みでしょうか。
デザインを学んだものとしてハッとしたのが、新聞広告の版下です。
印刷のための原稿なので、関係者でなければ目にすることはないものです。
今ならパソコンの画面で簡単に変更が可能ですが、この時代は写植を切り
抜き、手書き文字を添え、ミリ単位で検討したと思われます。
そこにこれでしかありえないというレイアウトを突き詰めて求められたで
あろう痕跡が見えます。
巻末に花森氏と共に「暮らしの手帖」を創刊した大橋氏の文章があります。
表紙の絵を描く際の花森氏の様子を伝えたものですが、表紙として出来が
よくなかった時、大橋氏の様子を見て察し、描き直していたそうです。
稀代の編集者・花森安治の葛藤振りを見ますと、凡人の私なぞの葛藤は
まだまだという気持ちになりました。
新年度が始まりました。
コロナ対策はしっかりしつつ、新しく金繕い始める方をお迎えして
います。
これからでもお申し込みが間に合うカルチャーセンターの教室を
ご案内いたします。
カルチャープラザ公津の杜 毎月第1月曜日 10:30-12:30/13:30-15:30
(5月31日月曜日からスタート)
NHK文化センター
さいたまアリーナ教室 毎月第4月曜日 13:00-15:00/15:30-17:30
横浜教室 毎月第4水曜日 10:30-12:30/13:30-15:30
なお私個人が主宰している藤那海工房の金繕い教室につきましては、コンタクト
のページからお問い合わせ下さい。
昨年から、おうち時間を充実させるものとして金繕い(金継ぎ)が注目を集めて
いるようです。
新年度からチャレンジしてみませんか?
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
急須の蓋の補強です。
以前からご紹介していますが、急須の蓋は使用頻度が高い分、割れてしまう
ことも多い品です。
問題は熱がかかること、持って移動することなどから和紙による補強を
お勧めしています。
Hさんの場合、白化粧土の表面は接着の接合線通りに仕上げ、裏面は三日月
形に補強して仕上げられました。
仕上げの色は柏教室で流行っている「薫銀泥」という人工的に硫化させている
色です。
裏面には馴染み、表面では適度なアクセントになりました。
各教室で補強をされている方がおられますが、特に裏面の磨き上げずに釉薬の
凸凹に合わせた塩梅を参考にして頂きたいです。
NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
磁器の片口のひびの金繕いです。
片口という形で磁器製というのは少し珍しいと思います。
磁器といっても揺らぎのある形で温かみがある魅力的な器です。
こちらにひびが入っていたのですが、底面に近づいたところで二股に
分かれています。
これは厚みがあるところでひびが入る力が分散したからで珍しいことでは
ありません。
Mさんが疑問に思われたのが内外で二股に分かれた形が違うことです。
これも理由をご説明して納得して頂きました。
理由は車が曲がる時の内輪差みたいなものなのです。
厚みが増える分、内側と外側のカーブに違いが出てきます。
それで形も変わってくるのです。
傷の形が違うので内外で形を合わせることは出来ません。
傷なりに仕上げて頂くのが一番自然だと思います。
Mさんは作業が丁寧な方で、今まで何回もその作品をご紹介させて頂いて
います。
今回の仕上げも全く問題なしに綺麗な仕上げになっています。
この片口も早速食卓に復活されていることかと思います。