呼び継ぎにチャレンジ

藤那海工房 土曜日クラスのSさんの作品をご紹介します。
飯茶碗の呼び継ぎです。


呼び継ぎとは金繕いの技法の一つで、共継ぎと呼ばれる元々同じ
器の破片を使うのではなく、全く別の器の破片を欠損部に入れる
接着方法を指します。

Sさんの作品の場合、陶器の飯茶碗に敢えて磁器の破片を入れています。
その結果、本体と入れた破片の厚みが随分違いましたので、主に内側
でその差を調整しています。(内側の接合線が太くなる)

金繕いを習っている方々からすると「いつかは呼び継ぎ」というくらい
憧れの手法です。
というのも呼び継ぎを行うには
1.ある程度欠損のある本体
2.欠損部を埋める破片
が必要になるからです。

特に2.の欠損を埋める破片は意匠性も重要になってきますので、より
ハードルが上がります。

やってみたい、とお考えの方は、上記の2点に該当する器集めから
始めてみてはいかがでしょう?
集め方については、教室でご相談にのっております。


カテゴリー: 基本のき, 生徒さんの作品 |

2024年 第1回+第2〜3回 草木染め

今年行った草木染め講座の2回目と3回目の様子をお知らせ
します。
全てご参加の方々の作品です。


ピンクの絞り染めがあった帯揚げをやしゃぶしの鉄媒染で渋く


輪ゴムで縛っただけの簡単絞り染め
意図しない柄に染まるのが楽しみ


第2回目の方々 綿や竹の素材もしっかり染まりました


変色してしまった白いブラウスを玉ねぎの鉄媒染で渋く変身



第3回の方々 蘇芳、玉ねぎの鉄媒染で渋くしたものが好評

ご参加の方にはお手持ちのものを染め直して蘇らせて頂いたり、新しい
白生地をお好みの色に染めたりと楽しんで頂きました。

実は2回目までは順調だった藍が記録的な酷暑で枯れてしまって、3回目
にはわずか5gの葉で1回だけという事態に。
来年は涼しくなるという保証はないので、酷暑対策をどうしたものかと
悩んでいます。

とはいえ来年もチャレンジする予定です。


カテゴリー: 展覧会•イベント, 植物•スケッチ |

2024年10月からの教室

まだ申し込みが間に合う2024年10月から受講可能な教室をご案内
致します。

●港北カルチャー 毎月第1土曜日 13:00~15:00 10月5日初日
●ユーカリが丘  毎月第3月曜日 10:15~12:15/13:00~15:00
10月21日初日
●NHK文化センター柏 毎月第3日曜日 10:00~12:00/13:00~15:00
10月27日初日
●NHK文化センターさいたまアリーナ
毎月第4月曜日 13:00~15:00/15:30~17:30
●藤那海工房 西登戸教室
毎月第2水曜日 14:30~16:30   開始日随時

西登戸教室以外のカルチャーセンターの教室はそれぞれの教室に
お問い合わせ下さい。

ようやく秋らしく涼しくなったところで金繕いにチャレンジしてみませんか?
お申し込みをお待ちしております。


カテゴリー: お知らせ |

美しい曲線

港北カルチャーセンターのFさんの作品をご紹介致します。
大鉢の割れの金繕いです。


角が割れてしまったのを接着し金泥で仕上げられました。

この仕上げのラインが元々の絵付けである房つきの紐のラインと
呼応してとても美しいのです。

こういった美しさがある場合は更に蒔絵するなどプラスする必要は
ないと考えています。
本来は破損した傷なのですが、人智の及ばない美しさあるのが
金繕いの醍醐味です。
ご堪能下さい。


カテゴリー: 生徒さんの作品 |

難しい復元

NHK文化センター柏教室のTさんの作品をご紹介します。
急須蓋のつまみの金繕いです。


目立たないように薫銀泥で仕上げられているので、画像では
わかりにくいと思いますが、つまみの2/3位が破損して失われて
いました。

この急須は柏駅近くのショップで取り扱いのある作家さん物の急須で
過去から数えて拝見するのは3個目になります。
りんごのヘタのように見えるつまみが愛らしい素敵な急須で、この
つまみは空気穴も兼ねています。

たまたま同じクラスに大きさ違いの急須を直しにお持ちになった方が
おられて、形がわかったので作業の手掛かりになりました。

コツコツと根気よく形を復元されたので、作家さんのオリジナルに
極めて近い完成度になっているかと思います。

金繕いは元々の作り手へのリスペクトでもあると思います。
殊に今回のような個性的な形だと苦労も伴いますが、完成した時の
満足度もひとしおだと思います。


カテゴリー: 生徒さんの作品 |

和敬塾本館見学

目白にある旧細川侯爵邸である和敬塾本館を見学して来ました。



(内部の画像はSNSで公開NGなので、頂いたパンフレット、葉書で)

旧細川侯爵邸は昭和11年、細川護立侯の自邸として建築されました。
イギリスのチューダー・ゴシック様式を基調とする洋風建築ですが、
内部には和室や東洋風のインテリアも併せ持つ自由な折衷様式の華族
邸宅建築です。

細川護立侯自身はわずか9年しか居住出来ず、戦後はオランダに接収
されます。
この時にダイニングルームがシャワー室に、つなぎの和室が壁を立てて
二間に改造されたりしてしまいますが、現在は創建当時に極力近づけて
公開されています。
(貴重な壁材なども触ってOKなのは嬉しい!)

特徴的なのは華麗なインテリアでありながら“もしも”の場合に備えて
各部屋が必ず2方向避難が可能なように設計されていることです。
これは二二六事件の直後に設計された影響ではないかと思われます。

毎年5月から12月の月2回、原則木曜日にあらかじめ申込の上、
見学が出来るようになっています。
案内人の丸山さん(男性)の語り口が軽妙で、1時間20分とは思えない
くらい楽しい見学会でした。

恐らく年内の見学は一杯だと思います。
毎年1月中旬くらいにその年の見学日が公開になりますので、是非
細川護立侯好みの個性的なインテリアを堪能して頂きたいと思い
ます。


カテゴリー: 展覧会•イベント, 日常の風景 |

着彩する

NHK文化センター柏教室のYさんの作品をご紹介致します。
絵付けが美しいお皿の割れです。


金泥で仕上げた線が美しい絵を横切っているのが痛々しい感じに
なってしまったので、金泥の上から色漆で着彩して頂きました。

この手法は度々ご紹介していますが、このように絵付けを横切って
いる破損の場合にはとても有効な方法だと考えています。

該当する器をお持ちの方は是非チャレンジしてみて下さい。


カテゴリー: 生徒さんの作品 |

銀泥の渋い硫化

藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
急須の蓋の欠けを銀泥で仕上げられたのが、いい具合に硫化
したのを拝見致しました。


渋い金色に変化しています。
面白いのが縁の硫化が進んでいて、すでに黒くなっているところ
です。

銀泥はシャンパンゴールド、ピンクゴールド、青紫、黒と変化して
行きますが、その時間経過はご自宅の状況で違います。

今回、Oさんは急須自体の釉薬にマッチしていると現状での色止め
(硫化を極めて遅くし現状の色で止める方法)を行われました。

いずれにしろ変化の様子を時間経過と共にお楽しみ下さい。


カテゴリー: 基本のき, 生徒さんの作品 |

藤那海工房 新うるしクラスの募集

私個人の金繕い教室、藤那海工房 新うるしクラスの募集を
行なっています。

募集のクラスは
毎月第1木曜日 13:00〜15:00
です。
詳細はHPの教室案内のページをご覧下さい。

暑さも落ち着いてきたところで金繕いを始めてみませんか?
ご連絡をお待ちしております。


カテゴリー: お知らせ |

オンデマンド「金繕いの世界」再配信

2020年に行った内容が好評につき再配信になりました。

金繕いの発祥から追う歴史と実際の作業工程をふんだんに画像を
使って説明しています。
特に金繕いを始めたばかりの方や始めてみようという方には
最適な内容になっております。
お申し込みをお待ちしております。

あらかじめHPから登録を行い、支払い決済後30日間視聴可能です。
NHK文化センター千葉


カテゴリー: お知らせ, 展覧会•イベント |