必要があって久しぶりに学生時代に課題で縫った浴衣を押入れの
中から出しました。
帯の説明書きを見て思わず「昭和だ…」
思いっきり昭和生まれの私としては最近の昭和ブームというのを
こそばゆく思っていました。
まさか自分の持ち物から昭和がやってくるとは。
でもレトロな感じ、確かにいいですね。
必要があって久しぶりに学生時代に課題で縫った浴衣を押入れの
中から出しました。
帯の説明書きを見て思わず「昭和だ…」
思いっきり昭和生まれの私としては最近の昭和ブームというのを
こそばゆく思っていました。
まさか自分の持ち物から昭和がやってくるとは。
でもレトロな感じ、確かにいいですね。
NHK文化センター千葉教室の方の作品をご紹介致します。
大鉢の割れです。
元々、備前焼の火襷のような柄が入っている大鉢です。
割れの接合したラインをそのまま金泥で仕上げられました。
金泥と焦茶色の釉薬とのマッチングもいいのですが、やはり元々の
柄に対して割れのラインが絶妙なのが素晴らしいと思います。
近年、欧米でも金繕いの人気が高まっていますが、この自然の割れの
ラインの絶妙さが一つの理由ではないかと思います。
人間が造形し得ない自然の線。
窯キズを「神様の成せる技」と言いますが、割れの線も人間の手の及ばない
ものを感じます。
産経学園ユーカリが丘教室のTさんの作品をご紹介致します。
大皿の割れです。
一辺が25cmほどの大皿です。
厚みもあるお皿がかなりバラバラに割れてしまっていました。
これを「のりうるし」で接着され、細かい欠損を丁寧に埋めて銀泥で
仕上げられました。
実はこのお皿は一旦、ゴミ箱に入れて処分される予定でした。
しかし思い直したTさんは箱の中から拾い上げて金繕いなさったのです。
途中の工程は大変だったかと思いますが、複雑に入った割れのラインが
面白く、素敵な作品になりました。
銀泥がいずれ硫化して、画像の様子から変化するのも楽しみです。
器が割れてしまうと処分されてしまう方がほとんどです。
でもかなりバラバラでも復活します。
金繕いで新しい魅力を見つけてみませんか?
先日のブログで紋様を使うことは紋様の力をもらうこと、という
記事を書きました。
今回はその紋様繋がりで、横浜山手西洋館の一つ、ベーリックホール
から紋様をご紹介致します。
建築主のベリック氏の執務室でもあったと言われるリビングルームの
暖炉にあるレリーフです。
これをご覧になった見学者の方から「菊の御紋がある。日本の皇室と
関係があるのでは?」との感想が多く聞かれます。
しかしこれは菊の御紋ではありません。
西洋建築ではよくみられる「ロゼッタ紋様」といいます。
「ロゼッタ」というと薔薇をイメージされるかと思いますが、薔薇に限定
されたものではなく「お花模様」と訳すのが適当かと思われます。
ちなみに皇室の菊の御紋の元になった菊は一般によく見る種類の菊では
ありません。
しかし一目で菊の御紋に通じる形をしています。
紋様の成り立ちはとても興味深く、世界を旅して日本にたどり着いて
いるケースもあります。
まだまだ勉強中ですが、さらに知識を深めたいと思っています。
産経学園ユーカリが丘教室のNさんの作品をご紹介致します。
マグカップの取手です。
特にご覧頂きたいのが下方の仕上げです。
通常の金属粉ではなく弁柄漆で仕上げられました。
当初は元々、マグカップ本体に描かれている蔦紋様のように長く
あしらう予定でした。
しかし試行錯誤の結果、蔦紋様のニュアンスを感じる最低限の漆絵に
なりました。
Nさんの試行錯誤で分かったのは「シンプル イズ ベスト」という
ことです。
これだけ少ない手数でも蔦網様を意識しているとわかると思います。
ぜひご参考になさって下さい。
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
マグカップの欠けです。
髭のように伸びるひびを素敵に蒔絵されました。
今回の欠損は縁をぶつけてしまった時に起こったもので、もう少し
衝撃が強ければ破片が落ちていたと思われます。
それが落ちずに残ったのですが、周囲に髭のようにつながったひびが
出てしまいました。
この形は完全に欠けとなった場合でもよくある破損で、どのように
仕上げるか皆様悩まれるところです。
Hさんはマグカップ表面のタコ唐草紋様を上手く利用してひびの部分にも
蒔絵されました。
常に同じ方法が取れるとは限りませんが、同様の欠損に悩まれている
方には一つの解答を示していると思います。
似たような欠損で苦慮している方は是非参考になさって下さい。
前回に引き続きカルチャープラザ公津の杜教室のMさんの作品です。
小鉢の割れを金繕いされました。
破片を接着後、細かに割れてしまった範囲を薫銀泥で全面仕上げられ、
その上から唐草紋様を蒔絵されました。
細かに割れた部分をそのまま仕上げられると、神経質な感じに見えていた
かと思われますが、一定の範囲をまとめて仕上げられたことでスッキリした
仕上がりになっています。
その分、大きな面積になってしまったのを蒔絵で装飾されました。
唐草紋様を始め、吉祥紋様と呼ばれる長く培われた紋様は多数存在します。
それぞれ意味があり、使用する際にはそれを踏まえて使うべきだと思います。
紋様を使うのは単なる装飾ではありません。
紋様の持つ力を貰うことでもあります。
選ぶ時にはそのことを思い起こして、ご検討下さい。
カルチャープラザ公津の杜教室のMさんの作品をご紹介致します。
自然釉の徳利の割れです。
口縁の難しいところが細かく割れてしまったのを接着され、欠損している
部分も自然に補われています。
仕上げの金泥も自然釉に馴染んで、美しい作品になりました。
ランダムな陶器の肌は繊細な磁器ほど綺麗にならさなくてもいいですと
ご説明しています。
その反面、どこまで作業すればいいのか迷ってしまう方もおられます。
簡単に言えば周囲と違和感なく繋がっていればいいのですが、どの程度か
と悩まれるかと思います。
そういう方にはMさんの作品は参考になるかと思いますので、細部まで
じっくりご覧下さい。
9月7日水曜日に開催予定の「金継ぎ技法で作る箸置き・アクセサリー
作り」のイベント向けにセットを作りました。
これをそのまま使われてもいいですし、一部をお好みのパーツに
入れ替えても構わない簡単セットです。
特に初めて参加する方はパーツ選びに迷ってしまうかもしれません。
個数に限りがありますが、ご検討下さい。
イベントは
9月7日(水) 10:00〜12:00/13:00〜15:00
お問い合わせ&お申し込みはトライラボさんまで。
070-5569-7908
NHK学園市川オープンスクールのSさんの作品をご紹介致します。
一輪差しの割れです。
鶴首と言われる優美な形の一輪差しをお持ちの方は多いと思います。
残念ながらその首が割れやすいのも事実です。
割れてしまった首を接着するのは当然ですが、あえて外してしまう方
もおられます。
Sさんは折れてしまった部分を平らにならして、そこを金箔のクズで
仕上げられました。
下地の赤い漆が透けて見えるところが、より鮮やかに見せています。
画像では分かりにくいのですが、内部も赤漆で塗られています。
割れてしまった形をそのまま生かすという発想はあるかと思いますが、
その形が美しいかどうかというのは冷静に考える必要があります。
Sさんの一輪尺の場合、そのバランスも良かったということで、
面白い作品になったかと思います。