月別アーカイブ: 2025年3月

角鉢の割れ

産経学園ユーカリが丘校のSさんの作品をご紹介致します。
作家物の大きな角鉢の割れです。



30cm角くらいの大きな角鉢です。
立ち上がりの1辺の一部が割れていました。

立ち上がりがある四角形の器にはありがちなのですが、割れた時に
変形してしまっており、破片がピッタリ収まらなくなっていました。
それを中庸を取る感じで接着し、隙間が出来てしまったところは
埋めて納めて頂きました。

仕上げは元々弁柄色の釉薬に陶芸用の金箔を貼り、ダイナミックな
波濤の絵が描かれていましたので、それと違和感がないように
仕上げて頂きました。

具体的には内側コーナー部分は弁柄漆での仕上げとし、表の割れの
接合線は金泥仕上げとされました。
作家さんオリジナルのダイナミックな絵付けを損なうことなく
仕上げが出来たと思います。
臨機応変に手段を変化させるのも金繕いの醍醐味という好例と
なりました。


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畠山美術館 琳派から近代洋画へ

改築工事で休館していた畠山美術館の開館記念展の第2弾
「琳派から近代洋画へ」を拝見して来ました。


今回の展覧会には畠山美術館が誇る琳派の歴史を彩る名品が展示
されますが、中でも私が拝見したかったのが本阿弥光悦の赤楽
茶碗 銘「雪峯」です。

なだれるように掛けられた白釉を山嶺に振る積もる白雪に、火割れ
を雪解けの渓流になぞらえて光悦自ら命名したと伝えられています。

最大幅1.2cm、深さ5mmの深い金繕いが印象的ですが、歴史的に
見て金で仕上げられた最初の器と言われています。

今回の展示は360度拝見できたので分かったのですが、大きな溝が
ある右側面もかなり複雑に金繕いされていたのです。
満身創痍の器ですが、エポックメーキングな作品としての堂々たる
品格は素晴らしいものがあります。

会期末が3月16日日曜日と迫っていますが、ご都合をつけてご覧に
なるのをお勧めします。
入館は完全予約制、ミュージアムショップも含めて支払いはキャッシュ
レスですのでご注意下さい。
(ロッカーの小銭100円がなかったのですが、受付で貸して下さる
という徹底振りです。)


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2025年4月から始められる講座

2025年4月から始められるカルチャーセンターの講座を
ご案内致します。

・港北カルチャーセンター 毎月第1土曜日 13:00~15:00
・産経学園ユーカリが丘 毎月第3月曜日 10:15~12:15/13~15
・NHK文化センターさいたま 毎月第4月 13~15/15:30~17:30
・NHK文化センター千葉 毎月第4水曜日 13:30~15:30
・NHK文化センター柏 毎月第4日曜日 13:00~15:00

◯キャンセル待ち承り中
・カルチャープラザ公津の杜 毎月第1月曜日 10:30~12:30
・NHK学園市川オープンスクール 毎月第1金 13~/15:30~
・JEUGIA八千代緑が丘 毎月第2金曜日 10:00~12:00
・NHK文化センター千葉 毎月第2火曜日 10:00~/13:00~
・NHK学園市川オープンスクール 毎月第2金 15:30~
・NHK文化センター柏 毎月第3金曜日 13:00~15:00
・NHK文化センター千葉 毎月第4木曜日 10:00~/13:00~

新しいことを始めるにふさわしい春です。
日本文化に触れられる金繕いを始めてみませんか?


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