月別アーカイブ: 2024年10月

花器の金繕い

私が金繕いを承った花器をご紹介します。
象嵌で繊細な柄を入れたものですが、縁周辺が割れてしまって
いました。



破片を接着後、欠損部分を埋めました。
仕上げは縁に金彩が入っているので、基本的に金泥を使用。
縁下の染付部分のみ薫銀泥を使いました。
その結果、程よく馴染んだのではないでしょうか。

この花器は持ち主の方が作家さんにオーダーして作って貰った
ものとお聞きしております。
唯一無二のものとして完成した姿を気に入って下さっていれば
嬉しいです。


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金が馴染む

藤那海工房 金繕い教室のTさんの作品をご紹介します。
お抹茶茶碗の割れです。


オレンジ色の枇杷釉に白抜きで雪輪文様が入っている優美な抹茶
茶碗が鳥脚様に割れていました。
周囲に欠損も多かったのですが、これを根気よく埋められて金泥で
仕上げておられます。
枇杷釉と金泥の馴染みがよく、目立ち過ぎず存在感があるのは金泥
ならでは。

Oさんの作品は度々紹介させて頂いておりますが、とても丁寧な作業を
される方です。
その手で作られる美しい下地があってこその美しい仕上がりをご覧
下さい。

「この程度でいいんです。」と諦めがちな方には是非参考にして頂き
たいと思います。


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シー陶器・シーグラス 箸置き・アクセサリー作り2024

随分時間が経ってしまったのですが、今年3月に行ったシー陶器・
シーグラスで作るアクセサリー作りのご報告です。


こうして並べてみると、ご参加の皆様それぞれで大変面白い作品が
完成していると思います。

相応の時間がかかる金繕いと違い、1日のワークショップで完成する
のも魅力だと考えています。

とはいえじっくり取り組むのが性に合うので、もう行わない予定?


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呼び継ぎにチャレンジ

藤那海工房 土曜日クラスのSさんの作品をご紹介します。
飯茶碗の呼び継ぎです。


呼び継ぎとは金繕いの技法の一つで、共継ぎと呼ばれる元々同じ
器の破片を使うのではなく、全く別の器の破片を欠損部に入れる
接着方法を指します。

Sさんの作品の場合、陶器の飯茶碗に敢えて磁器の破片を入れています。
その結果、本体と入れた破片の厚みが随分違いましたので、主に内側
でその差を調整しています。(内側の接合線が太くなる)

金繕いを習っている方々からすると「いつかは呼び継ぎ」というくらい
憧れの手法です。
というのも呼び継ぎを行うには
1.ある程度欠損のある本体
2.欠損部を埋める破片
が必要になるからです。

特に2.の欠損を埋める破片は意匠性も重要になってきますので、より
ハードルが上がります。

やってみたい、とお考えの方は、上記の2点に該当する器集めから
始めてみてはいかがでしょう?
集め方については、教室でご相談にのっております。


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2024年 第1回+第2〜3回 草木染め

今年行った草木染め講座の2回目と3回目の様子をお知らせ
します。
全てご参加の方々の作品です。


ピンクの絞り染めがあった帯揚げをやしゃぶしの鉄媒染で渋く


輪ゴムで縛っただけの簡単絞り染め
意図しない柄に染まるのが楽しみ


第2回目の方々 綿や竹の素材もしっかり染まりました


変色してしまった白いブラウスを玉ねぎの鉄媒染で渋く変身



第3回の方々 蘇芳、玉ねぎの鉄媒染で渋くしたものが好評

ご参加の方にはお手持ちのものを染め直して蘇らせて頂いたり、新しい
白生地をお好みの色に染めたりと楽しんで頂きました。

実は2回目までは順調だった藍が記録的な酷暑で枯れてしまって、3回目
にはわずか5gの葉で1回だけという事態に。
来年は涼しくなるという保証はないので、酷暑対策をどうしたものかと
悩んでいます。

とはいえ来年もチャレンジする予定です。


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