月別アーカイブ: 2023年5月

阿部 操さんの個展

NHK文化センター柏教室の生徒さんである阿部操さんの個展に
出かけました。


油絵でモダンアートを制作する阿部さんの作品は人物画、風景画、
植物画の大別されます。

私自身は絵画科の専攻ではないので、モダンアートの知識がなかった
のですが、額装しない、サインを表にしないというのが特徴だそうです。

いずれの作品も大胆なタッチで描かれていますが、色調が柔らかいので
とても心が和みます。

人物画は昨今画像を見て制作される方が多い中、きちんとモデルさんを
前にして制作されているので、柔らかい色調でありながらしっかりした
存在感があります。

ギャラリーのオーナーともう1点展示するか否かと時間をかけて議論されて
いましたが、絵画家ならではの葛藤が伺えて興味深かったです。

会期は6月4日まで
場所はワタリウム美術館近くのトキ・アートスペースです。


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窯傷の金繕い

JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室のTさんの作品をご紹介
致します。
窯傷の金繕いです。


青紫系の別素材が埋め込まれた陶器の大皿です。
縁の部分に窯傷が出来ていました。

窯傷とは焼成段階で生じたキズで、後天的に破損させたものとは異なる
形状をしています。
また人為的に生じたものではないため「神様のなせる技」として敢えて
痕跡を残すのがセオリーです。

Tさんの大皿は窯傷ではありますが、実用性を考えて直しの手法は窯傷
ならではの方法で直しましたが、きっちり埋めて仕上げをすることに
しました。

迷われたのがその仕上げです。
当初弁柄色を考えておられたのですが、銀泥の仕上げに変更されました。
結果、嵌め込まれている青紫系と色が合い、まとまった雰囲気になり
ました。

銀泥はいずれ硫化して本体のグレー系に馴染むようになります。
これはこれで良いかと思います。

仕上げは使用上は不要と言い切っても差し支えないものです。
あくまでも見た目の問題ですが、ご自身が納得いくまで検討された
方がいいと思います。


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マティス展

現在、上野の東京都美術館で行われている「マティス展」に行って
きました。

マティスというと画像にあるような鮮やかな色彩と大胆な筆致を
思い浮かべる方が多いと思います。
私は晩年の切り絵の作品が殊に好きで、今回の展覧会もとても楽しみに
して出かけました。

海外の作家の展覧会というと、メディアに出る作品以外はあまりパッと
したのもがない、という残念なイメージがあるかと思いますが、今回の
マティス展は量、質共に満足のいく内容でした。

作品以上に楽しみにしていたのが、グッズです。
あらかじめネットで検索したところ、魅惑の品が満載です。
現地に行って迷いに迷った挙句、購入したのが下の画像のものです。

死蔵品になるものは購入しないと心に決めて、一筆箋とバッチを買いました。
バッチは今まで購入を考えるものではなかったのですが、生徒さんから帽子に
つけると素敵と聞いて、購入にチャレンジしてみたのです。

この他、Tシャツやエコバッグ、マスキングテープなど会場内とミュージアム
ショップの両方に素敵なものがたくさんありました。
作品の拝見と共にお楽しみ下さい。

私は平日の昼間にチケットを購入して見学に行きました。
入場時間に枠があるせいか、それほど混雑はしていませんが、そこそこ
見学の方がおられますので、空いている展示から効率良くご覧になるのを
お勧め致します。
会期は8月20日まで。


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ありのまま

藤那海工房 金繕い西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
最初は湯呑みのひびです。

貫入と言われる釉薬に微細な亀裂がある器はOさんの作品のように
貫入に沿った亀裂の入り方をします。

Oさんは忠実にそのままの形を仕上げられたのですが、これが最も
自然な形と思います。
このようなケースの場合、あえて自分なりの線で仕上げてしまうと
逆に違和感が生じることがあります。

仕上げをする際に迷われることがあるかもしれませんが、まずは
自然にそのままの形で蒔絵することをお勧め致します。

同時に仕上げて来られたOさんの作品です。
仕事が早いOさんはどんどん仕上げて来られます。




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オミナエシを蒔絵

産経学園ユーカリが丘校のTさんの作品をご紹介致します。
小皿のひびの金繕いですが、割れの線を生かしてオミナエシを
蒔絵されました。


三又に分かれる割れ方は「鳥脚」と言って、王道の形でもあります。
Tさんは当初別のものを蒔絵をすることを検討されていたのです。
そこを私からオミナエシをご提案致しました。

というのもオミナエシの枝は三又に分かれるのが特徴で、自然な
形として蒔絵が出来ます。

枝を銀泥、花を金泥で蒔絵され、少し風になびいた様子が上品な
蒔絵になりました。

何か蒔絵をされたいという方には破損の形と自然に合うものを蒔絵する
という意味でとても参考になる作品だと思います。


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藍の種を蒔く2023

今年は生藍染めを復活しようとゴールデンウィーク中に藍の
種を蒔きました。


わずか1mm程度の種ですが、これから高さ60cm、直径60cmくらいの
大きな株に育ちます。

とりあえず1つのプランターに11粒蒔きました。
10日ほどで7個芽が出ましたので、種造メーカーの60%保証は達成して
います。
12cmほどの高さに育ったところで6株選定し、プランターに定植する
予定です。

上手くいけば7月下旬には最初の生藍染めが行える予定です。
既にやってみたいという方がおられますので、お声がけして「生藍染め」
大会を行う予定です。

本業ではなくあくまでも趣味の範囲ですが、生藍の他、玉ねぎの黄色の
染色、蘇芳の赤の染色もチャレンジします。
ご興味のある方は参加希望とお知らせ下さい。


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線描きの再現

このゴールデンウィークは片付け三昧の日々を送っておりました。
その中で久しぶりに見た自分の作品です。


欠けとひびが入ったなます皿です。
金泥で仕上げたところに銀泥で元々の染付の柄を再現しています。

この作品を作った頃は老眼って何?と言わんばかりに目が良かったので、
線描きの細い線をきちんと再現しています。

今はちょっと無理かと思いますが、この方法は金繕いした箇所を悪目立ち
させないので、オススメの技法です。


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トクサ苗の販売2023

金繕いの削りの作業で大切なトクサですが、販売先が少ない為、
ご自身で育てることをお勧めしています。

近隣のホームセンターで販売しているのを見つけましたので、お知らせ
します。

見つけたのは「コーナン 市川原木店(tel 047-329-7981)」です。
ビオトープ向けの植物コーナーに置かれていました。

トクサは販売店によっては道具として使えない南洋種の「大トクサ」と
混ざって販売されている心配がありますが、こちらは日本の種類なので
安心してお求め頂けます。

遠方でご入用の方は店舗にご相談下さい。
配送の相談に乗ってくれると思います。


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花器の復活

NHK学園市川オープンスクールのYさんの作品をご紹介します。
花器の口縁が欠けてしまったのを金繕いされました。


とても味わいのある釉薬が素敵な陶器の花器です。
口縁がランダムに欠けてしまっていたのを綺麗に埋められて薫銀泥で
仕上げられました。
この薫銀泥が釉薬にとてもマッチしていて違和感のない仕上がりになり
ました。

実はこの花器は金繕いに着手するまでが大変だったのです。
というのもランダムに欠けてしまっていた口縁にカビが発生して
しまっていたのです。

誤解があるのですがカビは漂白剤では退治出来ません。
カビの退治方法については弊ブログの過去の記事をご覧下さい。

萩焼のカビ退治

beforeの画像を見て頂くとYさんの苦労がしのばれると思います。
改めて素晴らしい完成の姿をお喜び申し上げたいと思います。


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