月別アーカイブ: 2022年9月
2022年10月期の募集
各カルチャーセンターの10月開講のクラスの空席状況が判明しました。
●10月開講で空席があるクラス
NHK文化センター千葉:毎月第4木曜日 10:00〜12:00 1席のみ
NHK文化センターさいたまアリーナ:毎月第4月曜日 13:00~/15:30~
NHK文化センター柏:毎月第4日曜日 10:00~12:00/13:00~15:00
カルチャープラザ公津の杜:毎月第1月曜日 10:30~/13:30~
毎日文化センター東京(竹橋):毎月第3木曜日 10:00~12:00
●キャンセル待ち
NHK学園市川オープンスクール
毎月第1金曜日 13:00~15:00/15:30~17:30
毎月第2金曜日 15:30~17:30
産経学園ユーカリが丘校:毎月第3月曜日 10:15~12:15/13:00~15:00
●来春募集予定
港北カルチャーセンター:毎月第1土曜日 13:00~15:00
JEUGIAカルチャーセンターイオンモール八千代緑が丘:
毎月第2金曜日 10:00~12:00
NHK学園市川オープンスクールはキャンセル待ちが数十人と多く、2〜3年
お待ち頂く状況です。
ご事情が許すようであれば近隣の教室へのお申し込みをご検討下さい。
コロナ禍第7波も落ち着いたようです。
ご受講をご検討いただけたら幸いです。
教室でお待ちしております。
バラバラでも
NHK学園市川オープンスクールのSさんの作品をご紹介致します。
かなりバラバラに割れてしまったお茶碗を接着されました。
15ピースほどに割れたのを接着するのは、かなり大変なことですし、更に
ずれが生じてしまったのを解消するのは難しかったと思います。
それを根気よく作業されたSさんには本当に頭が下がる思いです。
内側が染付、外側が赤絵でタコ唐草が描かれている印象的な絵付けの器
です。
仕上げは内側が金泥で外側は銀泥と変えられました。
更に銀泥は部分的に赤絵の柄を描き起こしておられます。
表裏で表情が違えたのが修復を超えた迫力を持っているかと思います。
ピース数が多い割れだと金繕いをためらわれると思いますが、割れの接着は
金繕いの醍醐味でもあります。
ためらわれることなく挑戦してみて下さい。
お休み中の成果
藤那海工房 西登戸教室は一般のご家庭を教室としてお借りしている
関係上、このコロナ禍をお休みしたり、時間や人数を減らして対応
してきました。
有難いことに、ご参加の皆様は再開を待っていて下さいました。
お休みしてしまうと作業の手も止まってしまいがちですが、Oさんは
着々と作業を続けて下さり、たくさん完成作品を持ってきて下さい
ました。
主に欠けの器が多いのですが、一気にご紹介したいと思います。
お料理の上手なOさんはお持ちの器も作家ものなどこだわっておられ
ます。
それらを破損しても金繕いして、再度使って下さることはお教えして
いても嬉しいことです。
西登戸教室は今春から通常通りの体制で継続しています。
受講の方も募集していますので、近隣の方はご検討頂けたら幸いです。
柄を戻す
NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介します。
洋皿の欠けの金繕いです。
縁の金彩の部分が欠けてしまったのを戻され、更に元々の柄を色漆で
彩色して完成されました。
洋皿はSさんの作品のように柄だったり、レリーフがあったりと装飾が
されていることが多いと思います。
それをどこまで再現するかは悩みどころです。
Sさんの場合は柄を描かれることによって金繕いされた部分を目立たせない
だけでなく、金彩と仕上げの金の色味が違うところも緩和されたのでは
ないかと思います。
ついつい手間を惜しんでしまう傾向にあるとは思いますが、もうひと手間
加えるだけで完成度が上がります。
どうぞ前向きにチャレンジしてみて下さい。
硫化待ち
NHK学園市川オープンスクールの方の作品をご紹介致します。
徳利の欠けです。
雰囲気のある徳利の注ぎ口が欠けてしまっていました。
それを丁寧に埋められて銀泥で仕上げられています。
形が大変美しく整えられているので、アップでも見応えがあるかと思い
ます。
ここまで綺麗な作業をされているからこその仕上げです。
ついついこの程度でいいかもと自分に甘くなるかもしれませんが、是非
他人に見せたくなる完成度を目指して頂きたいと思います。
渋い色に硫化するのが待ち遠しいです。
桜の花びら
NHK文化センター千葉教室に在籍されていたSさんの作品をご紹介致します。
カリキュラムで制作された蛤貝に金箔を貼った「貝合わせ」に桜の花びら
を漆絵で描かれました。
金箔を貼ったところに何か絵を描いてみたいと思われた時、悩むのは画題
かと思います。
そういう場合におすすめしているのは、やはりカリキュラムでご経験のある
桜の花びらです。
東京オリンピックの聖火トーチでも5弁の桜を形取っていたように、日本人は
桜に思い入れがあります。
それ以外に桜が重要なことは教室でご説明している通りです。
Sさんの作品は桜の花びらを色を変えてレイアウトされた基本に忠実な作品
です。
ただ花びらと言えない魅力がご覧頂けると思います。
絵心がないと尻込みせず、まずは桜の花びらで貝絵にチャレンジしてみませんか?
きっと新しい世界が待っています。
昭和が蘇る
必要があって久しぶりに学生時代に課題で縫った浴衣を押入れの
中から出しました。
帯の説明書きを見て思わず「昭和だ…」
思いっきり昭和生まれの私としては最近の昭和ブームというのを
こそばゆく思っていました。
まさか自分の持ち物から昭和がやってくるとは。
でもレトロな感じ、確かにいいですね。
柄のマッチング
NHK文化センター千葉教室の方の作品をご紹介致します。
大鉢の割れです。
元々、備前焼の火襷のような柄が入っている大鉢です。
割れの接合したラインをそのまま金泥で仕上げられました。
金泥と焦茶色の釉薬とのマッチングもいいのですが、やはり元々の
柄に対して割れのラインが絶妙なのが素晴らしいと思います。
近年、欧米でも金繕いの人気が高まっていますが、この自然の割れの
ラインの絶妙さが一つの理由ではないかと思います。
人間が造形し得ない自然の線。
窯キズを「神様の成せる技」と言いますが、割れの線も人間の手の及ばない
ものを感じます。
ゴミ箱からの復活
産経学園ユーカリが丘教室のTさんの作品をご紹介致します。
大皿の割れです。
一辺が25cmほどの大皿です。
厚みもあるお皿がかなりバラバラに割れてしまっていました。
これを「のりうるし」で接着され、細かい欠損を丁寧に埋めて銀泥で
仕上げられました。
実はこのお皿は一旦、ゴミ箱に入れて処分される予定でした。
しかし思い直したTさんは箱の中から拾い上げて金繕いなさったのです。
途中の工程は大変だったかと思いますが、複雑に入った割れのラインが
面白く、素敵な作品になりました。
銀泥がいずれ硫化して、画像の様子から変化するのも楽しみです。
器が割れてしまうと処分されてしまう方がほとんどです。
でもかなりバラバラでも復活します。
金繕いで新しい魅力を見つけてみませんか?
菊の御紋ではない
先日のブログで紋様を使うことは紋様の力をもらうこと、という
記事を書きました。
今回はその紋様繋がりで、横浜山手西洋館の一つ、ベーリックホール
から紋様をご紹介致します。
建築主のベリック氏の執務室でもあったと言われるリビングルームの
暖炉にあるレリーフです。
これをご覧になった見学者の方から「菊の御紋がある。日本の皇室と
関係があるのでは?」との感想が多く聞かれます。
しかしこれは菊の御紋ではありません。
西洋建築ではよくみられる「ロゼッタ紋様」といいます。
「ロゼッタ」というと薔薇をイメージされるかと思いますが、薔薇に限定
されたものではなく「お花模様」と訳すのが適当かと思われます。
ちなみに皇室の菊の御紋の元になった菊は一般によく見る種類の菊では
ありません。
しかし一目で菊の御紋に通じる形をしています。
紋様の成り立ちはとても興味深く、世界を旅して日本にたどり着いて
いるケースもあります。
まだまだ勉強中ですが、さらに知識を深めたいと思っています。