渦巻き

NHK文化センター千葉教室のNさんの作品をご紹介致します。
煎茶茶碗のひびです。

意匠にも見えてしまうくらい印象的なひびの形です。
これを止めるのは問題ないかと思いますが、口径の小さい煎茶茶碗で綺麗に
仕上げることは大変です。
Nさんは苦労なさったと思いますが、美くしく仕上げなされました。

そもそもこのようなひびが生じた原因ですが、製造段階の問題の他、保管
しているときに重ねていることも考えられます。

このひびの形が当然、表にも影響したわけですが、こちらは絵付けを再現
するようにされました。

黄色の絵柄は「仏手柑」というミカン科の柑橘類で人間の手のような形をして
います。
日常ではあまり見かけませんが、お正月の縁起物として茶席に使われます。

その仏手柑を跨いでしまった仕上げの線に輪郭の黒い線を入れただけで、特徴的
な形がしっかり蘇りました。

Nさんがお返しになった持ち主はとても喜ばれたそうです。
大変でも喜ばれることが金繕いの達成感ですね。


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