月別アーカイブ: 2020年6月
蘇った盆栽鉢
よみうり文化センター大宮教室のSさんから昨年金繕いした盆栽鉢に
桜を植えた画像を頂戴しました。
植えられたのは旭山桜だそうです。
桜のピンクと青空が綺麗な画像です。
お聞きして勉強になったのが木の正面と鉢の正面を合わせるという
ルールです。
木の枝ぶりの流れと鉢の流れを合わせるのが必須です。
お抹茶茶碗ですと金繕いした箇所が景色になると考えれば、茶碗自体の
正面が違った場所であっても変更しても構わないと判断される場合が
あります。
しかし盆栽鉢ではそれは叶わないようです。
割れた破片をはめて金繕いした場所は裏面になってしまったという「オチ」
がつきました。
しかしSさんがしっかり補強するところまで作業されているので、再び植物を
植えることが出来たことには変わりがありません。
裏面であってもご自身の満足感は大きいと思います。
Sさんの作業の様子は昨年6月の記事をご覧下さい。
※初出で内容に誤りがあり、訂正致しました。お詫び致します。
足りない!
先般、お預かりしているお皿で破片が足りないというものをご紹介
しましたが、さらに深刻な状態のものをお預かりしました。
もう土が手に入らないということで作家の方が同じものは作れないと
おっしゃっている器です。
箱に入れたまま落としたそうで、破片は全て回収されているはずなのですが。
とりあえず場所が判明し、安定よく接着出来るパーツのみ接着してみました。
しかし圧倒的に足りない…
残るパーツはこれだけ。
根気よく嵌る部分を探して組み立てる予定です。
この器をこよなく愛している持ち主の為、頑張ります!
洋食器の高台
NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
洋食器皿の高台です。
先般、高台は器を支えるので大事ですと書きました。
もちろん洋食器でも同じです。
Mさんのお皿は高台の部分が割れ、小さな破片となっていました。
それを接着したところズレてしまったので、周囲に弁柄漆を塗り重ねることで
段差を埋めて頂きました。
立体的な高台なので埋めるのも大変でしたが、仕上げも難しくなりました。
しかしその難易度の高さを乗り越えて、とても綺麗に仕上げられていると
思います。
裏返しにしなければ見えない高台の欠損ですが、難しいことにチャレンジして
良い成果を得たことはMさんの自信に繋がったのではないかと思います。
他にも難しい形にチャレンジされていますが、持ち前の根気良さで完成に
至って下さると思います。
久しぶりの横浜
昨日はNHK文化センター横浜教室で原一菜先生の助手でした。
横浜は私の出身地にも関わらず3ヶ月振りです。
見慣れた風景も何やら沁みてしまいます。
新しい生活に馴染み、少しずつ日常が戻ってきたということでしょうか。
ワンポイント
産経学園ユーカリが丘教室のNさんの作品をご紹介致します。
STAY HOME期間中にカップの欠けを仕上られました。
染付けのブルーが鮮やかなので、より金泥が輝いて見えます。
これはもちろん欠損の埋め方が綺麗に出来ているからです。
よく小さい欠けだと直さなくてもいいとお考えになる方がおられます。
しかし欠損をそのままにしておくと、より酷い状態になったり、使用上
危なかったりします。
昔の人が欠損がある器は縁起が悪いと言いましたが、そのような事を
縁起として言っていたのだと思います。
Nさんの作品を見て頂ければ、キズの大小に関わらずきちんと直したいと
思われると思います。
トクサ育つ2020
今年のトクサは元気に育っています。
手前の2鉢は昨年、ピラティスのMidori先生に頂いた苗が太くてしっかり
した芽を出しています。
奥のバケツに入った苗は他の方から頂いた苗がやはり大きく育っています。
それぞれたくさん新芽を出して、全体で見ると畑のようにすら見えてきます。
昨年もこのくらい順調に育っていたものが、夏の暑さで枯れてしまいました。
ですので梅雨明け前に北側のベランダに移動しようと考えています。
このコロナ禍で自宅マンションの大規模改修日程が全く不明になってしまって、
トクサ達の行方も見えていません。
とりあえず良い生育をすることに集中しようと思います。
STAY HOMEの成果
NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介致します。
STAY HOME期間中にたくさん仕上げてきて下さいました。
白い器は全体のシルエットはぽってりしているのですが、縁が薄く作られて
おり、欠損を埋めるのがとても難しい形でした。
それを丁寧に行なって仕上げたものが一堂に会すると圧巻です。
それぞれが違う場所が欠けているのも面白味になるのが金繕いの為せる技
でしょう。
こちらは欠けと隣合わせにひびと欠損が並んでいます。
金泥の仕上げが釉薬に馴染んでいるので、欠損の並びが気になりません。
これも下地の作業が綺麗になさっているからです。
陶器皿の幅25mmくらいの大きな欠けです。
これだけ大きな欠けになると仕上げが大変なのですが、太めの筆を使って
仕上げられました。
少々課題があるものの、完成度が高いのでこのままお使い頂くことに
しました。
課題はいつでも挽回出来ます。
とりあえず頑張った成果を誇ってもいいのではないでしょうか。
今回、Sさんの作品を見て驚いたのが、仕上げの完成度の高さです。
Sさんは納得いかなければ仕上げをし直す事を厭わない完璧主義なのですが、
その積み重ねがついに花開いた感があります。
今後の作品も今までの姿勢を貫いて取り組んで下さる事を願っています。
突然!生藍染め2020
今年は諦めていた生藍染めが出来ました!
ピラティスを教えて頂いているMidori 先生のおかげです。
実は昨年育てていた藍からこぼれ種で昨年末に発芽してしまいました。
その苗を処分してしまうのは忍びなく、Midori先生に育てて頂いたのです。
先生が地植えで大きく育てたところで、ちゃっかり葉を頂き、生藍染めが
出来たという訳です。
生藍染めは藍自体の生育状況で色の濃さが変わります。
地植えのパワーとMidori先生の愛情で素晴らしく綺麗な色に染め上がりました。
今年の目標は赤系の色が染められるようになることです。
玉ねぎの皮の黄色と合わせて3原色が染められると、紫、オレンジが出来ます。
昨年の緑と合わせると、ぐっとバリエーションが増えます。
今回染めたものは紫のベースとするつもりです。
作業は8月のお盆に行う予定。
Midori先生ありがとうございました!
高台の仕上げ
産経学園ユーカリが丘教室のKさんの作品をご紹介致します。
STAY HOME期間中に仕上げて来て下さいました。
高台の形は作りにくいのですが、綺麗に形が再現されています。
金泥の仕上げも美しいです。
全容が裏返ししないと分からないのが残念なくらいです。
高台の欠損は目に入りにくいこともあって「修復しないでもいいですか」
という質問が多くあります。
しかし高台は器の自重を支えており、軽視は出来ません。
また表面の釉薬が損なっていれば破損の進行も心配です。
ですので高台に欠損があれば金繕いは必須とお考え下さい。
(もちろんレアケースもあります)
Kさんの作品はキラッと光る金泥がワンポイントになっているので
お使いになる時に楽しんで頂けると思います。
カルチャーセンターの工夫
続々とカルチャーセンターの講座が再開されています。
先週、再開されたJEUGIAイオンモール八千代緑ヶ丘教室は大きな
部屋への変更がありました。
奥にバーが写っているのでお分かりになるかと思いますが、普段はダンス
などの運動系で使われている教室です。
1人1テーブルで間隔も開けてあります。
備品の消毒も行われ、消毒剤の設置もされています。
建物自体の機械換気の他、教室のドアは解放してあり、教室の奥には
サーキュレーターが作動しています。
皆様マスク着用、私はさらにフェースガードも着用しています。
新型コロナウィルス対策はこのような基本の対応をしっかりとして
「with コロナ」の生活を送る他ないと考えています。
そして金繕いの講座を続けて頂ければ嬉しいです。