日別アーカイブ: 2020年5月3日

カトラリーの塗り直し

先日アップしました本漆での塗り直しについて、ご説明したいと思います。
木製のカトラリーは大抵、ウレタン塗装という樹脂系の塗装で木部をカバー
しています。
これが使用によって剥がれてきて、見た目を損なうばかりか木部を痛める
原因になります。

塗り直しをする場合は残存するウレタン塗装を紙ヤスリで除去して、本漆を
塗り直していきます。
紙ヤスリは200番台から始め、出来れば600〜800番くらいまで使い、大きな
傷を残さない状態にしておきます。


塗り直しの初めに気になるのが、ひときわ色が濃くなる部分が出ることです。
これはウレタン塗装が使用でしっかり剥げてしまっていた部分に起こります。
それはより漆が染み込んでしまうからです。

あまり気にならないという方もおられるかもしれませんが、気になる場合は
色が濃くなってしまった部分を紙ヤスリで落としながら塗り直しの作業を
進めます。

2〜3回塗ったら紙ヤスリをかけて調整することを繰り返していると、全体が
同じような色味になってきます。

全体の塗り重ねは最低5回は必要と考えています。
塗り重ねる程、色は濃くなりますので(艶ありのものだと艶も出る)あとは
好みで調整されると良いのではないでしょうか。


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