信楽焼の思い出

私が金繕いに出会ったのは、窯元めぐりがきっかけでした。
購入してきた陶磁器を日常に使ううちに欠けたり割れたりします。
何とかそれを直したいと思ったのが、金繕いとの出会いとなりました。

その窯元めぐりのスタートは信楽焼だったのです。

当時の私は勉強不足で信楽焼といえば自然釉だと思っていました。
ある窯元で何気なくそのように話していたところを咎められました。
「信楽焼とはどんなものなのか勉強してきましたか。」
作務衣を着た初老の男性でした。

あとでその男性は伝統工芸士の方だと判明しましたが、なぜ咎められた
のかわからず、とても困惑した気持ちは忘れることが出来ません。

先クールの朝ドラ「スカーレット」をご覧になったでしょうか。
信楽は大変良質の陶土を産出し、それが様々な表現を可能にします。
自然釉は廃れていたのを「スカーレット」のモデルになった陶芸家の方が
復興したので、現代の私たちも気軽に手に取ることが出来るのです。

その後の窯元めぐりでは事前にしっかり勉強し、出かけたことは言う
までもありません。
そういう意味で信楽焼は私にとって大切な窯元です。


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