月別アーカイブ: 2020年4月
裁縫下手のマスク作り
使い捨てマスクが手に入らないので手作りマスクにチャレンジした方は
多いと思います。
ミシンと相性が悪く裁縫下手を自認する私ですが、いつ購入出来るか
わからない物を待つより作った方が堅実と判断しました。
使ったのは「遊 中川」さんで購入したガーゼ生地のハンカチです。
耳ゴム用に靴下の端切れがサービスで付いていました。
「遊 中川」さんは中川政七商店さんの別ブランドで麻生地の製品を扱って
います。
たまたま店舗に通りかかったところ、ハンカチ生地でマスクを作れるとあり、
耳ゴム付きとあればと即決購入です。
あらかじめハンカチを水通しして、まず作ったのが自分用です。
単純に中表に縫って裏返し、ゴム部分を折り返しただけです。
耳ゴムはそのままのサイズで、付けると適度に顔にフィットしました。
(もちろん全部手縫い)
家人の分は耳ゴムを切ってサイズ調整。
真ん中にギャザーを寄せて顔にフィットするようにしました。
他にも生地を入手しているので、次は苦手のミシンを出して立体型に挑戦
してみようかと思案中。
10年以上、押入れで眠っているミシンは動くのでしょうか?
貝絵 梅の花
産経学園ユーカリが丘教室のTさんの作品をご紹介致します。
昨日のハマグリ貝の修復に続いて貝絵の制作です。
Tさんは普段、絵を描くのを得意にされている訳ではないのですが、
ハマグリ貝に金箔を貼ってみたら絵心が刺激されたようです。
素敵に出来るレイアウトの方法を学んで頂いた上で画題に梅の花を選ばれ
ました。
銀泥で梅の花を入れたあと、霞は硫化した銀箔で入れられました。
シンプルな構成ですがレイアウトが上手くいっているので、物足りなくはない
と思います。
もう1点制作されているので、そちらも是非完成して頂きたいと考えています。
ハマグリ貝 修復への道3
昨年5月のブログで割れの接着と欠損の埋めが終わったと書いていますが、
その後1回金箔を貼ったものの埋め方がイマイチ足らず、再度ベンガラの
塗り重ねを行なっていました。
個展の準備などで時間を取られてしまい、この程ようやく金箔を貼ってみました。
破片の欠損が大きかった内側は痕跡がなくなり、表面も紫の貝の色に
金箔が映えて綺麗に見えます。
表面は傷を生かして蒔絵をすることもありますが、ここはシンプルに傷通りに
仕上げてお返しすることにします。
破損させてしまったお詫びに小さい貝に金箔を貼ったものも用意しました。
幅3cm程度ですが、この大きさだと箸置きや刺身に添えるわさび入れなど
にも使えます。
新型コロナウィルスの感染拡大という事態に陥り、お返しする目処が立って
いませんが、少しでも早く収束してお渡し出来ることを願っております。
箸に螺鈿を貼る
よみうりカルチャーセンター大宮教室のSさんのチャレンジをご紹介します。
大宮教室では本漆での拭き漆を行なっておりますが、Sさんは夢中になって
しまった一人です。
いろいろ作品を作られているのですが、箸の箸頭とか天とか言われる尾部に
螺鈿を貼る作業をされています。
螺鈿を貼ろうと思いついたのは、昨年の私の個展で螺鈿を使った作品を見た
からなのだそうです。
螺鈿の持つ虹彩の美しさに魅了されるのはよくわかります。
Sさんはご家族分、それぞれ貼り方を変えておられます。
現在は試行錯誤中ですが、作業が丁寧な方なので、きっと素敵な作品が
完成すると思っています。
焼き継ぎを仕上げ直す
産経学園ユーカリが丘教室のWさんの作品をご紹介致します。
骨董市で購入された焼き継ぎの器を仕上げ直されました。
焼き継ぎとは江戸時代の修復方法で、ガラス質の成分を加熱して破損を
接着したものです。
一見、接着剤にも見える透明〜半透明の物質で接着されています。
難点は見た目が良くないこと。
ミミズ腫れとも揶揄されるくらい酷い仕上がりのケースもあります。
しかしそれが故に安価になっていることが多く、気に入った柄や形なら
お買い得と言えます。
また江戸時代の一時期にしかなされていない手法なので、焼き継ぎがされて
いるということは江戸時代に作られたものという証明にもなります。
Wさんの作品はミミズ腫れの部分を加工し、改めて金泥で仕上げをされました。
綺麗になって使う時の気分も良いかと思います。
焼き継ぎの直し方には他にも方法があります。
物の状態とお考えで方針が決まりますので、着手前にご相談下さい。
漆繕いの抹茶茶碗
私が金繕いをご依頼頂いた赤楽茶碗をご紹介致します。
本漆で作業を行なっています。
ある著名な陶芸家の作品なのですが、桐箱ごと敷居の上に落としてしまわれた
そうで、ズレが生じたひびが入っていました。
ご希望は繕いをしたことがわかりにくい「漆繕い」でした。
漆繕いとは現在、金繕い(金継ぎ)といっている陶磁器の修復方法の原点で、
欠損の直しから仕上げまで漆のみで行う手法です。
ひびをしっかり止めた後、ズレを解消して仕上げの漆を調合しました。
本漆は新うるしと違って固化後の色の変化が大きいのです。
お茶碗自体も場所場所で色が違いますので、何度も塗っては確認を繰り返し
ました。
さらに色が合ったところで途中にあるグレーの斑紋も再現しています。
先般、ご依頼主にお目にかけたところ大変気に入って頂き、無事返却が完了
しました。
やはりお返しした時に喜んで頂けるのが、何よりのご褒美ですね。
金箔貼り応用
新型コロナウィルスの感染が拡大傾向にあり不安な日々が続いておりますが、
ブログでは敢えて今まで通りの内容でアップしたいと思います。
今日はNHK文化センター柏教室のUさんの作品をご紹介します。
カリキュラムで行なったハマグリ貝への金箔貼りを応用したものです。
元々は茶托だったのではないかと思われますが、真ん中のくぼみに布きせと
言われる補強がしてありました。
これは意匠的なものもあると考えます。
Uさんはこちらを画像の右上に写っているウサギの置物の飾り台にしたいと
金箔を貼られました。
技術的には先般ご紹介しました金箔を貼ったお皿と同様に出来ますが、難しい
のは本体が漆器なので修正に注意が必要になることです。
このあたりはちょっとしたテクニックが必要になります。
結果は画像の通り大変綺麗に完成しました。
貝合わせの制作で残った金箔を、このように応用すれば楽しい作品になるかと
思います。
是非参考になさって下さい。