月別アーカイブ: 2020年1月

ツートンカラー

NHK文化センター柏教室のAさんの作品をご紹介致します。
ツートンカラーの把手の仕上げです。


注ぎ口がついているので、ミルクピッチャーかと思われます。
把手が割れて、いくつかのパーツに分解していました。
それを接着した上に補強を施してあります。

その仕上げを単に金泥のみで行ってしまうと、インパクトがありすぎに
なってしまったので、外側は薫銀泥にされたとのこと。
工夫の面白さと器への馴染み感という相反する両方を実現されました。

以下の同時に仕上げられた2点は、基本的な技術で直されたものです。
このようなレベルのものは、難なくこなされています。
次々独創的な工夫をされているので、順次ご紹介させて頂きたいと思います。



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トクサの持ち運び

先日、化粧コットンに水を含ませてトクサを包み、タッパーウエアに
入れて持ってくるという方法をご紹介しましたが、試験管バージョンを
お持ちになった方がおられました。

共のガラスの栓がついているので、水を入れても漏れない仕様になって
います。
おしゃれです。
コンパクトなところも魅力ですね。

最近、実験道具が人気になり、手に入る場も増えました。
試験管がお好みの方もおられるのではないでしょうか。
気に入った道具はモチベーションが上がります。
是非、参考になさって下さい。


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金泥冴える

NHK文化センター千葉教室のYさんの作品です。
茶箱(持ち運び用の茶道具セット)用の小振りな抹茶茶碗が割れたのを
接着されました。

割れたなりにそのまま金泥で仕上げをされています。
渋い釉薬に金泥の仕上げが冴えて、本当に美しい作品になりました。

人智が及ばない偶然の妙と言える割れの線です。
加飾する必要は全くありません。

その分、下地作りを丁寧に行って頂きました。
その努力あってこその完成度です。
皆様どうぞ参考になさって下さい。


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1日講座 予告

NHK文化センター千葉教室で金繕いの発生や歴史についてお話しする
講座を行います。

近年、メディアで取り上げられるようになり金繕いが知られるように
なりましたが、歴史についてはあまり知られていないのではないでしょうか?

金繕いの講座を受講して下さっている方々にも仲々お話し出来ていない
内容を1日講座で解説致します。

画像や実物サンプルをたくさんご用意し、より楽しんで頂ける講座にする予定です。
是非ご参加検討下さい!

○4月9日木曜日 午前10:00〜11:30
2/21(金)WEB先行受付開始
2/27(木)窓口・電話受付開始(新聞折込)

詳細についてはNHK文化センター千葉教室にお問い合わせ下さい。


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拭き漆のお皿

よみうりカルチャーセンター大宮教室のSさんの作品をご紹介致します。
拭き漆のお皿です。


カルチャーセンターの教室はあくまでも金繕いの教室なのですが、大宮教室では
昨年からご希望があり、本漆による拭き漆をなさっている方がおられます。
Sさんも昨年から取り組まれましたが、本漆の美しさに虜になってしまわれた
お一人です。

拭き漆では、ご自身で塗る木地を探して頂いておりますが、Sさんは使い勝手の
良さそうなサイズのお皿の木地を見つけてこられました。
これに選ばれたのはマットな仕上がりになる漆です。

ご本人としては色々気になるところがあるそうですが、使っていくうちにそれも
気にならなくなります。
何よりご自分で塗られたお皿を使う喜びは大きいと思います。

拭き漆でご質問が多いのは塗りにムラが出ることです。
これは塗りの作業での問題というより、木地の状態で漆を吸い込みやすい部分と
そうでもない部分があることによります。

工業製品ではないので、むしろ均一ではないことが面白いとお考え頂くのが
良いかと思います。


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小説「金継ぎの家」

昨年、生徒さんからご紹介頂き、小説「金継ぎの家」(幻冬社文庫)
を読んでみました。

内容は祖母、母、高校生の娘の三代記です。
金継ぎを生業としている祖母、ホテルマンの母、進路に悩む娘が、それぞれ
過去を振り返り、未来への道を選択するまでが描かれています。

祖母と孫娘のふれあいの中で金継ぎの技法について触れられていますので、
金継ぎってどんなもの?という方には小説を読みながら理解出来るかと
思います。

ただ技法書として捉えるのはお勧めしません。
作者がある金継ぎ作家の方を取材しているのはわかりますが、その作家の方
独自の手法になっている部分があり、初心の方が文章から類推して取り組まれると
失敗する可能性が高いからです。

私としては金繕い(金継ぎ)とは時間をかけて、じっくり取り組むものだと
わかって頂ければ良いかと思います。

また国内の漆生産の難しさに触れられているのも、是非興味を持って頂きたい
内容です。
国産の漆の質は世界一だと思いますが、漆の採取の過酷さから生産量はわずかです。
国が国宝などの修復を国産漆に限ると舵を切ったことで、国産漆に注目が集まって
いますが、その体勢が整ってはいないのです。
その実情を理解し、購入などに繋がっていくことを切に望みます。


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薫銀泥

NHK文化センター柏教室のA さんの作品をご紹介致します。
柏教室の日曜午後クラスでは薫銀泥の仕上げが流行っています。
Aさんも薫銀泥の色を効果的に使った仕上げをなさいました。


まずは急須の蓋です。
表は割れの線通りに仕上げられ、内側は補強の大きい面の仕上げになって
います。
これに薫銀泥を使って急須自体の釉薬の色に合わせられました。
違和感のない渋い仕上がりです。

こちらは片口なのですが、画像ではどこが欠けたのかわからない程
馴染んでいます。

薫銀泥とはその名の通り、銀泥を人工的に燻して硫化させたものです。
様々な色がありますが、今回ご紹介した色はガンメタリックの感じの渋い
色です。

Aさんの作品のように馴染ませる他、釉薬の景色に合わせるなどの活用方法も
あるかと思います。
ご興味のある方はまず色味の確認をお勧め致します。


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最後のおむすびまるさんかく

度々ブログでご紹介してきました知人の大倉千枝子さんのおむすびの店
「おむすびまるさんかく」がこの17日をもって店仕舞いをします。
最後のお食事を頂かなければと本日出かけて参りました。

メニューは味が選択出来るおむすび2個と漬物、お味噌汁のセットです。
お味噌汁は乾燥したエノキダケが旨味を出しています。

残念ながら至高の玄米はSOLD  OUTしていましたが、大倉さん自ら漬け込まれた
梅干しと人気の筋子を選択。
堪能致しました。

「おむすびまるさんかく」というお店の形態は終わりになりますが、大倉さんとの
お付き合いは続きます。
次の展開を楽しみに待ちたいと思います。


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トクサの収穫

このところトクサについて、ご質問が増えてきたので、改めてご説明
しようと思います。

トクサの収穫ですが、寒気に当たった方が良い道具になりますので、
もうしばらく待たれるのをお勧め致します。
2〜3月から新芽が出る直前の4月までは収穫出来ます。

しっかり根元から切り、広げて乾燥するのが肝要です。
ドライフラワーのように束ねて干すと、カビてしまったと以前ご報告を
受けております。

大体1週間干すと含んでいた水気が乾燥し、道具になります。
この時、緑色が残っていても構いません。

よく確認されるのが先端の枯れている部分を採取すればいいのか?という
ことです。
このご質問への回答は否です。
実際お使いになられるとお分かりになりますが、植わっている段階で既に
枯れているということは劣化しているということです。
道具としては全く使えず、ボロボロと崩れてしまうはずです。

根元から刈り取ってしまうと、ご不安になるのが再生です。
これもご心配ありません。
春になると新たに新芽が出てきます。
刈り取ったところからは伸びてはきません。

拙著「金繕いの本」をお持ちの方は90ページをご覧下さい。
実際の使い方なども詳しく解説してあります。


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筆に印をつける

最初の教材で筆は2本からスタートしますが、必要に応じて増えていきます。
中には似たような筆もあり、何の為の筆なのかわからなくなってしまう方も
おられます。

そこで港北カルチャーのTさんの工夫をご紹介致します。
金泥用、銀泥用と分けた蒔筆の場合です。

軸の尾部に金銀のテープを巻き、一目でわかるように工夫されています。

ちょっとした工夫をするだけで作業の効率が上がると思います。
Tさんの方法を参考に、ご自分のやり方を見つけられてはいかがでしょう。


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