月別アーカイブ: 2019年9月

陶器の金繕い

藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
陶器の大鉢の金繕いです。


縁が脆い質のようで、たくさん欠けが出来ていました。
それを一つ一つ埋めた上で銀泥で仕上げられました。

ざっくりした器のイメージと直しの感じがマッチしていて、好感度の
高い金繕いになっています。
早速食卓に復帰されたのではないでしょうか。

陶器と磁器では到達点に違いがあります。
磁器は形がきっちりしているので、必然的に到達点も厳しくなります。
それは器の元の形通りになっていないと目立つからです。

陶器は形がランダムなことが多いので、さほど正確に形が再現されて
いなくても構いません。
多少の窪みも元の形と違和感がないからです。
ただし窪みの形には注意が必要です。
陶器の肌にはあり得ない角ばった窪みならば、もう少し作業をするべき
です。

この到達点に達していないまま仕上げをすると、後で後悔することに
なります。
「大丈夫です。」という仕上げはありません。
結局仕上がった状態でやり直しを余儀なくされるのであれば、もう少し
頑張ってみませんか?


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18ピース

NHK学園市川オープンスクールのKさんの作品をご紹介します。
18ピースにも割れた小皿の接着です。

直径が9cm程度と大きくないお皿です。
それをのりうるしを使って接着されました。
まずこれが成功しています。

私共では破片が多数あったとしても一度に接着するのをお勧めしています。
というのは元々一つの器ですから、総持ちといってお互いが支え合う関係に
あるからです。
これが部分部分で接着すると合わせ具合や角度が微妙に合わなくなって、
全体を接着した時に辻褄が合わなくなります。

仕上げですが、当初は釉薬の色に合わせて変更することも検討されました。
最終的には金泥で全てを仕上げられたのですが、これが割れの線をアート
のように見せています。
その美しさに教室の皆様から賛辞の声が上がりました。

人知を超えた美しさを得られるのが金繕いの面白さです。
Kさんの丹念な作業の結果でもあるのですが、このような美しい器に
なるのならバラバラになった器の接着にチャレンジしたくなってしまわれる
のではないでしょうか?


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金繕いの本 再度出版します

2016年に発売しました「金繕いの本」ですが、出版社を変えて9月
27日に再度出版します。
出版社を変更したので初版扱いになりますが、事実上の再版です。

出版社は手芸・工芸の分野で皆様ご存知の「ブティック社」です。
この出版不況の時代にご縁があり、出版して頂くことが出来ました。

内容的に変更はありません。変わったのは、
装丁がブティック社仕様になり表紙にロゴが入った他、紙がマット紙に
なっています。
初心者の方が読みずらい言葉に振り仮名が入りました。
といったところでしょうか。

出版社変更のため、今年の初めくらいから書店で手に入りにくくなって
いました。
買い損なってしまったという方には是非ブティック社版をお求め頂きたい
と思います。
すでにご自分の本をお持ちの方でも、金繕いに興味のあるお友達にプレゼント
するのはいかがでしょうか?

ご検討、どうぞ宜しくお願い致します。


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ギャラリー サイト青山

個展を行うギャラリー「サイト青山」ついて、ご紹介したいと
思います。
地下鉄・青山一丁目駅から徒歩5分という好立地にありながら、住宅街
の隠れ家的存在です。

木製の門扉が印象的な入り口ですが、決して大きくはなく看板も派手には
作っていないので、見落としのないよう、ご注意を!

門扉を入り路地を進んで右手に建物入り口があります。

私がお借りしたのは、手前のA室です。
これが金繕いの作品でどうなるのかはお楽しみに!

このサイト青山は西登戸の教室をお借りしているKさんから教えて頂きました。
個展の経験もあるKさんは、ギャラリー選びはフィーリングだとおっしゃいました。
まさにサイト青山も私にとっては「これだ!」という印象があったのです。

昨年末からぼんやり個展が開けたらいいなぁくらいののんびりとした感じで
場所探しを始めたのですが、見学に行った先は決め手に欠けていました。
サイト青山は駅から近いという立地の良さと隠れ家的な雰囲気が狙いの
感じだったのです。

途中の目印がタワーマンションくらいなのですが、ご来場の方には「なるほどね」
と納得して頂けると思います。


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葉型大皿の割れ

NHK学園市川オープンスクールのIさんの作品をご紹介致します。
葉型の大皿の割れの接着です。

幅40cm超もある作家さんものの陶器の大皿です。
表から見ると真っ二つに割れた接合線しかわかりませんが、実は裏面で
しっかり補強してあります。

これだけの長さがあり、厚み、重さもあるお皿が真っ二つに割れたものを
ただ接着しただけでは再破損の恐れがあります。
そこで裏面から補強して頂いたのですが、工程ごとに工夫が必要です。
その分、安心してお使い頂ける事は保証致します。

このお皿はIさんのご友人のものだそうです。
お返しになられたら、その工夫にきっと驚かれると思います。
そして再びテーブルで主役となって活躍してくれる事でしょう。

根気よく作業されたIさんに拍手です。


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個展案内葉書2019

金繕い教室を受講の方、関係各所に個展の案内ハガキをお配りして
おります。

フォトグラファー・中根佑子さん撮影の素敵な画像を使わせて頂き、美しい
案内葉書になったと思います。
是非実物を見に会場にお出で下さい。

10月9日(水)〜13日(日)
11:00〜18:00
(初日 13:00〜/最終日 〜15:00)
場所:サイト青山
(地下鉄・青山一丁目駅より徒歩5分)


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1本の線

NHK文化センター千葉教室のYさんの作品をご紹介致します。
欠けの金泥の仕上げにひと工夫されました。

偶然、器の柄の赤色と金繕いに使っている弁柄の色が同じ色だったので、
金泥の仕上げの上から縁の線の続きのように入れて頂きました。

1本の線ですが、欠損で途切れたところを補うだけでイメージが変わります。
なかなかこのようなラッキーなケースばかりではありませんが、ひと手間で
終わりますので、チャレンジして頂きたい工夫です。


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2019.10月期の募集

各カルチャーセンターの10月期の募集状況がはっきりしてきました
ので、お知らせ致します。
今期募集を行うのは、以下の教室です。

産経学園ユーカリが丘教室 毎月第3月 10:15〜/13:00〜
よみうりカルチャーセンター大宮 毎月第4月 15:30〜
毎日文化センター東京 毎月第3木 10:00〜

また10月期に関わらず募集を行っているのは下記の教室です。

港北カルチャーセンター 毎月第1土 13:00〜
セブンカルチャークラブ成田 毎月第1月 13:00〜
JEUGIAカルチャーセンター八千代緑が丘 毎月第2金 10:00〜

ようやく秋らしい涼しさがやってきました。
陶磁器の修復技術「金繕い」にチャレンジしてみませんか。
当会ではプリント、実物サンプルをふんだんにご用意し、基本をしっかり
理解出来る講座を行っています。
ご自分の器を美しく丈夫に直して頂けます。


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個展を行います2019

すでに金繕いの教室にご参加の方にはご案内をお渡しし始めておりますが、
「白鳥由加利の仕事 金繕い作品展」と題しまして個展を行います。

10月9日(水)〜13日(日) 11:00〜18:00
(初日 13:00〜/最終日 〜15:00)
場所:サイト青山
(地下鉄銀座線 青山一丁目から徒歩5分)

「金繕いの本」、雑誌に掲載した作品から出展する他、今まで作りためた作品を
展示致します。
欠損の美しさを生かしたもの、蒔絵を加えて新たな魅力を加えたものなど多数
用意しておりますので、お出で頂けたら幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。

<白鳥 在廊日>
10月10日(木):全日
11日(金):午後2時半以降
12日(土):全日
13日(日):全日(〜15:00)


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鮮やかな緑に

先週、玉ねぎ染めで鮮やかな黄色に染まった布に生藍染めを重ねて
みました。

目にも鮮やかな緑色に染まりました。
画像奥にあるのが生藍染めの1染目で青色に染まったものです。
比較して頂くと色の違いがわかるかと思います。

実は玉ねぎ染めの段階で原一菜先生に相談したところ、玉ねぎ染めは
強いので、生藍染めが負けるのではないかと言われていました。
惨敗覚悟で染めてみたところ、このような嬉しい結果になったのです。

これで赤系が染められるようになれば、紫色を得ることも夢ではなくなり
ました。


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