月別アーカイブ: 2019年3月
要注意!ガラスのキズ
昨年末からガラスの修復を行っている方にアクシデントが続き
ました。
直している欠損以外にキズを作ってしまわれたのです。
赤いテープで囲われた中央にキズが見えると思います。
原因は紙ヤスリから出た研磨剤のカスと思われます。
対応策は、
1.紙ヤスリは耐水ペーパーを使い、水に浸してカスを洗い流しながら
使用すること。
2.削りの作業中は削りカスを回収して処分出来る物を下に敷くこと。
例えガラスの直しの作業で紙ヤスリを使っていなくても、下に敷いて
いる物が同じ物ですとカスが残っていてガラスをキズつけます。
漆器の直しも同様なので、習慣つけると良いかと思います。
直していた箇所以外にキズがつくと余分な作業が増えるだけでなく、
ショックも大きいかと思います。
紙ヤスリの使用については細心の注意を払うことをオススメ致します。
急募 千葉教室
NHK文化センター 千葉教室に急なキャンセルが生じました。
毎月第2火曜日 10:00〜12:00 です。
昨年10月からスタートしたばかりのクラスなので、ご経験半年の
方と、4月から新たにスタートする方ばかりのフレッシュな環境
です。
金繕い(金継ぎ)を習ってみたいとお考えの方のご応募をお待ちして
おります。
僅か1席のみですので、お申し込みはお早めにお願い致します。
ガラスコンポートの金繕い
NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品をご紹介
致します。
クリスタルガラスに複雑なカットが入ったコンポートです。
実は果物を入れる器部分と脚部分に分かれます。
器部分には割れが、脚の部分には欠けが入っていました。
それぞれ接着、欠損部分を埋め、金箔で仕上げられました。
器自体がかなりの重量な上、カットが複雑なので、欠損を埋めるだけ
でも大変な作業だったかと思います。
それを丁寧に作業されて、完成に漕ぎ着けました。
元々ゴージャスな器なのですが、金が入ったことによって、さらに
魅力が増したと思います。
破損したままでは使えなかったと思いますが、蘇って活躍して
くれることでしょう。
出身と在住
拙著「金繕いの本」やHPのプロフィールに「神奈川県横浜市出身」と
入れたところ、教室の方から遠くから来て頂いてと声をかけられる
ことが多くなりました。
都度、横浜は出身地で、現在住んでいるのは千葉県ですとご説明
しています。
ご存知の方も多いと思いますが、出身地とは人格形成に大きく影響する
学生時代(小学校〜大学)を過ごした場所を指します。
片や在住というと現在住んでいるところをいう訳です。
何故プロフィールに出身地を入れるかと言うと、それで何となく人柄を
察してもらえるからだと思います。
現在住んでいるところを明確にするのは、コミュニケーションを取る場合に
必要になってくるからではないでしょうか?
「遠くから来て頂いて」と言われる度に、日本語って難しいのだなと思わざる
を得ません。
大きな欠け
NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
大皿が大きく欠損していたのを金繕いされました。
直径30cm超程の大皿が最大幅9cmくらいで欠損していました。
難しかったのが不定形に欠損しているのを輪花の形通りに形を戻す
ことでした。
次に大きな欠損の面積をどうするかが問題になりました。
青海波の蒔絵に挑んで頂いたり、欠けの線に合わせてラインを入れたり
と紆余曲折を経てシンプルに銀泥のみで仕上げる形に落ち着きました。
こうして客観的に画像で見てみると、この結論が正解だったと思えます。
シンプル イズ ベスト なのですね。
あとは少々硫化したところで色止めを行う予定です。
預かりものなのでお返しするのですが、本当に頑張られましたので、
きっと喜んで頂けると思います。
ひと工夫の蒔絵
NHK文化センター柏教室のAさんの作品をご紹介致します。
仕上げの蒔絵にひと工夫されて、大幅に魅力アップしたものです。
取り皿の欠けです。
最初に欠けの形をお皿の形に合わせて銀泥で梅の花形に仕上げされました。
これだけでも十分可愛らしかったのですが、私がさらにしべもプラスして
下さいとリクエストしました。
そうしたところ金泥でしべを入れてきて下さいました。
さらに梅の花らしさがプラスされたのではないかと思います。
こちらのお皿は5枚組みだそうで、組みで使えるようになったのは
もちろんですが、このワンポイントが場を盛り上げるのではないでしょうか?
こちらのお皿は全体に花の形のレリーフが入っているものです。
割れの接着をした部分を葉に見立てて蒔絵されました。
裏側の薄く削げた部分を見て思いつかれたそうですが、Aさんは
蒔絵の着想がとても豊かだと思います。
皆様も何か思いつかれたらAさんのようにチャレンジしてみて下さい。
きっと使う時も楽しい金繕いになると思います。
アロマライトの金繕い
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
アロマライトのガラスが割れていたのを、金繕いされました。
加熱されるガラスの場合、耐熱ガラスである可能性が高いです。
耐熱ガラスは含んでいる成分によって、金繕いが難しいことがほとんど
なのですが、Hさんのアロマライトは接着に成功しました。
接合線の破損を金で埋め仕上げられた後、糸を巻いて補強しています。
これはランプの部分にはめることが、接着部分を広げる可能性がある
からです。
補強の糸について色をどうするか悩まれたのですが、結局ガラスの色と
同化するピンクにされました。
これがライトをつけると、ガラスに馴染んでいい感じに見えます。
ガラスであること、加熱される、嵌めるなど色々注意するポイントがある
アロマライトです。
作業を始める前に、ご相談下さい。
置き上げ小筥練習課題
置き上げとは日本画の技法の一つで、専用の胡粉を盛り上げて立体的に
するものです。
これを応用して桐の箱を装飾する技法に藤那海工房 西登戸教室の方々が
チャレンジなさいました。
Kさんの作品です。
綺麗に真ん中に松、竹、梅をレイアウトされました。
今回は練習なので色も入れず桐の板となっていますが、それがレイアウト
と相まって、一つの完成作品として見られる美しさです。
今後はそれぞれのなさりたい画題に合わせて表面と側面4面に構図を
考えていく予定です。
器の修復を行う金繕いとは関係がありませんが、蒔絵には通じるところが
あり、楽しんで頂けると思っています。
まだ間に合う2019年4月からの講座
新しいことにチャレンジしたい4月です。
金繕いを初めてみませんか?
まだ申し込み可能な講座をお知らせ致します。
毎日文化センター(竹橋):毎月第3木曜日 10:00〜12:00
NHK文化センター 千葉:毎月第4木曜日 13:00〜15:00
NHK文化センターユーカリが丘:毎月第3月曜日 13:00〜15:00
NHK文化センター 柏:毎月第3日曜日 10:00〜12:00
よみうり文化センター大宮:毎月第4月曜日 13:00〜/15:30〜
残席がわずかなクラスもあります。
お早めにお申し込み下さい。
教室でお待ちしております。
納豆醬
度々ご紹介している「おむすび まるさんかく」のランチに
また出かけてきました。
今回の目玉は右のお皿に乗っている茶色のおむすびです。
玄米ご飯に納豆醬が入っています。
味わったことのない美味しさに魅了されてしまいました。
発酵食品が体にいいことはどなたでもご存じだと思います。
店主・大倉千枝子さん曰く「スーパーおむすび」
これさえ食べていれば大丈夫というおむすびになっております。
大倉さんの作るお食事を説明するなら、ただ一言「おいしい」です。
見た目も美しく、食べれば納得の美味しさです。
体が求めるものは自然とわかるはず、とおっしゃるお食事です。
予約が必須ですが、是非一度出かけてみて下さい。