月別アーカイブ: 2018年12月

今年もお世話になりました

出遅れていた大掃除も何とか格好がつき、ホッと一息年越しを
迎えています。

今年も1年お世話になりました。
引き続き来年もどうぞ宜しくお願い致します。


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門松・屠蘇 2018

今年も原一菜先生のご指導で門松と屠蘇を作ってきました。

今年の松は生育が良かったようで、例年より大振りです。
またラッキーなことに松ぼっくり付きの株が当たりました。

同時に屠蘇包も制作。
スタンダード、甘め、辛めの3つの味です。

昨年は喪中だったこともあって、門松が飾れることに感慨があります。
今年1年、家族が平穏無事だったことの象徴のように思えたからです。

すでに昨日飾り付けました。
歳神様にお出で頂き、来年もよき年であるよう祈ります。


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練香焚いてみた

先日教えて頂いた「練香」が熟成したので、焚いてみました。


香道具は持っていますが、心得はないので灰の整え方は自己流です。

焚く前の香りと焚いた時の香りの違いにびっくりしました。
かなりスパイシーな香りしていたので、内心どうなるのかと思って
いましたが、程よく爽やかで気に入りました。

練香は焚いた時の香りではなく、残り香を楽しむのが日本人の感性なの
だそうです。
香を焚くという行為が心の余裕を呼ぶ、そんな風に楽しめたらと思いました。


カテゴリー: 日本の文化 |

筆ではないもので仕上げ

NHK文化センター千葉教室のYさんの作品を、ご紹介致します。
ひびが入った大皿の仕上げです。

画像の左端あたりに放射状にひびが入っていました。
特に目立つ部分を仕上げをされることにしたのですが、形が目立ち過ぎる
ので、元々入っているススキかと思われるイネ科の植物に模して仕上げの
線を描かれました。

工夫されたのが穂先の仕上げ方です。
元々の図柄はラフに描かれているので、これを似たように描くのは難しい
ものです。
そこで思い切って筆ではないもので蒔下を描かれました。

元々のものとは違いますが、思い切って変えたことで、むしろ違和感が
なくなったと言えます。

目立ち過ぎる破損を逆転の発想で違和感なくまとめる。
ぜひ参考になさって下さい。

穂先の蒔下を描かれた道具、描く際のコツなどは教室でご確認下さい。


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ワイングラスの接着

港北カルチャーセンターのMさんの作品をご紹介致します。
ワイングラスの接着です。


かなりガラスの厚みが薄いワイングラスが割れていたのを接着し、
欠損を埋めて、金箔で仕上げて頂きました。
金の線しか見えないので、見た目も綺麗に仕上がっていると思います。

透明のガラスの場合、破損を埋めているのが見えてしまうのが最大の
難問です。
その他、ガラスならではの注意事項がありますので、必ずそれを確認
してから作業を始めて下さい。

これはガラスに限らず金繕い全般に言えることですが、同じように
見えても、工程も同じとは限りません。
同じ受講生の方の話が自分の器の金繕いに使えるとは限らないのが
金繕いの面白さであり、難しさでもあります。


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目止め 都市伝説?

先般「目止め」という下準備が、他の作業と混同されやすいという
ブログを書きました。
それと同時に「なぜ行うのか」「どういう場合なら行わなければなら
ないのか」という条件も理解が難しいようです。

「目止め」とは陶器の断面に米の研ぎ汁を使って撥水性をつける方法です。
撥水性をつけないまま金繕いの作業に取り掛かると、接着は着きませんし、
ひび止めではシミが出来てしまいます。

しっかり洗って完璧に乾燥してあれば「目止め」の必要はない
使用していない新品の器の破損であれば「目止め」の必要はない
磁器も「目止め」を行う必要がある

上記の3つは「目止め」に関する誤った認識でよくあるものです。
いずれも何故「目止め」という作業が必要なのか理解されていないが故の
間違いです。

確かに「目止め」の作業は手間がかかるので、回避されたい気持ちはわかります。
しかし行っていなければ2度と取り返しのつかない事態にもなります。
逆に言えば行ってあれば不本意な事態から器を守ってくれる魔法の方法でも
あるのです。

是非、何のために行うのか、ご理解頂いた上で作業に取り掛かって下さい。
拙著「金繕いの本」のP.24に、詳しい手順を掲載しております。


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貝合せ制作講座

今年を締めくくる講座として、貝合せ講座を行って参りました。
お香を作る「薫物屋香楽」様のお香の先生を目指される方々、
総勢30名様でした。

午前中に貝を磨き、午後に金箔を貼るという1日講座だったのですが、
普段金繕いの講座に通われている方なら、これがなかなか難しいこと
だとお分かり頂けると思います。

なぜなら、まず貝を磨くだけでも数回チェックさせて頂いて、ようやく
金箔貼りに臨めるものですし、広い面積に新うるしを塗るのも、取り扱い
に慣れてからのことだからです。

しかし成果は上々!
皆様揃って、完成度の高いものが出来上がっていました。

これは今回受講の方が先生を目指されているだけあって、大変意識の高い
方ばかりだったことと、藤那海工房 西登戸教室のKさん、Hさんを始め
香楽様スタッフの方々のご助力の賜物です。

数ヶ月前からコツコツ準備をしてきたのが、今日、参加の皆様に「楽しかった」
とおっしゃって頂いて、本当に充実した1日となりました。
ありがとうございました。


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運搬兼用の室

工房で本漆の受講を始めた方が、とても良い工夫をされていたので
ご紹介致します。
持ち運び兼用の室です。

大きなダンボール箱の中に小さいダンボール箱を伏せて入れてあります。
それをお持ちの器に合わせてくり抜き、器をセット出来るようになって
います。
これで安定して器を持ち運び出来ます。

ご自宅では湿らせたタオルを入れて、このダンボールがそのまま室に
変身するそうです。
これは工房まで車でお出でになるメリットを最大限に生かした方法でしょう。

当工房ではスペースの関係上、器はお預かりしておりません。
しかしお持ち帰りになって頂くことで、ご自身で漆を固化させる方法を
覚えられます。
また接着の際にもズレないようにしっかりチェックが出来ますので、完成度
も高まると考えています。


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お納めしました

先日お納めした金繕いの依頼品を、ご紹介致します。

まずは練り込みのお皿です。
かなりバラバラに割れてしまっていました。

練り込みとは色の異なる粘土を練り合わせて模様を作る技法のこと
で、金太郎飴を想像してもらえばわかりやすいと思います。

お預かりしたお皿は、練り込みが小花柄のように見える可愛らしいものです。
これに金泥の仕上げがとても映えました。
破損上、仕上げが太くなってしまったところは、練り込みの線が続くように
銀泥でラインを入れてあります。
これが持ち主の方に好評だったそうで、一安心しました。

次もお皿の割れです。

こちらは直径25cmほどの陶器です。
仕上げを釉薬の感じに合わせて硫化した銀箔を使いました。
1箇所だけ、黄色の斑点のところは金箔に変えてあります。

どちらもちょっとした工夫ですが、程よく馴染ませた感じが成功して
いるのではないかと思います。


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拭き漆大会拡大中

よみうりカルチャーセンター大宮教室での拭き漆大会は継続・
拡大しています。
それぞれの方で気に入った木地を探されて、挑まれています。

木地の入手先ですが、探しやすいのは漆材料のお店だと思います。
木地を専門にしている業者さんもおられますが、ネットで検索しやすい
という点では漆材料店になるかと思います。

拭き漆向きと明記されている場合もありますが、木目が綺麗なものを
選ばれるのが良いかと思います。
ケヤキを思い浮かべて頂けるとわかりやすいのではないかと思いますが、
他にも木目が美しい樹種はありますので、お好みのものを見つけて
みて下さい。

漆を塗り重ねる度に、どんどん美しさが増すので、ハマってしまう方が
拡大中です(笑)


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