日別アーカイブ: 2018年9月23日

板皿の窯キズ

NHK文化センター 柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
作家さんものの板皿の窯キズを金繕いされました。


一辺が30cm超の大型の焼締のお皿です。
表面に大きな亀裂と欠けがありました。

立ち上がりの四隅にも亀裂が入っています。
板皿と呼称しましたが正確にはムクではなく、中は空洞になっていて箱が
うつ伏せになったような形です。
そのため四隅に無理がかかり、亀裂が入ったものと思われます。

拙著にも作例がありますように窯キズは独特な方法で金繕いしていきます。
溝の幅によっても手段が変わりますので、着手前に必ずご相談下さい。
また窯キズ独特のセオリーがありますので、それをご理解の上、方針を
お決めになった方が良いと思います。

Kさんの作品は金泥が焼締に映え、さらに器の迫力が増したようです。
飾っておいても使っても楽しめるものになったと思います。
これは誰でも簡単に得られるものではなく、Kさんがコツコツと丁寧に
作業された結果なのです。

あまりにも素敵なので、何とか窯キズのある器を入手したくなって
しまう方が多数現れそうです。


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