NHK文化センター 柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
把手のついた片口の割れを接着し、さらに加飾されています。
通常、染付けの柄の上を仕上げが通過してしまう場合は、乗った部分を
銀泥に変えて仕上げて頂くことが多いです。
しかしMさんの作品は金泥の仕上げをそのままに、途切れてしまった桜の
花びらの輪郭線を銀泥でなぞられました。
このように線描きにして頂くと、見た目の印象が軽やかになります。
さらに工夫されているのが、近くにある5弁の桜も一部輪郭を銀泥を入れ
られて、つながりを作っておられるところです。
この一工夫が器全体としてのまとまりになっていると思います。
Mさん同様、工芸を趣味としておられるお嬢様から「お母さん天才!」と
褒め言葉が出たそうですが、私としても嬉しいお話として伺いました。
把手がついている形から、食卓で色々なものを注ぐ器として再活躍させて
頂けることでしょう。