月別アーカイブ: 2018年4月
藍の種蒔き2018
昨年水はけの悪い土に植えてしまって、あえなく全滅させてしまった
リベンジを誓い、藍の種蒔きをしました。
蒔いた種は17粒。
1週間から10日で発芽する予定です。
ゴマ粒ほどの小さな種ですが、直径50cm、高さも60cmくらいまで
成長します。
発芽率は70%の保証ですが、かなりの高確率で発芽します。
期待大。
アンティーク・レース展
現在、横浜そごうのそごう美術館で行われている「アンティーク・
レース展」を見に行ってきました。
レースはヨーロッパの歴史上、王侯貴族達の富と権力の象徴として
重要な価値を持っていました。
その中からレース全盛期の16〜19世紀のコレクションが展示されて
います。
もちろん金繕いにアンティーク・レースは直接関係ありません。
しかし精緻で繊細なレースは、展覧会のコピーにあるように「糸の
宝石」です。
何の分野であれ美しいものを見るのは、心を豊かにします。
レースのみの展覧会は稀有ですし、ご興味のある方にはオススメ
致します。
今では失われてしまった手仕事の美しい姿を堪能下さい。
会期は5月13日(日)までです。
名入れの茶碗
藤那海工房 月曜日クラスのMさんの作品をご紹介致します。
名入れのあるお茶碗です。
ご友人からの預かりもので、割れてしまっていたのを接着し
金で仕上げられました。
なかなか処分出来ないものの一つがお子様のものだと思います。
今回の作品のように名入れはもちろん、お子様が陶芸体験で
作られた器をお持ちになる方も少なくありません。
金繕いを習われるにあたって、器の価値を気にされる方が多い
のですが、このような二度と手に入れることが出来ない思い出の
品こそ金繕いして残してもらいたいと思っています。
このお茶碗も接着でズレが生じてしまったので、修正に時間が
かかりました。
その後仕上げをしてみても修正点があったのを丁寧に作業された
結果、とても綺麗な仕上がりになりました。
Mさんは作業がとても丁寧なので、今後の完成も期待しています。
トクサ 復活への道
昨年、水はけの悪い土に植えてしまって、根腐れしてしまった
トクサがこのところの暖かさで新芽が出てきました。
慌てて問題の土を除去して、植え替えしました。
掘り返してみて、予想外に根が生きていたことに安心しました。
これなら復活も問題ないかと思います。
2016年に本の制作作業で渇水させてしまい、枯らしてしまった
時には、ほとんど根が残っていませんでした。
それを思えば上々のコンディションです。
初夏になればトクサの苗が園芸店の店頭に出てきますので、空いて
しまった鉢に入れたいと考えています。
トクサは水遣りを欠かさず、ある程度の日差しがあれば土も選ばないし
虫もつかないので、育てやすいと思っていました。
ところが地植えしている方から全く新芽が出て来ないというお話を
聞き、私が知らない何らかの原因があることがわかりました。
何らか情報をお持ちの方は是非お知らせ下さい。
トクサの育て方に悩んでいる方に広めたいと思います。
校正依頼来ました
先般お知らせしました雑誌「盆栽世界」さんより、校正の依頼が
来ました。
5/2発売の6月号に前編として焼締鉢の欠け+ひびの直し方が
掲載されます。
形態は盆栽鉢ですが、器の金繕いと同様の技術ですので、そのまま
参考になる内容になっています。
編集S氏が金繕い初心者なのですが、その初心者の目線で、普段盆栽を
なさっている方にわかりやすく伝えようという気持ちが、より内容を
詳しくさせています。
「金繕い」の本では「欠け」と「ひび」の直しを分けて掲載していますが、
この欠損は複合していることが多いものです。
その複合している場合の手順がわかります。
特に欠けを木片で埋めていく過程がクローズアップした画像で撮影されて
いますので、木片入れに悩まれている方には参考になると思います。
金繕いの教室に校正原稿を持参致しますので、ぜひ内容をご覧下さい。
輝和美倶楽部の講座
日本の文化を楽しみ、交流しながら体験できる場(コミュニティクラブ
ハウス)として設立された輝和美倶楽部さんで講座を行いました。
会場は日本橋・コレド室町3にある橋楽亭です。
輝和美倶楽部さんスペシャルバージョンで、金繕いに関する座学の
あと、接着体験、金箔貼り皿の制作と充実した内容の講座でした。
撮影させて頂けた範囲で作品をご紹介させて頂きます。
ご参加の皆様はいずれも金箔を扱うのは初めての方ばかり
だったのですが、構図を決める「黄金分割」の考え方を
深くご理解頂き、完成度の高い作品を作り上げられました。
とても皆様楽しんで下さったようで、このところの準備の
頑張りも報われたようです。
今後も不定期で講座をさせて頂く予定です。
今回ご参加の方、また残念ながら参加が叶わなかった方、次の
機会にお会い出来るよう祈っております。
ブックアート展vol.3
日本橋・ギャラリー砂翁で行われている「ブックアート展」に
行ってきました。
こちらには友人の大古瀬和美さんが参加されています。
8人のアーティストが「本」の概念や形態を広義に捉え、独創的な
作品を発表している展覧会です。
まず作家さんそれぞれの解釈が様々なことに驚きました。
本の形態自体がアートだったり、本の内容がアートだったり。
また8人のコラボレーションも素晴らしいです。
どれ一つとして同じカテゴリーがないのです。
これはギャラリーオーナーの審美眼の賜物と感じました。
こちらが大古瀬さんの作品です。
真ん中の円は「日」という意味の古代文字で、下方に見えるスタンプは
つなげていくと一つの言葉になります。
「呪文」というタイトルですが、何か静寂なぬくもりを感じるのは、
大古瀬さんが1点1点心を込めて制作しているからでしょう。
こちらも大古瀬さんの作品で、蝶型の豆本です。
呪術的意味がある三角形の羽を2枚持つ蝶というところに惹かれて
購入させて頂きました。
片手に収まる箱に入れられた作品は、まさに「掌中の珠」として
大切にしたいと思います。
会場では久しぶりに大古瀬さん本人にお会いし、たくさんのお話を
しましたが、大古瀬さんが作品制作で自分の気持ちをぶつけるのでは
なく、受取手のことを考えて作っているという話が心に残りました。
大古瀬さんの作品が心地よいのは、そのお気持ちが伝わるからだと
思います。
ぜひその作品を会場でご覧下さい。
会期は今月28日(土)までです。
ドーナツ型の仕上げ
NHK学園市川オープンスクールのYさんの作品をご紹介
致します。
縁に小さな破片を接着したのですが、ズレと薄く削げた部分があり、
ドーナツ型に埋めの作業が入りました。
縁の破片を生かして仕上げるというご意向でしたので、ドーナツ型に
仕上げることにしました。
道具を工夫して頂くことで、平滑で綺麗な仕上げになりました。
この後上から銀泥で染付のラインの続きを入れて頂くことにより、
広い面積での仕上げを緩和して頂く予定です。
度々ドーナツ型の仕上げについてはご紹介していますが、手順について
事前にご相談下さい。
匂い袋 作りました
西登戸教室で匂い袋作りを体験しました。
実は西登戸教室にスペースを貸して下さっているKさんは、お香の
先生をなさっているので、金繕いの教室の皆さんで体験させて頂いた
のです。
まず材料一つ一つの説明をお聞きし、作りたい香りに合わせて調合
していきました。
私は思い切って普段の嗜好にない「さわやかで華やかな感じ」を
狙ってみました。
最後は先生にお伺いして、香りが広がるように調整。
狙い通り「さわやかで華やかな感じ」になり、想像以上に複雑な香りに
仕上がって大満足です。
完成したものは和紙の袋に入れて、平袋に収めました。
鞄や引き出しに入れる予定です。
お話の中で興味深かったのが、アメリカでの体験会では同じ
材料が全く香らなかったり、違う香りになってしまったという
お話です。
主に湿度の違いからではないかということでしたが、気候風土
から日本の入れている物に匂いを移して使うという文化を生んだ
のかと思うと感慨深いものがあります。
お香は季節に合わせた調合や練り香も出来るそうなので、今後も
教室の方々と相談しながら体験させて頂こうと考えています。