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書道用ではない筆
先日、書道用ではない筆で漢字を書いたとブログでアップ
したところ、興味を持って下さった方がおられたので、もう
少し詳しくレポートします。
その書道用ではない筆とは、水彩画用の筆です。
それぞれの画像で奥に写っているのが、普段漢字用に使っている
筆です。
毛の材質はコリンスキーです。
水彩画用の筆というのが手前のもので、ラファエルというメーカーの
8404シリーズです。
毛の材質は同じくコリンスキーです。
画像でも何となく毛質の違いがお分かり頂けるでしょうか?
書いた字がこちら。
左がラファエルで、右が書道用です。
あまり変わらない?
でも細線が綺麗に書けるのです。
そもそもきっかけは私が蒔絵用にこの筆を購入したことから
始まります。
心拍数が上がってしまうくらい高価な筆だったにもかかわらず、
太すぎて使用せず(涙)
原一菜先生が痩金体という独自の書体を作り出した徽宗のお手本には
最適かもしれないとのアイディアで使ってみることになったのです。
(現在臨書しているのは徽宗の千字文です。)
前回初めて使った時には外側の短い毛が出てきてしまって苦戦
しましたが、今回はだいぶ解消しました。
とりあえず細線の美しさは捨てがたいということで使い続ける予定
です。
さてこの筆、使いこなせるかな?
ユーカリが丘教室から
NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品を
ご紹介致します。
いろいろ完成されました。
こちらは以前に直されたものを、仕上げし直されたものです。
割れの接合線が今ひとつ埋まっていなかったので、仕上げの線に
筋が出てしまっていました。
それをもう一度埋め直しての完成です。
最初、これでいいと思っても後から気になることは、よくあります。
その時点でもう一度やり直しが出来るのが、金繕いのいいところでも
あります。
ガラスの小物入れの蓋です。
つまみ部分が折れてしまっていました。
接着した後、表面を糸で補強してあります。
糸の金色がガラスの赤に映えて、ゴージャスな仕上がりに
なりました。
本来、接合線と平行に補強すると、力学的には効果が低いと考えて
います。
しかし全く意味がない訳ではありませんので、注意して使って
頂ければよろしいかと思います。
こちらは金繕いではありません。
ポーセリンアートをなさっているIさんの描かれたペンダントトップ
です。
磁器のベースにポーセリンアートの技法で着彩され、焼成。
その上から蒔絵の技法で描かれています。
金、銀、プラチナ泥と、新うるしの紅溜色を上手く使っておられます。
ポーセリンアートでも金・銀はあるそうなのですが、焼成の手間を
考えると蒔絵の方が簡単に出来るとのことです。
金繕いから発展して、このような作品を作って下さるのは、私としても
嬉しいことです。