月別アーカイブ: 2017年12月

今年もお世話になりました

喪中でも年末のご挨拶はしてもよいということなので。
皆さま、今年もお世話になりました。

昨年は「金繕いの本」の出版。
今年は出版記念パーティーの準備に始まり、各メディア対応で
終わりました。

ここ数年、毎年何かしら大きな「課題」のような出来事があります。
それを必死にこなしているのですが、それによって自分の成長を
感じています。

来年も何か「課題」がやってくるのでしょうか?


カテゴリー: 日常の風景 |

不祝儀の新年支度

私事で恐縮ですが今年は喪中なので、新年を迎える支度も不祝儀と
なりました。
喪中でも歳神様は来られるので、門松の代わりに白の葉牡丹を一対
用意しました。

完全に真っ白な葉牡丹が入手出来ず、少々残念です。
一対ということで鉢の中に何株入れるか迷ったのですが、1株では
寂しいので陰の数で2株入れました。
これを玄関ドアの左右に置きました。

家の中の鏡餅は例年通り用意しています。
これも歳神様の依り代だからです。

葉牡丹、鏡餅共、30日の今日までに準備をしなければなりません。
一夜飾りは、つけ刃として嫌われるからです。

今回迷ったのが、おせち料理です。
原一菜先生にお伺いしたところ、何を食べても構わないとのことでした。
結局どうしたかは、ご想像にお任せ致します。


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瓔珞紋

工程の説明に使っているなます皿です。
この柄は何の柄ですか?と質問を頂きました。

これは「瓔珞紋」と言います。
説明を「古伊万里の文様」(著:大橋康二 理工学社)より引用します。

瓔珞とは珠玉や金銀の加工品を編んで、頭・首・胸にかける装身具の
ことであり、仏像や寺院内の天蓋などに下げて飾った。
また、もとインドの貴族階級の人々が身を飾ったもの。

中国磁器では元の白磁仏像にビーズ状の玉をつないだ例があるが、
明時代の染付にも描かれ、特に明末の芙蓉手大皿や呉須赤絵などに
瓔珞文を描いた例が多い。

何となく繊細で女性好みの柄だとは思っていたのですが、改めて
調べてみて納得しました。
アクセサリーが元になっていたからなのですね。

この皿は薄手で縁が輪花になっているところも柄と合っています。


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銀泥の効果的な使い方

NHK文化センター千葉教室のYさんの作品をご紹介致します。
マグカップの割れの金繕いです。

化粧土の釉薬に黒釉で蝶々が描かれています。
この蝶々をまたぐように割れの線が入ってしまっていました。

そこで化粧土の部分は馴染みやすい金泥で仕上げをして頂き、蝶々の
部分は銀泥で仕上げて頂きました。

今は両方の区別があまりない状態ですが、いずれ銀泥が硫化して黒く
なり、蝶々と一体化する予定です。

この作品は銀の硫化を利用した好例です。
同じような状況の方がおられましたら、是非参考になさって下さい。


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手を洗いましょう!

先日、教室で仕上げ作業をされた方が、器の表面に指紋が
バッチリ出てしまって驚かれました。

仕上げをする前には器を洗って下さいとお願いしてるので、この方も
器を洗ってきて下さっていました。

問題はご自身の手だったのです。
ハンドクリームを付けたままの手で作業をされてしまったため、銀泥を
蒔いたところ、まるで指紋検出のように器の表面にくっきりと出て
しまったのです。

最初は仕上げをする部分は触っていないから大丈夫とおっしゃって
おられたのですが、よく見ると指紋が仕上げの線をまたいでいることが
わかりました。

新うるしは油によって分解されてしまう性質があるので、徹底的に油分は
避けます。
(ボールペンの使用も不可です)
講座受講の初日に手指を洗って下さいとお願いし、継続して毎回お願い
しますとお話ししています。
これは前記の理由を考えて頂ければお分かり頂けると思いますが、講座の
前だけでなく、ご自宅で作業をする場合でも同様です。

欠損を埋めている途中で油分がつけば、削った時に油分のついたところから
バッサリ剥げ落ちますし、仕上げの前につけてしまっていれば仕上げの
耐久性が悪化します。

手を洗うという簡単な作業を怠ることで、今までの積み重ねが一瞬で無に
なります。
ご面倒でも手洗いは必ずなさって下さい。


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穂先が割れてしまったら

先日、筆の穂先が割れてしまうと、ご相談を受けました。
穂先を触らせて頂いたところ、粘り気を感じました。
これは穂先に若干の新うるしが残っている為で、これを
除去すれば割れはなくなります。

除去の仕方ですが、中性洗剤(台所洗剤で可)で洗う際、穂先を
揉みほぐします。

まず爪先を穂先に入れ込むようにほぐします。
場所を変えながら繰り返し行って下さい。

ついで根元を潰すように揉みほぐします。
こちらも方向を変えながら繰り返し行います。

これらを交互に行って、根元の粘り気や塊を取り除けば完了です。
新うるしの塊がポロポロと出て来る場合もあります。

もちろん根元に残留物がないように毎回の洗いが完璧であれば
いいのですが、穂先が割れてから問題に気がつくことが多いのです。
おかしいと気がつかれましたら、上記の方法をお試し下さい。

◎画像は、かな書用の筆ですが、金繕いの筆でも方法は同様です。


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水仙の花活け

花活けのお稽古で水仙を活けました。

実は水仙の花活けがとても苦手です。
ご存知の方も多いと思いますが、水仙は花と葉を一度解体して
活けます。
その際、葉の向きが勝手に合うように変えるのですが、これが
とても難しいのです。

あまりいじりすぎると葉の状態が悪くなりますので、1〜2回で
決めたいところですが、なかなか上手くいきません。

年に1度、2月にしかお稽古しないのですが、今年は我が家が喪中
なので特別に今月のお稽古になりました。
その分、水仙の花期がまだありますので練習するしかありません。

私は生徒の立場になるというのは、とても意味があることだと
思っています。
慢心した「先生」になってはいけないと言い聞かせています。


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手づくり手帖インスタグラム

私の制作の様子を掲載して頂いた「手づくり手帖 初冬号」ですが、
こちらのインスタグラムに雑誌に掲載されなかった画像をアップして
頂きました。

たくさん撮影して頂いた画像の一部しか掲載されなかったのを残念に
思っていました。

とても綺麗な画像なので、是非ご覧下さい。


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ニコライ・バーグマンのお店

以前から素敵と思っていた「ニコライ・バーグマン」のお店に
贈り物のお花を購入しに出かけました。

お店の前の装飾です。
クリスマス仕様と思われます。
独特のセンスがいいですね。

ボックスフラワーは贈ってよし、もらってよしなので、これからも
出かけることになると思います。


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ミャンマー土産

ミャンマーにお出かけになった方から、お土産に漆塗りの
小物入れを頂きました。


ミャンマーの漆器は塗面に線刻して色漆を充填した加飾が特徴です。
中を見るとたっぷりと漆が塗られているのがわかりますが、これが
固化しているのが凄いところです。


以前のブログで紹介しました「馬尾胎蒟醤椀」です。竹と馬の尾の毛で
胎が編まれているので柔らかくしなるのですが、それについていけるだけ
漆も柔軟性があるということです。

ミャンマーの漆は正確にはグルタ属の植物から樹液を採取していて、日本の
ウルシ属とは違います。
成分も「チチオール」で、日本の「ウルシオール」とは違ってきます。

日本とこのミャンマー産の漆と関係が深いことがわかっています。
すでに桃山時代に輸入したミャンマー産の漆で漆器を作り、輸出していたのです。
国産の漆とは違う性質の漆を使いこなしていたんですね。

お土産を頂いたことで、改めて勉強することができました。


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