金繕いのご依頼があった急須の把手の接着です。
最近の教室ですと把手の先が開放になっている形をお持ちに
なる方が多かったのですが、こちらは閉じています。
閉じていると端末の処理がいらないので簡単なようですが、
他に注意するところが出てきます。
ですので同じタイプの金繕いをなさりたい方は、一度教室にお持ち
になり、手順をご確認下さい。
今回のものは依頼品だったので、自分のものとは違う点があります。
一つは仕上げの金属粉です。
一番の選択肢は金ですが、割れの形が斜めだったので目立つのが
気になりました。
また銀ですと硫化した状態がお好みに敵うとは限りません。
よって選択したのがプラチナ泥です。
もう一つはニュウを仕上げたことです。
本透明漆で十分止まっている場合、仕上げはしないのですが、
依頼品なので敢えて仕上げています。
これは状態をご存知でないと、作業半ばに見えてしまうからです。
このように依頼主との距離感で作業の内容が変わります。
頼まれた物を直しているという方は、このところを踏まえて作業
なさるとよいと思います。