月別アーカイブ: 2017年5月
茶の湯展 ラウンド2
先月見に行った「茶の湯」展を、会期末にまた見に行きました。
理由はこの時期にしか展示されていないものを見に行くため
です。
特に公開される機会が少ないと原一菜先生からお聞きしたものを
ぜひ見たいと思いました。
朝9:30の開館に間に合うように着いたのですが、入場券を購入する
列が20M、すでに入場券を持っている人の列も15Mほど出来ていました。
やっと入場できても平成館の前で、また列に並びました。
そして40人ずつくらい入れるという入場制限です。
とはいえ待ち時間が15分ほどでしたから、まだいいかもしれません。
中は、最初の展示室が3重くらいの垣根が出来ており、後ろから覗ける
状態ではありませんでした。
展示の順番に従わず、空いているところからドンドン見るのが良いと
思います。
混雑状況の情報を見ると、閉館時間に近い方が空いているようです。
特に開館時間が延長される金曜日が良いかと思います。
また入場券を購入するなら、上野駅構内のチケット売り場で先に
購入するのがいいです。
(但し割引券は博物館前のチケット売り場でしか交換できません)
会期は今週末の6月4日日曜日までです。
見学をご検討の方に参考になれば幸いです。
横浜山手西洋館 花と器のハーモニー2017
久しぶりに横浜山手西洋館のイベント「花と器のハーモニー」を
見てきました。
今年のテーマは「もてなしの華物語〜全7章」です。
●ブラフ18番館「MINT MINT MINT HOUSE」
●山手111番館「写真家のPrivate Gallery Party」
今年の展示は白い花と緑という同じ印象の館が多かったのですが、
装飾のボリュームとしては満足感がありました。
印象に残ったのは山手111番館と横浜市イギリス館です。
111番館は上品な装飾が多いのですが、今回はポップなイメージで
斬新な感じがしました。
イギリス館は花活けの装飾自体が珍しいですし、場所場所で違う
手法で飾られているのも見応えがありました。
洋館ではないのですが、港の見える丘公園の植栽がイングリッシュ
ガーデンのようにリニューアルされていました。
以前のバラの株が点々と植えられている状態からは、一新されて
います。
こちらも見る価値大です。
「花と器のハーモニー」は、今週末の6月4日まで。
開館時間は、9:30〜17:00です。
トクサの具合
トクサを使用する際には、水に20〜30分浸して柔らかくしてから
とお願いしています。
その柔らかくなった具合ですが、一概にこれぐらいというのは ありません。
というのはトクサの生育状況により柔らかさが違うからです。
お守り頂きたいのは、20〜30分という時間です。
またトクサ自体の緑が残っていると、浸けている水が緑色に なることが
ありますが、これも心配する必要はありません。
1週間以上乾燥させていれば、乾燥が足りないということは ありません。
必要なのはトクサが含んでいる水分が抜けていることで、色の 変化は関係
ないのです。
以前のブログにも書いていますが、使わなかったトクサは再度
乾燥させれば再使用出来ます。
但し5度ほど浸けて乾かすを繰り返すと、トクサ自体が劣化して
しまうようです。 使っていないのに柔らかく削れないようでしたら
処分をお考え 下さい。
「金繕いの本」が出来るまで9
昨日、プロセスページのデザインを決めたところまで
書きました。
今日は原稿を書いた話をアップしたいと思います。
本が発売になった時「ゴーストライターはいません。」とジョーク
を言っていたのですが、原一菜先生に書いて頂いた序文以外、全ての
原稿は私自身が書いています。
実は私は途中まで原稿を誰が書くのかわかっていませんでした。
それがグラビアの撮影が終わった時にY編集長から
「白鳥先生、次はWord起こし(原稿作成のこと)ですね!」と
言われて、ようやく理解したのです。
普段ブログを書いていて、文章を書くのは慣れているから大丈夫と
励まして下さった方もおられたのですが、それと本の原稿は別世界
でした。(涙)
一番困ったのが「文章を開く」ということです。
これは5大新聞社が出した基準に出版業界がならったもので、簡単に
いうと誰もが読みやすい形に文章を変えるということです。
例を挙げると、
その為→そのため
出来る→できる
言う→いう
下さい→ください
のようになります。
これを漢字をひらがなに変えればいいのかと思えば、
〜しやすい→〜し易い
になったりします。
原稿はまず自分で文章を書き、原一菜先生のチェックを受けて修正。
さらにY編集長のチェックを受けて、確認した上でブックデザイナーの
平野さんへ送るを繰り返しながら、進めていきました。
弱音を言ってしまえば、これを通常の講師の仕事をこなしながら、
厳密に決められている締め切りに間に合わせなければならないのは
本当に厳しかったです。
Y編集長から、いい文章を書くには一晩ぐっすり眠って、翌朝見直すと
良いとアドバイスをもらったのですが、そのような余裕は一切ありません
でした。
睡眠時間を削り、原先生の助手に入っている講座を休みとギリギリの
工夫をして何とか締め切りに間に合わせたのです。
「金繕いの本」が出来るまで8
前回はグラビア撮影したところまで書きました。
いよいよ内容が具体的になっていきます。
まず始まったのが、プロセスページのデザイン決定です。
プロセスの撮影時には打ち合わせしていて、お願いしたのが
「シンプルで見やすいこと」というコンセプトでした。
デザインのスタイルとしては「モダン」とお願いしています。
提案があったのが出版されたものと、ほとんど変化はありません。
大きく変わったのが、色を使わずモノトーンにしたことでしょうか。
これは文章の感じからすると色味がない方がよいというY編集長から
の提案に従ったものです。
結果は大正解で、大人の方の鑑賞にも耐えるものになったと思って
います。
といった表現です。
少々照れがあったからなのですが、大人の鑑賞に耐えるという
意味では正解だったと思います。
出版後、プロセスページをご覧になって「白鳥先生らしい!」と
褒めて下さった方がおられたのですが、これは本当に嬉しい言葉
でした。
「シンプルで見やすいこと」というコンセプトが、私らしいという
ことでもあったからです。
良い位置
NHK文化センター千葉教室のKさんの作品をご紹介
致します。
蕎麦猪口のひびを金繕いされました。
ただ線を描くだけでなく、元々の柄にあったものを加飾
されています。
ポイントは、丸い粒の位置です。
ご本人も位置は熟考されたとおっしゃっていますが、とても
良い位置に入っていると思います。
特に下の粒は帯の上に乗っています。
このような位置は避けたくなるものですが、臆することなく
入れられたのが、良い結果になりました。
教室内からも金繕いする前より良いのではないかと賞賛の
声が上がりました。
Kさんは仕上げ直近の器がたくさんあります。
大きい欠けの磨きに難儀されていますが、この蕎麦猪口で勢いを
つけて完成に漕ぎ着けて頂ければと思っています。
細い線信仰?
仕上げの線は、器に合っている太さであればよいと
お話しています。
大雑把に言えば、磁器の薄手のものは細めの線が合いますし、
ざっくりした陶器は太い線が合います。
しかしなぜか器の感じに関わらず、細い線が最上のものという
方がおられます。
細い線を描かなければならないとおっしゃいます。
そのご様子は「細い線信仰」なるものが存在するようです。
確かに細い線を描くのにはテクニックが必要です。
それが最上という感覚に結びついているのだと思います。
私もかな書の練習のおかげで、かなり細い線を描くことが出来る
ようにはなっています。
しかし実際の仕上げで糸のように細い線を描くことはありません。
磁器であれ、陶器であれ、ある程度の質量を持つものには、相応の
太さが必要だと考えています。
そして大前提として、仕上げとは欠損を埋めた跡を化粧するものです。
まずは欠損をしっかり覆うことを優先し、線の太さは出来る範囲で
良いかと思います。
藍 発芽完了 2017
先週の11日に種蒔き後10日を迎えた藍ですが、発芽が完了し
どんどん大きくなっています。
種は17粒蒔いたつもりだったのですが、1か所に2粒入れて
しまったところがあり、計18粒蒔いていました。
そのうち発芽したのが17粒なので、発芽率は94%超の高確率
でした。
すでに最初の双葉の次の葉が出ています。
時々ハイポネックスを与えながら、丈が10cmくらいになるまで
待ちます。
早くに芽を出したものが成長も早いかと思っていたら、そうでも
ないようです。
さて残るのは、どの苗か?
急須の補強
NHK文化センター ユーカリが丘教室のTさんの作品を
ご紹介致します。
急須の注ぎ口と把手の補強です。
使用頻度が高く突起部分が多い急須は、破損が多い代表格です。
こちらは注ぎ口が割れ、把手も折れてしまっています。
注ぎ口は又ぶつけて再破損してしまうのを回避するため、接着する
だけでなく、和紙で補強しています。
把手部分も単に接着するだけではなく、持ち上げる部分としての
強度を持たせるため補強しています。
これは中に熱いお茶が入るので、もしもの場合があってはならない
からです。
途中、思わぬ破損の追加になってしまったりと、経過は大変
だったのですが、Tさんは根気よく作業され、完成に至りました。
金の仕上げが元々の柄にも合って、修復箇所が多い割に目立ちません。
ご本人としては、把手の仕上げが不本意のご様子ですが、ここまでの
作業を思えば問題ありません。
持ち主のお子様もきっと喜ばれると思います。
お祝いランチ
学生時代の友人が、出版のお祝いにランチ会を開いてくれました。
最後のデザートがこれです。
感動(涙)
もう「ちゃん」という年齢ではないけれど、それは青春のひと時を
共に過ごした同級生ということで。
会話をしていても、お互い「ちゃん」付けですから。
気持ちはその頃に遡り、同じ分野を勉強した仲ですから会話も
弾みます。
本当に楽しい時間を過ごしました。
さらにプレゼントしてもらったのが、ニコライ・バーグマンの
ボックスフラワーです。
ニコライのセンスは、とても素敵だと思っていたので、嬉しさ
倍増。
色の選択も私の好みに合っていて、さすが同級生です。
出版作業は大変でしたが、代わりに色々な喜びを連れてきて
くれました。