日別アーカイブ: 2017年3月6日
着彩する2
NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品を
ご紹介致します。
先日の作品と同様に、着彩で綺麗に直されたものです。
ティーポットの蓋です。
割れを接着した線が葉を横切っていたのを、着彩して分からなく
されました。
色がバッチリ合っているので、全くわかりません。
というのもIさんはポーセリンアート(洋食器の絵付け)をなさって
いるので、新うるしの色揃えがあれば「いくらでも出来る。」と
おっしゃるくらいなのです。
ところで、この蓋。
少々数奇な運命がありました。
修復前の状態です。
色がベージュがかっているのが、お分かりになるかと
思います。
ポットの本体が白なので、Iさん自身、違和感があったそうです。
修復の過程で現れたのが、本当の地色の白でした。
どんどん磨いていくと、何とてんとう虫が現れたのです。
どうやらお求めになった骨董商が、割れを隠すために蓋の表面を
ベージュ色で着彩していたようなのです。
てんとう虫の細かいところを上手く残せなかったので、全て隠して
しまったのではないかと想像されます。
思い切って徹底的に金繕いすることを決断した結果、違和感を
持たれていたベージュ色もなくなり、失われていたてんとう虫も
現れました。
今回の成果は途中の画像で見て頂けるような、葉の色の欠損を
綺麗にされたことです。
てんとう虫の赤も合わせて着彩され満足のいく結果になって、
お勧めした私も感動致しました。
カテゴリー: 生徒さんの作品