月別アーカイブ: 2017年3月
テクスチャーのある器
個性的な器の金繕いの依頼を頂戴しました。
大きく2つに割れ、縁が細かく割れた上に欠損もありました。
割れの接着としては難しくないのですが、気をつけなければ
ならなかったのが表面のテクスチャーです。
シワが寄ったような細かいテクスチャーが表面にあります。
そのため接着段階からしっかりマスキングを行いました。
削る、磨くという工程でもテクスチャーに対応したテクニックが
必要です。
もちろん仕上げにおいてもです。
ここまで細かいテクスチャーでなくても、表面に不定形なざらざらが
ある器は多いと思います。
適宜説明いたしますので、教室でご相談下さい。
「金繕いの本」が出来るまで7
前回はグラビア撮影のためにロケハンに出かけた話をアップ
しました。
今回はいよいよ撮影です。
舞台となった自由学園明日館は人気の建物のため、撮影日も
行事が入っていました。
そのためメインの撮影場所となるロビーは喫茶スペースとして
オープンする10:30まで。
他の場所も行事との兼ね合いで14:00がリミットでした。
撮影時間は、朝9:30スタートで4時間半です。
プロセスが掲載される分の13枚と、グラビアのみの3枚。
Y編集長とカメラマンの平野さんの事前の見解では、時間内に
撮影できるのは半分にも満たないだろうというものだったそうです。
ところが結果は全て撮影出来、14:00に撤収完了でした。
これは事前のロケハンでの絞り込みが良かったからと自画自賛したい
ところですが、やはり自由学園明日館の魅力の為せる技だと思います。
どこで撮影しても絵になるのですから、カメラマン・平野さんの
インスピレーションを刺激したのだと思います。
ところで「金繕いの本」をお求め下さった方は、お気づきになった
かもしれません。
明日館には和室はないではないかと。
これは撮影用に備品を持ち込んだだけで、ちゃんと明日館で撮影して
います。
明日館は期待通り和洋両方の撮影に答えてくれたのです。
小さい欠け
NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介致します。
縁の小さな欠けです。
よくある破損で、初心者としては最適な金繕いなのですが、
仕上げをするにあたっては意外に苦戦されることが多い
タイプです。
たっぷり蒔下の弁柄漆を塗っておくと定着がよいという誤解が
多く、小さい割に塗り過ぎで失敗されることがあります。
Sさんも塗り方の練習をされてから、この仕上がりに到達され
ました。
常々ブログでも書いている通り、理屈はいろいろお話しできますが、
いきなり出来るとは限りません。
相応の練習を積んでから、行うことをお勧め致します。
ブックカバーから筆巻き
久しぶりのお手製道具入れシリーズです。
NHK文化センター柏教室のMさん制作です。
表紙を差し込む部分を入れたい道具に合わせて、幾つかに縫って
あります。
ご自分でなさったのは、これだけです。
反対側の表紙を差し込む部分で道具の先端をカバー出来ます。
本来はしおりになる紐で全体を巻けば、筆巻きになるわけです。
今まで色々道具入れを見せて頂きましたが、ブックカバーが筆巻きに
変身するという、素晴らしいアイディアです。
お裁縫が得意でない方でも、道具に合わせて直線縫いするだけなので
負担にならずに出来ると思います。
元々丁寧に作られた品なので、とてもしっかりしているのもいいところ。
一菜会では道具入れは皆様にお任せしています。
これは!という道具入れをお持ちの方は、是非ご紹介させて下さい。
講座の進め方
講座はどのようなやり方で進めているのか、質問を頂戴
いたしましたので、ご説明したいと思います。
1.説明方法
口頭だけではなく板書もしくはレジメにて、ご説明しております。
さらに実演を行い、ご自分の器の金繕いに取り掛かって頂きます。
その後それぞれのお席に伺い、進捗状況を確認し、次の作業工程に
ついて個別にご説明しております。
講師に声をかけないと説明が聞けない、積極的な方ばかりが説明を
受けられるというような不平等がないよう努めています。
2.教材費
初心者の場合、1年のカリキュラムの中で教材費を頂戴するのは3回
だけです。
①初回に基本の教材 ¥7,500 と、テキスト ¥1,944
②追加で持っていると便利な道具類が 最大¥5,000弱
③貝合わせの制作時に 最大¥3,100程度
安価な道具の選定や選択制にしたり、貸出の道具を用意するなどして、
出来るだけ、ご負担のないように工夫しています。
3.白鳥講座のみの対応
一菜会の中でも私、白鳥のみ行っていることがあります。
①教材の販売
消耗してなくなってしまう教材について、都度販売しております。
個別に必要になる材料についても、出来るだけご協力しております。
(手数料を頂戴しております)
②メール・FAXでの質問受付
1ヶ月に1度の講座なので、作業内容に疑問が生じた場合は
お問い合わせ頂けるようにしております。
お祝い
先日の出版記念パーティーに合わせて、たくさんのお祝いの
お花やお菓子を頂戴しました。
事前に自宅にもお届け頂きました。
花農家さんからの直送の百合です。
花持ちがよく、長い期間楽しめると手配して下さいました。
藤那海工房に合わせて紫色のプリザーブドフラワーを特注して
下さった写真立てです。
このように皆様趣向を凝らして選んで下さっているのが、本当に
有難いことだと思いました。
それでしみじみ思ったのが、お祝いをするということで、その人の
お付き合いに対する考え方や、センスが出るということです。
お祝いをしたいと思うのなら、今回頂戴したように相手の方を
思い、タイムリーに出来る人間でありたいと思いました。
若い頃はそのようなお付き合いが日本人のしがらみのようにも
感じましたが、お祝いされる立場に立ってみると、やはり嬉しい
ものです。
このお付き合い、安易にスルーするとペナルティーが待っていると
ご承知の方も多いと思います。
私も今後のお付き合いを考え直そうと思っている方がいます。
形を作る
藤那海工房 木曜日クラスのTさんの作品をご紹介致します。
ティーカップの複雑な欠けを金繕いされました。
Tさんは器の形を戻されるのに長けていて、角と波が繰り返す
複雑な形状を綺麗に直されています。
仕上げの金泥も蒔下の塗り、蒔くタイミングとも上手くいっているので、
光沢がよく出ています。
以下の直しのようなものは難なく直されているので、合わせてご紹介
致します。
特別講座 金繕いの世界
NHK学園市川オープンスクールで特別講座を行います。
3月31日(金) 午後1時から3時です。
金繕いの歴史、作業工程をご説明した後、仕上げとなる蒔絵を
体験して頂きます。
お手元の破損した器をお持ち頂ければ、金繕いが可能かどうかの
鑑定も致します。
金繕いとはどんなものなのか、体験してみたい方には最適な講座
です。
どうぞ参加ご検討下さい。
藤と波
私の藤那海工房にちなんだ巻寿司を頂きました。
画像上の卵で巻いてあるのが「藤」の花、下が青海「波」ですね。
藤の花の部分はとても細かくて、作るのが大変だったのではないかと
思います。
見た目も綺麗ですが、食べても美味しかったです。
ありがとうございました。
元気回復です。
2017年4月期の募集
TOPページでもお知らせしていますが、4月からのカルチャーセンター
の募集状況をお知らせ致します。
今期に募集があるのは、下記のクラスです。
春から陶磁器の修復技法、金繕いにチャレンジしてみませんか?
◯NHK文化センター
柏教室
第3金曜日 13:00〜15:00:満席になりました
第3日曜日 午前/午後:募集を行っております
ユーカリが丘教室
第3月曜日 13:00〜15:00:募集を行っております
※午前のクラスが満席になった為、急遽午後クラスの募集を行います
◯よみうりカルチャーセンター大宮教室
第4月曜日 13:00〜/15:30〜:募集を行っております
◯JEUGIAカルチャーセンターイオンモール八千代緑ヶ丘
第2金曜日 10:00〜12:00:募集を行っております
※3/30(木)10:00〜12:00に新規受講特別講座を行います
新しく受講を始められる方は、この講座からスタート下さい。
◯セブンカルチャークラブ成田教室
第1月曜日 10:30〜12:30:募集を行っております
※4/3(月)講座見学会を行います。講座の様子をご覧頂き、
講座内容について簡単にご説明致します。
ご興味のある方は、是非おいで下さい。