日別アーカイブ: 2016年7月9日
洋食器の漆繕い
NHK文化センター ユーカリが丘教室Mさんの作品を
ご紹介いたします。
めずらしい洋食器の漆繕いです。
お皿全景で見ると、どこを修復しているかわからないと思います。
修復部の拡大です。
元々は窯キズで、縁に凹みがありました。
持ち主の意向で、出来るだけ釉薬に似た感じで仕上げて欲しい
とのことでしたので、今回のような漆繕いという選択になりました。
漆繕いとは、金繕いの原点です。
現在のように金属でコーティングする前段階として、漆の色そのもので
繕いは終了していました。
新うるしは通常の修復で使っている本透明、弁柄の他、色々な色が
品揃えされています。
今回はその色のうち、茶系統の色がそのまま合いましたので、それを
使用しています。
修復箇所をぼんやりぼかして馴染ませたのはMさんのアイディアで、
より目立たせない効果があると思います。
漆繕いは単純に色を合わせればよいと思われがちですが、意外に
難しい点があります。
金•銀の素材色の方が合わせやすいのです。
漆繕いをお考えの方は、まずご相談下さい。
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