NHK文化センター ユーカリが丘教室のSさんの作品を
ご紹介致します。
金泥の仕上げが美しい作品です。
実は骨董屋さんでバラバラに割れていたのを、譲り受けた品なのだ
そうです。
絵付けの柄のダイナミックさに反して器の形は繊細なので、割れの
接着後の欠損の埋めに苦労されました。
完成まで2年を要したのも、致し方ないところです。
仕上げの線を太めの筆を使われたのが大変効果的で、これが絵付けの
雰囲気ととても合っています。
仕上げの線の太さを気にする方が多いと思いますが、Sさんの思い切って
太い筆で一気に描き上げるというのは、参考になさるとよいと
思います。
Sさんは「不器用な私でも出来ました。」とおっしゃっておられましたが、
これは不器用だから金繕いは無理ではないかと思っている方に
やってみようという勇気を与えてくれるのではないかと思います。
Sさんが素晴らしかったのは、根気よくコツコツと作業を進められた
努力なのです。
しかも美しい完成まで妥協しないという、そういう志がよい作品を
生むのだという好例として見て頂きたいと思います。