月別アーカイブ: 2016年3月
ニオイトサミズキ
ちょっと変わったお花で花活けをしました。
中国原産の「ニオイトサミズキ」です。
つぼみの段階はこんな感じでした。
このつぼみ、ひとつひとつが房状に花をつけます。
爽やかでやさしい香りがほんのり漂います。
黄色の花も鮮やかで綺麗です。
部屋の中が春になっています。
三春の貝香合
少し前のブログで珍しいご依頼を受けましたと書きました。
それをご依頼主のお許しを頂いたので、お目にかけたいと
思います。
ご依頼は、茶人であるご依頼主様が茶事のおみやげに頂いた
ハマグリ貝に「桜•梅•桃」を描いて欲しいというものでした。
返礼の茶事に貝香合として仕立てるためです。
お引き受けしたのは、このように特別に誂えるというお考えが
素晴らしいと思ったことと、返礼の茶事を受けられるお客様が
東日本大震災で被害を受けられた福島の方だということです。
なぜ「桜•梅•桃」の3種の花を要望されたかというと、福島は
春にこの三つが同時に咲くからなのです。
それぞれの花の格に応じて男貝•女貝に配置しました。
特に桜は福島の銘木•滝桜です。
書き込んだ書は、
「見わたせば 柳桜をこきまぜて 宮こぞ春の 錦なりける」
という古今和歌集の素性法師の歌です。
春爛漫らしい歌として、本歌取りしました。
ご依頼主様が喜んで下さったのは前のブログに書いた通りですが、
お客様がすぐご自分の差し上げた貝だと気がつき、言葉を詰まら
せるほど喜ばれたとお聞きしました。
ご依頼主様の一期一会を大切にされるお茶事のお手伝いが出来た
こと、東日本大震災に遭われたお客様のお気持ちを少しでも
お慰め出来たのではないかと思うと、本当に満たされた気持ちに
なりました。
このご縁に感謝です。
希望 vol.10
拝見する度にご紹介している『希望』展ですが、vol.10となり
ました。
この展覧会の売上金の一部は東北沿岸部を中心にキャンドルの
「希望の灯り」を灯す「灯り」実行委員会の活動費にあてられます。
そのため作品がリーズナブルな価格で提供されているのですが、
アーティストの実験的な作品発表となってもおり、大変見応えが
あります。
参加アーティストは30人。
個性ある作品が並び、飽きさせません。
友人•大古瀬和美さんの作品です。
「古文書」のタイトルをもつ作品は蜜蝋を使っており、懐かしい
ような不思議な魅力があります。
ちょっとしたスペースに飾るのに丁度よい作品群です。
個性的な立体作品も目を引きます。
ギャラリーの前は「あじさい通り」といい、オカメザクラが咲き
始めていました。
通りに入ると濃いピンクが目に飛び込んで来て、春の声を聞いた
ようで楽しくなります。
この展覧会中に満開となりそうです。
こちらも合わせてご覧下さい。
会期は3月11日(金)まで。