NHK文化センター ユーカリが丘教室のTさんの
作品をご紹介致します。
陶器の欠けを金泥で仕上げられました。
釉薬の雰囲気に金泥が合っており、安心して見られる仕上がり
です。
この器の仕上げについて、Tさんから難しい質問がありました。
綺麗な平滑面の仕上げではなく、陶器のゆらぎのある釉薬の感じに
合った仕上げはないか、ということです。
基本的に金繕い自体が蒔絵の応用なので、過去の名品を見て頂くと、
仕上げは綺麗な平滑面となっています。
ですので目指して頂きたいのは、このような平滑な仕上げという
ことになります。
しかし陶器の雰囲気に合わせたいというのは、もっともなご要望
です。
それを難しくしているのは、形を成形するという作業が必然的に
平滑面に帰結していくからです。
それと陶器のようなテクスチャーを仕上げとして違和感なく作る
のは、テクニック的な問題とアートを合わせたような作業に
なるかと思います。
簡易にそれを成すとすれば、形の成形段階での加減や、仕上げの
工程の工夫で出来ることはあります。
あえて言うとすれば平滑な仕上げを作っておけば、変化は可能
ということでしょうか?
このあたりはまた、サンプルなどお示ししてご説明したいと
考えています。