すぐ塗れ〜る について

私のブログから辿って、播与漆工さんの筆付き瓶入り漆「すぐ塗れ〜る」
をご覧になった方がおられましたので、この商品についてご説明して
おきたいと思います。

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本漆の難しいところは、かぶれるという問題と道具の始末に手間が
かかるということです。
「すぐ塗れ〜る」は、筆がついたマニュキュア瓶様のものに本漆を
入れることによって、それらの問題の解決を図った商品です。

封入されているのは、京都の佐藤喜代松商店さんが作っている
三本ロールミル精製法という新しい製法で作られた「MR」漆です。
これは従来の熱をかけて精製していた際に失われていた酵素を
維持し、より硬化しやすくした本漆です。

気をつけなければならないのが、あくまでも封入されているのは本漆
ということです。
ですので扱いが簡便になっただけで、「かぶれる」という問題は
解消した訳ではありません。
よって皮膚についてしまった場合は、かぶれます。

マニュキュア様の使い方だと、確かにかぶれのリスクは少なくなりますが、
もしもの場合がないとは言えません。
うっかり手につけてしまった、テーブルにつけてしまったという時の
対処方法を実践出来ないまま、お使いになるのは危険です。

お使いになるのであれば、しっかり対応を学んだ上でチャレンジなさって
下さい。

もちろん硬化の為の室(高温多湿を維持した環境)も必要です。

ところでついている筆はあまり繊細なものではありません。
ですので金繕いの下地にお使いになる際には十分ですが、仕上げには
適しません。
また硬化速度が速い漆ですので、瓶の内容量全てを使い切らないうちに
漆は硬化してしまいます。
(播与漆工さん談 白鳥実感済み)

このような点も踏まえて、お使いになりたい用途に適切か、ご判断
下さい。

インスタグラム「kintsukuroi shiratori


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