月別アーカイブ: 2015年12月
2016用 門松
毎年ブログに書いていますが、今年も原一菜先生の講座で
門松作りを行いました。
太田流(旧 小笠原流)では、左右で違う種類で、根が
ついている松を使う事が特徴です。
水引は、日の出を現したものです。
既に昨日の内に飾り付けを行っています。
これは一夜飾りになるのを避けるためです。
門松は、歳神様に来て頂く目印(依りしろ)です。
この歳神様というのが日本独自の考え方と聞くと、大事に
したい習慣だと思います。
2015年 最後の教室
今日の藤那海工房が、今年最後の教室になりました。
本漆での拭き漆、皿貝•ひおうぎ貝のパール粉での装飾と
盛りだくさんの講座でした。
画像は、みなさん真剣にパール粉での貝香合制作に取り組んで
いるところです。
少々の修正は来年に持ち越しですが、それぞれ個性的な作品が
出来上がった様子です。
また来年とご挨拶して、今年の仕事納めとなりました。
釉薬との相性
NHK文化センター ユーカリが丘教室のHさんの作品を
ご紹介致します。
縁に小さな破片の接着をなさっています。
これにヒビが続いていました。
Hさんはこのヒビの仕上げの線を極力細くとこだわられました。
仕上がった状態で見ると、釉薬ととても雰囲気が合っていて、
とてもいい作品になりました。
Hさんは、今、いかに納得がいく仕上げになるかと探求されて
います。
この作品では、少々欠け部の仕上がりにムラがあるのですが、
それがかえって釉薬の雰囲気にマッチしています。
このように仕上がりの状態は、器によって変化があって構わ
ないのです。
Hさんの探究心は、この器はこのように仕上げたいと目的が
はっきりしているところが素晴らしいと思っています。
男性ならではの視点だと思いますが、このように目的を
持って作業されると、必ず上達に繋がると思います。
皆様、ぜひ参考になさって下さい。
ノートの取り方
金繕いの講座ではレジメをお配りするより、板書での
説明を中心にさせて頂いています。
これは経験上、板書でのご説明がベストと考えているから
です。
ノートをご用意下さいとお願いすると、大学ノートを
お持ちになる方が大半です。
では私のノートは何かというと、A5サイズのルーズリーフを
使用しています。
ルーズリーフのいいところは、情報の分類•改廃が容易なところ
です。
新しい情報が入ればページを足すだけで、同じ分野の内容が
まとめられるのが気に入っています。
大学ノートをお使いの方は、立っている時にメモが取りずらいと
いうことをお悩みではないでしょうか。
そのような時にはクリップボードなど支えになるものをご利用に
なるのがいいかもしれません。
私としても実演する時に重要な内容を話すことが多いので、メモを
取って頂けるとよいと思っています。
こちらはマルマンのルーズリーフがパッド型でセットされた
ものです。
しっかりした作りになっているので、立ちながらの筆記も
問題ありません。
上記のものは一例ですので、参考にして頂けたら幸いです。
黒の釉薬に
修復が完成した、ご依頼品です。
マットの黒の釉薬に少々変わった仕上げをしてみました。
照明下で撮影したので、色が実物と違いがあります。
それでも不思議な光彩は、ご覧頂けるかと思います。
使用したのは、自分で加工したものです。
マットな黒の釉薬に目立ち過ぎない存在感があるかと思います。
黒の釉薬にどんな仕上げをしようか、検討中の方は教室で
ご質問下さい。
実物をご案内したいと思います。
潔い割れ
NHK文化センター ユーカリが丘教室のTさんの
作品をご紹介致します。
潔く割れたマグカップの修復です。
元々マグカップに金彩が入っていたので、金泥での仕上げに
違和感がありません。
実はこの修復は特殊な方法で行って頂いています。
Tさんは、新しい技術にも積極的に取り組んで下さるので、お教えする
側としても説明のしがいがあります。
このあたりは探究心の強い男性ならではかもしれません。
今回の技法は意匠のように見えますので、一見何なのかわかりにくいと
思います。
同様の技法を使った方がよい方には、適宜お勧めしておりますので、
チャレンジしてみて下さい。
金時草2015
以前のブログでもご紹介しました「金時草」をまた
頂戴しました。
葉裏が鮮やかな紫色の加賀野菜です。
画像上方に菊科らしいつぼみが見えます。
ゆで汁が鮮やかな紫に。
今回も酢醤油で。
ゆでてしまうと、さすがに鮮やかな紫は失われますが、
シャキシャキとした食感と、ぬめりが美味しいです。
メンディングテープは使えるか?
テープ類で質問が多いのが、メンディングテープについてです。
メンディングテープは、セロハンテープのマット加工タイプの
ようなものです。
紙に貼っても目立たない、上から文字が書けるなどの特徴が
あります。
これを金繕いに使えるかという質問を受けるのですが、マスキング
テープに続き、答えは「否」です。
メンディングテープはあくまでも平に置いた紙に効果がある
ものです。
立体の器には平滑性が強くて馴染まないことが多いです。
やはり文房具と言えるでしょう。
世田谷ボロ市2015
昨日世田谷ボロ市に行ってきました。
ボロ市の中心、代官屋敷です。
待ち合わせの際の目印にもなります。
賑わう通りの様子です。
例年ボロ市の日は冷え込みが厳しくなる時が多いのですが、
今年は温かかったので、買い回りには助かりました。
でも人出は少々少なかったように思います。
購入した物の一部です。
近年染付けというと、印判のものが多くなりました。
その中でも紙型印判で柄が緻密なものを選んで購入しました。
漆器も購入。
ちゃんと木地物なのですが、300円程度と格安です。
どんな作品にするかは決めずに、入手してしまいました。
染付けが品薄になってきたからか、錦手のものが出てきたように
感じます。
購入して来たものは、甘手(磁器にも関わらず、貫入が入っている)
の上に、欠け多数なので、やはり格安です。
店主の話ですと、大聖寺伊万里とのこと。
毎年ボロ市に行っていると、市の変化がわかります。
だんだん自作の陶器や手工芸品を販売する店が多くなってきました。
その分、骨董を扱う店が減ったということでしょう。
また露天ばかりでなく、店舗で飲食出来る店が増えました。
ボロ市というと歩きっぱなしという感じでしたが、適度に休憩を
入れながら買い回りも可能になりました。
ボロ市は新年1月の15〜16日も行われます。
ご興味のある方は、お出かけ下さい。
再トライ!
下の画像は、仕上げ作業中の器を部分的に拡大したものです。
このような状態になっていると、せっかく仕上げをしたのに
線が出たとご相談を受けます。
これは下地の埋め方が足りないために出る線です。
このように出てしまったら、再度下地の埋め直しからなさって
頂ければよいと思います。
仕上げ前の段階で、目で見て、手で触ってもわからない溝や
へこみがあります。
完璧にして仕上げに挑んだつもりでも、金泥で仕上げると光が
乱反射して、より目立つようになります。
このくらい大丈夫だろうと思っても、想像以上に足りない部分が
目立つのはその為です。
ある意味出たらやり直せばよし、くらいの鷹揚な気持ちで仕上げに
挑めればいいのではないかと思いますが、どなたも今までの
作業の集大成として臨まれるので、問題が出るとショックが大きい
ようです。
しかし問題が出たとしても、やり直しが出来るのが金繕いのよい
ところです。
よい仕上げの為には、試行錯誤もありとお考え下さい。