日別アーカイブ: 2015年9月10日
藤田美術館の曜変天目茶碗
現在サントリー美術館で行われている「国宝 曜変天目茶碗と
日本の美」という展覧会を見に行ってきました。
曜変天目茶碗は天下三絶と言われ、世界に3点しか現存していません。
それが全て日本にあります。
所蔵しているのは静嘉堂文庫と、京都•大徳寺、そして今回の展覧会の
出品元の藤田美術館です。
藤田美術館の収蔵品が館外に出ることは珍しいようですので、この
曜変天目茶碗を東京で見られるのは非常に貴重な機会と言えそうです。
藤田美術館の曜変天目茶碗は内側の光彩は静嘉堂文庫のものには及ばない
ように思いますが、外側にも光彩が出ているのが特徴です。
また縁には銀覆輪がはめられていることから、曜変天目茶碗が最高峰と
いうことがわかるのも重要な点です。
実物を拝見してわかったのですが、銀覆輪の下に欠けがあります。
上の画像でいうと右下に弁柄色のままになっているところがある
のです。
これはあえてこの形に残したのではないかと思います。
天目茶碗は縁が大変繊細に作られているので破損しやすく、覆輪が
はめられているケースが多いです。
弁柄色の部分は覆輪で隠せないほど欠けてしまったと思われますが、
黒釉に似せて修復するのを避けたのかもしれません。
基本的にお茶碗を同色に仕上げをすると“格落ち”するとされます。
そこでハッキリと破損しているとわかる弁柄色のままにした可能性も
あるかと思います。
それは曜変天目茶碗に対する敬意なのか、何なのかはわかりませんが。
皆様はどのようにお考えになるでしょうか?
この展覧会は9月27日(日)までです。
大雨だった今日の会場は、余裕を持って拝見出来るくらいの入場者数でした。
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