NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
湯のみの見込みに出来たヒビの修復です。
湯のみは口径が小さいので、見込み部分の仕上げは難しいところがあります。
Mさんは何回もやり直しをされ、ついに完成されました。
粘り強く取り組まれた成果が、仕上げのしっかりとした線に現れています。
器の内側の仕上げが難しい場合、持ち主は誰か、使う用途は何かなど
確認させて頂いて、最適な仕上げ方法をアドバイスしております。
状況によって正解は変わりますので、仕上げ前にご相談下さい。
ところでMさんの作品は飛び鉋と釉薬の色から、小鹿田焼か、小石原焼では
ないかと思われます。
緑と茶の柄の入れ方がモダンなので、小石原焼かもしれません。
この二つの窯元は兄弟のような関係です。
江戸前期に高取焼の陶工が小石原焼を開き、その技法が江戸中期に小鹿田焼へと
伝わりました。
地理的にも2つはとても近い場所にあるように、特徴も大変似ています。
修復においては化粧土に注意が必要です。
作業を始める前に必ず注意事項を確認下さい。